通称「こち亀」。この短く端折った呼ばれ方こそが、今様読み物文芸としてのニッポンマンガの栄光である。 人気マンガ作品がこのように略して呼びならわされるようになったのは、概ね80年代末から90年代にかけて。『少年ジャンプ』の600万部以下、週刊誌でのマンガ商品がそのようなとんでもないオーダーで流通し消費されるようになった戦後ニッポンマンガの黄金時代。そういう当時の情報環境があって初めて、「スラダン」「ゴー宣」その他、人気を博したマンガ作品にこのような呼び方があたりまえにされるようになっていた。連載開始以来今年で40年、ということは当時でもすでに20年ほどたっていた、そしてその間必ずしも第一線の人気を維持し続けていたとは言えない作品が「こち亀」と呼ばれるようになったのも、毎週の人気投票で生き残りが決められる最も苛烈な『少年ジャンプ』という場でその時期まで、そしてその後も今日まで、しぶとく粘りに粘
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