鳥取県智頭町の産業用大麻栽培・加工会社「八十八や」代表、上野俊彦容疑者(37)や同社従業員が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された事件。伝統文化の保存につながると、町も会社の事業を後押ししてきただけに関係者には驚きが広がった。寺谷誠一郎町長は17日、記者会見を開き「大麻栽培の支援は二度としない」と、怒りをあらわにした。【李英浩、園部仁史、小野まなみ】 町などによると、上野容疑者が移住してきたのは2012年3月。その翌年、町内では古くから地域に伝わる文化や技術を守る「智頭百業学校事業」が始まった。70年ほど前まで盛んだった産業用大麻栽培の文化が残せると、町は上野容疑者の取り組みを支援することに。町や県は毒性の低い大麻栽培への理解を深めてもらうための漫画制作費などに、昨年度まで3年間で計約260万円を充てた。 上野容疑者も精力的に栽培に打ち込んだ。取り組みは限界集落の活性化の可能性を秘め