ギース一族。 中世史に関する多くの本を記し、特に日本では「中世ヨーロッパの○○の生活」三部作で有名だ。この三部作はある意味で中世生活史の入り口的な存在の本なので、趣味での中世生活史家ならば世話になった人は少なくないのではなかろうか。 そんなギース一族が記した中世欧州の技術史本たる本書は、「中世欧州」に付きまとうとある見地を前提としたものである。その見地とは、つまり「中世=暗黒時代」「中世=停滞の一千年」「中世=野蛮と宗教に支配された理性不在の時代」「中世=偉大なる古代ローマと栄えあるルネサンスの間にある不毛な時代」という、平たく言えば「中世=残念な子」とする史観である。流石に今では中世史家でこの見地に全面的に首肯する人は少ないだろう。が、中世に特に興味のない多くの人にとっては、暗黒時代史観は心地よく響くものであるらしく、未だにこの史観は根強く存在し敷衍している。 ギース一族がいるアメリカで
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