国際宇宙ステーション(ISS)の船外で13カ月間保管した大麦種子の品質が、地球上で同期間保管した大麦と大差ないことが、岡山大資源植物科学研究所(岡山県倉敷市)の杉本学准教授(細胞分子生化学)らの研究で13日、分かった。この結果は15日発行の宇宙科学研究の専門誌に掲載される。 大麦は“宇宙ビール”醸造にも使用された「はるな二条」。種子50粒をプラスチックのシャーレ(蓋つき透明皿)に入れ、金属筒に収められた後、平成19年4月、ロシアのソユーズでISSに運ばれ、同年6月から船外で13カ月間保管。20年10月に回収された。 杉本准教授によると、船外の気温はマイナス20度~プラス90度という厳しい環境。回収したシャーレは大きく変形していたが、種子に異常はなかった。杉本准教授はこの種子を2世代にわたって栽培。同時期に地球上で低温保管していた種子も栽培し比較した。 その結果、船外保管の種子は発芽率が82