「自分はセンスがないからなぁ」 こんな言葉を人から聞くこともあれば、自分でも使っている。謙遜の言葉として素直に受け取れば良いのだが、ひねくれて考えれば、これは自らの無知をさらけ出している言葉なのかもしれない。 センスとか感性というのは、知識や理論である。例えば、相手を唸らせることができる何かを示せたとき、相手は、その人をセンスが良い、感性が高いと評価する。それは、経験に裏打ちされた知識があるからであろうし、唸らせるほどの論理的根拠があるからだ。芸術も知識や論理だ。自分にはない、知識や論理を示し、相手を感動させる。 だから、人は誰しもセンスや感性を育てることができる。「センスがない」とは、「知識を持っていません」あるいは、「知識を増やす努力をしてきませんでした」という宣言である。 ひとは、誰しも自分の力でセンスや感性を育てることができるのであり、「センスがない」とは、自らを脱落者と宣言するよ