最適化とその応用について講述する.最適化(数理計画)とは,意思決定のための数理手法の一つである.最適化では,与えられた条件を満たす解のうちである関数を最小(または最大)にするものを求める.工学における多くの問題が,このような最適化問題として定式化できる.この講義では,最適化におけるいくつかの基本的な問題を取り上げ,それらがもつ性質と解法を説明するとともに,それらの応用を紹介する.
この記事は、数理最適化 Advent Calendar 2023 23日目の記事です。LLMと数理最適化を組み合わせた何かをつくろうということで、数理最適化の練習問題を生成する GPTs、Optima Practiceを作りました。 数理最適化のコミュニティCasual Optimizationを運営していく中で、「数理最適化が世の中に広まらない要因の一つに実践的な練習問題の不足があるのではないか?」という意見を知りました。数理最適化を実ビジネスで利用していく上で必須のスキルとして定式化がありますが、たしかに定式化の力をつけるのにちょうど良い、程よく実践的で複雑な練習問題は案外少ないです。しかし、練習問題を作成するのは結構大変です。そこで、LLMを使って自動化できないか、というのが本取り組みの趣旨になります。 作ったもの Optima Practice は、数理最適化の練習問題を生成する
回帰モデルの変数選択は,統計分野で古くから重要な課題として認識されており,扱うデータ量の増大を背景として,近年はデータマイニングや機械学習などの分野でも盛んに研究されている.この変数選択問題に対して,数理最適化問題として定式化し分枝限定法を用いて求解する,混合整数最適化によるアプローチが新たな注目を集めている.混合整数最適化の最大の利点は,目的関数として設定した回帰モデルの評価指標に関して,最良の変数集合を選択できることにある.筆者らはMallowsのCp規準,自由度調整済決定係数,情報量規準,交差確認規準などの各種の統計規準に基づいて,線形回帰モデルの選択変数の集合と基数を同時に最適化する定式化を考案してきた.本論文では,線形回帰モデルの最良変数選択問題に対する,混合整数最適化による各種の定式化を解説する.
IBIS 2023 企画セッション『最適輸送』 https://ibisml.org/ibis2023/os/#os3 で発表した内容です。 講演概要: 最適輸送が機械学習コミュニティーで人気を博している要因として、最適輸送には微分可能な変種が存在することが挙げられる。微分可能な最適輸送は様々な機械学習モデルに構成要素として簡単に組み入れることができる点が便利である。本講演では、最適輸送の微分可能な変種とその求め方であるシンクホーンアルゴリズムを紹介する。また、この考え方を応用し、ソーティングなどの操作や他の最適化問題を微分可能にする方法を紹介するとともに、これらの微分可能な操作が機械学習においてどのように役立つかを議論する。 シンクホーンアルゴリズムのソースコード:https://colab.research.google.com/drive/1RrQhsS52B-Q8ZvBeo57vK
Domain Wall Encodingにより,少ない量子ビット数と相互作用数で多制約最適化を実現できる可能性があります. EV割当・スケジューリング最適化 変数 まずは,One Hot Encodingによる定式化を行います. ユーザ$i$がEV$\alpha$を使用する$x_{i,\alpha}=1$ ユーザ$i$がEV$\alpha$を使用しない$x_{i,\alpha}=0$ 最適化に必要な要素 各ユーザのEV利用時間 $L_i$ EV稼働可能時間 $T_{act}$ 依存グラフ $E$ (あとで説明) 最適化の方針:EV利用時間Tαの均等化 いま,$T_{\alpha}=\sum_{\alpha}^{N−1} L_i x_{i, \alpha}$と EVの利用時間$T_{\alpha}$を定義します. すると,EV利用時間の均等化は,次式によって行われます. $ min \sum
野村総合研究所(以下「NRI」)には、数理最適化を用いたお客様支援を行うチーム「Fiboat」があります。2022年12月には、数理最適化の専門家である 国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」)の 梅谷 俊治 教授と、アドバイザリー契約を結びました。 お客様の課題が複雑化し、解決に高い専門性が求められるなか、どのように数理最適化の活動を進めているのか、チームメンバーの渡辺 和泉、砂長谷 健、土井 健、大貫 峻平、石山 将成に「Fiboat」についての熱い思いを取材しました! Q1:チームの取り組みについて教えてください 渡辺:数理最適化によってお客様のビジネスを高度化・効率化するためのソリューション「Fiboat」の提供を行っています。 Fiboatでは、数理最適化の専門的なノウハウや高度な最適化AIを組み合わせることで、お客様の業務に合わせた最適化エンジンを提供します。ビジネス上の課題を
東京都を中心とした首都圏でスーパーマーケットを展開するサミットは、PKSHA Technology(以下、PKSHA)と共同で作業割当表作成支援システムを開発した。従来は手作業で行っていた作業を数理最適化アルゴリズム(最適化AI:人工知能)で自動化し、2023年4月に全店舗に導入した。店舗業務の効率化につなげる。 サミットでは、アルバイト・パートを含め約1万8千人の従業員が働いている。店舗の重要な業務の1つとして、「作業割当表」の作成がある。サミットでは従来、同社が確立した方法で店舗管理者が作業割当表を作成していた。 青果や鮮魚、精肉、総菜などのそれぞれの部門について作業割当表を作成する。部門ごとに必要なスキルがあるのに加え、アルバイトやパートの中でもスキルの習得状況は異なる。こうしたスキルやシフトを考慮したうえで、誰をどこに配置するかを決めなければならない。基本的には1日1回以上、この作
Throughout its history, Operational Research has evolved to include a variety of methods, models and algorithms that have been applied to a diverse and wide range of contexts. This encyclopedic article consists of two main sections: methods and applications. The first aims to summarise the up-to-date knowledge and provide an overview of the state-of-the-art methods and key developments in the vari
人工知能(AI)というと機械学習や深層学習が注目されがちだが、実はそれはAIの半分にすぎない。あとの半分、いわば「アナザーAI」は企業の生産計画や物流などで重要な役割を果たす「最適化AI」だ。最適化AIを実現するための技術が、「焼きなまし法」や「ビームサーチ」などの「ヒューリスティックアルゴリズム(メタヒューリスティクス)」である。この連載では、競技プログラミングサービスを提供しているAtCoderの高橋直大社長が、アルゴリズムに対する深い知識を生かし、最適化AIを活用している企業を訪ねて取り組みを探っていく。 今回は趣向を変え、最適化AI(数理最適化)による産学連携を進める大阪大学大学院数理最適化寄付講座の梅谷俊治教授に、数理最適化の意義やその活用などについて聞いた。(聞き手は高橋 直大=AtCoder)。
はじめに ※私は数理最適化で某社内の課題解決に取り組んでいる者ですが、本稿の内容は私の所属している会社での仕事に関連するものではありません ※ChatGPTに会社の機密情報は尋ねないようにしましょう! 数理最適化ってデータ分析タスクと比べてコモディティ化が進んでいないので、専門家でないとまだまだ大変ですよね? 本稿ではChatGPTを用いて数理最適化プロジェクトのタスクの一部を補助してもらえないか、検討してみました。 ヒアリングと定式化をChatGPTにお願いする 梅谷先生の著書「しっかり学ぶ数理最適化」では、課題解決の手順を4つのステップに分けています。 現実問題を最適化問題に定式化する アルゴリズムによって求解する 計算結果を分析・検証する 最適化問題とアルゴリズムを再検討する 一般的な実務を考えると、1つ目のステップは以下の3つに分解できると思います。 担当者へのヒアリング データ収
「ゲームで学ぶ探索アルゴリズム実践入門」のサンプルコードでAtCoderの問題を解いてみた はじめに どうもこんにちは、thunderです。 私事ではありますが、2023/2/18に「ゲームで学ぶ探索アルゴリズム実践入門~木探索とメタヒューリスティクス」という技術書を出版しました! amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4297133601/ 技術評論社 https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13360-3 本書の魅力はspeakerdeckにアップロードしたスライドにまとめているので、御覧いただけると幸いです。 さて、本書のサンプルコードはサポートページからダウンロードできるのですが、学んだ内容を活かして何かプログラムを書きたい!という方もいらっしゃるのではないかと思います。 本記事では、このサンプルコードを用いて実際に
「2024年問題」の概要 introduction 本メディアに掲載している、運送業界の「2024年問題」とは?業界の現状から考える解決法記事では運送業界における2024年問題と呼ばれる働き方改革関連法および改善基準告示の改正による影響や、各事業者における取組について解説しました。 本稿では、法規制や改善基準告示の改正による運送業界への影響を具体的に理解するべく、トラックドライバーの拘束時間やトラック台数の違いによって生じる変化について、配送計画作成アルゴリズムを用いたシミュレーション(配送シミュレーション)による実験を行い、定量的に評価、検証を行いました。 法改正の概要 改めて、運送業界における2024年問題の要因をまとめると次の点となります。 自動車運転業務における時間外労働の上限規制(年960時間)の適用 改正改善基準告示 時間外賃金割増率の引き上げ このうち、「1. 時間外労働の上
※ヘッダー画像の出典:esri ここから先は、数理最適化案件について、ざっくりとどんな取り組み方をしていたのかを何回かに分けて書こうと思います。あれこれと試行錯誤しましたが、深入りするととんでもない長文になってしまうのでなるべく低カロリーに抑えたいと思っています。 おさらい新卒の最初の仕事として、物流×数理最適化の仕事を任せていただいたときの話です。 m箇所の倉庫×n箇所の納品先においてどの倉庫からどの納品先へ出荷するか、最適な組合せを見つけることでコストを最小化するのが狙いでした。 事前知識・経験は十分にあったか?No! 数理最適化(もっというと組合せ最適化)やPython自体は書籍などで勉強したことがあったものの、実践経験はありませんでした。 やっぱり「知っている」と「使える」にはかなりの隔たりがあり、実践で何度も調べながら足りないものを補っていくことでようやく血肉になるんだなというの
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