ひきこもりの国 作者: マイケル・ジーレンジガー,河野純治出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/03/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (19件) を見る アメリカ人ジャーナリストによる「ひきこもり」を軸とした現代日本社会論。「ひきこもり」の当事者との誠実な対話と、何人もの専門家への丹念な取材を通して、「ひきこもり」の実相をきちんと把握している。専門家では斎藤環や山田昌弘のような日本でもおなじみの人々が登場する。しかし、いくら丁寧な取材を行い、たくさんの事実をつかんでも、著者の偏光レンズの色眼鏡がすべてを台無しにしている。 ジーレンジガーは「ひきこもり」を閉塞した日本社会に対する消極的な異議申し立てと捉える。それは間違っていない。非寛容で同調圧力が強く異論を許さない日本社会の実情は私も痛感している。問題はこうした閉塞の原因を、彼はまるで一昔