発売当時の「すしのこ」(75g)。写真はモノクロだが、パッケージデザインと色は現行商品とほとんど同じだ。 やや硬めに炊いた御飯を木桶の中に入れ、すし酢をかける。うちわで扇ぎながら手早く切るように混ぜると、周りに酢の香りが漂って、ああ美味しそう。うちわを渡された子供も興味津々。「今日は巻きずし? それともちらしずし? ねえねえ、お稲荷さんも作る?」 混ぜ終わったら、濡れ布巾を掛けて人肌の温度になるまで寝かせておく。笑顔の子供を前に、一仕事終えたお母さんが優しく微笑む。 今ではすっかり珍しくなってしまったけれど、昔はどこの家でも普通におすしを作っていた。握りずしはともかく、巻きずしやちらしずしは各家庭の重要なレパートリーで、食卓に上る機会も今よりずっと多かった。 かつては、おいしい酢飯を作ることがお嫁さんの大切な仕事だったという。酢飯は御飯の炊き方や使用する酢、使う道具などによって味が大きく違