まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書 作者:阿部 幸大 光文社 Amazon 『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』を読んだ。読む前と後で行動様式が変わるような本に出会えることは多くないが、これはそうした一冊になりそうだ。本書は、主に人文系を対象とした論文執筆の指南書として書かれている。アカデミック・ライティングの本は数多く出されてきたであろうなかで、タイトルで「まったく新しい」と謳い、袖の紹介文には「類書の追随をまったく許さない」とまで自らハードルを上げている。驚くことに、この看板に偽りはない。 ここでは内容の説明はしない。ここでは、本書を読んでの「受け身」として、私がどうなったかについてメモしておこうと思う。 1)論文とは何かが初めて分かった。少なくとも、人文学を中心とする諸分野の、かつアメリカを中心に成立しているアカデミック・ライティングの規範において「論文