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ブックマーク / p-shirokuma.hatenadiary.com (103)

  • 「ひきこもり」は現在も増え続けているのか? - シロクマの屑籠

    最近、忙しくてブログがなかなか書けないなか、面白そうな話題がTLを駆け抜けていった。togetterに、それがまとめられている。 togetter.com 「昔の方が暴力が横溢していたのに、なぜ今になって不登校やひきこもりが増えているのか」について、いろんな人がいろんな意見を述べている。不登校、というのも意外に新しい概念で、昔は登校拒否という言葉が使われていて、それ以前には、農業手伝いなどの理由で親が子どもに学校に通わせない、なんてこともあった。昭和の終わりになっても、田植えや稲刈りの時期になると学校を抜けて家業を手伝うクラスメートがいたものである。もちろん、今日の不登校においては農業手伝いのために学校に行かない・行けないという事情は滅多になくなっているだろうけれども。 で、不登校については、増加し続けている。少しネット検索してもらえれば右肩上がりのグラフにいくらでも出会うはずだ。コロナ禍

    「ひきこもり」は現在も増え続けているのか? - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/06/10
  • 年を取って、不健康な食事でターボがかかるようになってしまった - シロクマの屑籠

    「年を取るにつれて、自分の健康を気にかけるようになる」、とよく言われる。実際、20~30代の頃には健康だった人が、40~50代と年を取るにつれて高血圧や高コレステロール血症と診断されてにわかに健康リスクを気にしはじめるのはあるあるだし、「改心」してフィットネスジムに通って質素な生活を心がける人も多い。 でも、この年になってきて逆に思うこともある。今、この瞬間だけ自分自身をブーストしたいと思った時、つい不健康な事をとりたくなってしまいませんか? 不健康をおして血圧をあげたい・血糖値をあげたいと思う瞬間があったりしないだろうか。 私自身の身体の挙動を振り返る。 若かった頃よりも血糖値や血圧に「あそび」がなくなっているのか、血糖値をあげてしまいそうなものをべると、パワーアップするように感じる。長時間のデスクワークにも弱くなり、夜まで続けていると頭が痛くなったり血圧が高くなったりしてしまう。

    年を取って、不健康な食事でターボがかかるようになってしまった - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/06/01
    太りすぎて生活に支障をきたしてきたので普段摂生しているが、たまに食べるパフェの美味いこと美味いこと。健康やダイエットを気にせず食べることができた若いころが懐かしい。
  • 井芹仁菜と後藤ひとりという"野生動物" - シロクマの屑籠

    ガールズバンドクライの井芹仁菜もぼっちざろっくの後藤ひとりも、どちらもセロトニンが乏しくアドレナリンやコルチゾール多そうな雰囲気をまとっていて、社会の家畜になりきれないキャラクターってところは似ているわけですが、— p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) 2024年5月21日 X(旧twitter)のタイムラインを眺めていて、バンドをやっててロックというキーワードの出てくる二人の主人公についてあれこれ言っているのが聞こえて、思ったことを30分一勝負にて。 「ロックとは何か」というややこしそうな話題はさておき、『ガールズバンドクライ』の井芹仁菜と『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりはどちらも、なんだかヒリヒリしていて、社会適応が上手とは言えない主人公なのは共通していますよね。 TVアニメ『ガールズバンドクライ』Vol.1<豪華限定版> (CD付) [DVD]

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    POGE 2024/05/23
    「後藤ひとりはボッチじゃない!」と叫んでいた私だが、家族に支えられているという安心感がそう思わせたのかも。
  • 電信は令和のインターネットに届かなかった──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を読む - シロクマの屑籠

    ヴィクトリア朝時代のインターネット (ハヤカワ文庫NF) 作者:トム スタンデージ早川書房Amazon 前々から読みたかった『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を購入して、最優先で読んだ。電信というひとつのテクノロジーの栄枯盛衰を描いたノンフィクションとして、とても面白く勉強になった。 このの概要については、基読書さんがわかりやすいレビューを書いてらっしゃるので、そちらをどうぞ。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 『ヴィクトリア朝時代のインターネット』では、電信技術が誕生する前に「腕木通信」という手旗信号的なテクノロジーを用いた情報網が築かれた話、モールスらが電信技術をつくりあげていく話、その電信が普及段階を迎えて商業に利用され、政治や軍事にも利用される話、それが大英帝国の世界支配を支えていく話などが記されている。 が、やがて電話(など)が登場して、電信という

    電信は令和のインターネットに届かなかった──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を読む - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/05/17
    電信と令和のインターネットの違いは、いつでもどこでも使えるかどうかではないか。電信は使うときには場所も時間も限定されていた。今のネットは寝ころびながらでも使える。それがいいことなのかどうかはわからない
  • 取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠

    今、研修医時代ぐらい忙しくて生きた心地がしない&働きすぎで急速に老け込みそうだと感じていますが、そうしたなか、書評のお仕事をいただきました&こなしました。 gendai.media 書評させていただいた作品は村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』。上掲リンク先にも書いたように、コレクション大好き系のオタクの物語だと決めてかかると足元をすくわれる思いがするかもしれません。 コレクターズ・ハイ 作者:村雲菜月講談社Amazon 作品にどのようなメッセージが含まれているのか。これは読み手次第でしょうけど、私には、以下のポイントが刺さりました。 1.たとえばキャラクターグッズをコレクションしている時、私たちはどこまで癒されていて、どこまで行動嗜癖的に病んでいるのか 2.資主義の商品を作ったり、資主義の商品そのものになったりして疲れ、傷ついている私たちが、それを癒す際にも資主義の商品に依存し、と

    取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/05/13
    庶民は券売機的コミュニーションで済まされ、富めるものが濃密でノイジーなコミュニーションを享受できる悪夢のような未来が見えた。資本の論理は資本の論理に抵抗するものさえ内部化していくクラインの壺なのだ。
  • 限界編集者さんと過ごした日々 - シロクマの屑籠

    これから、ある編集者さんとづくりをしていた頃のことを書いてみる*1。あらかじめ断っておくと、これは私個人の感想であって客観的な論述ではない。すべての編集者さんがそうだとも、そうであるべきだとも思えない。ただ、私はその編集者さんに引っ張られて、感化されて、凄い経験をさせていただいた。そのことを文章化したものだ。 「限界さん」という編集者 これまで私はさまざまな出版社の編集者さんとや記事を作ってきたが、編集者という職業のイメージが今でも掴みきれていない。彼らは個性的で、それぞれのポリシーや性質に基づいた、それぞれの仕事の進め方を確立している。 これから話す編集者さんのことは、旧twitter(現X)にならって「限界さん」と呼んでおこう。 限界さんはとある出版社に勤務し、たくさんの出版物を手掛けている。著者としての私から見た編集者さんは、複数の著者を相手取って同時進行に仕事をしているから、顔

    限界編集者さんと過ごした日々 - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/03/29
    “アドレナリンやドーパミンをまき散らしながら本を作っている時、あらゆる文献、あらゆる資料が輝きを帯びて、着想と着想、資料と資料を縫い合わせる力が高まる”
  • 40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠

    残り時間がどれぐらいかわからないなかで、どう日々を過ごし、年を取っていくか。 1975年生まれの私は、今、40代最後の時間を過ごしている。40代のはじめのうちは、中年になったことの驚きがあり、そこに今までに無い面白さを見出していた。その驚きと面白さを言語化したのが『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』だったが、5年以上の歳月が流れ、当時の驚きと面白さは過去のものになった。老年期が始まった時に再び面白さと驚きを発見するかもしれないが、現在の私は中年期のたぶん真ん中にいて、とにかく中年をやっている。 そうしたなか、40代最後の時間を全力で駆け抜けてきた。寿命が縮むような橋も渡ってしまっただろう。そのかわり自分がやりたいことをやりたいように・悔いの残らないように挑戦できたのはとても良かったと思う。 年を取っていくスタンスには大きな個人差があり、年齢の数字にこだわ

    40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠
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    POGE 2024/03/27
    先生と同い年だが、死を意識するようになった。今までは時間があると思って色々なことを先送りしてきたが、もう命の残り火は少ない。猛ダッシュで生きようと決意し、前のめりで生きている。やらぬ後悔はしたくない
  • 現代人は本当に思想に飼われている - シロクマの屑籠

    president.jp リンク先の文章は、拙著『人間はどこまで家畜か』を一部引用しつつ、ひとまとまりの読み物として再編成しプレジデントオンラインさんに載せていただいたものだ。私たちは資主義にいいように飼い馴らされ、その資主義をますます充実させるための資の乗り物、それか家畜として使役されちゃっていませんか? といった話が中心になっている。 だが、現代人のマインドに根を下ろし、現代人をいいように飼い馴らし、現代人を動機づけている思想は資主義だけでもあるまい。 ぜんぶ挙げようとするときりがないが、『人間はどこまで家畜か』では、現代人を飼い馴らす思想として、資主義に加えて個人主義と社会契約、それから功利主義を挙げている。思想などという実体のないものに何ほどの力があるのか? と疑う人もいらっしゃるだろうし、そうした思想をつくりだしたホッブズやルソーやベンサムといった思想家の重要性は実感し

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    POGE 2024/03/19
  • 本屋B&Bさんにて、藤谷千明さんとの「推し」関連トークイベントがあります - シロクマの屑籠

    【来店・リアルタイム配信イベント】 3/21 THU 19:30- 熊代亨×藤谷千明 「よく推し、よく推され、よく生きる」 『「推し」で心はみたされる?』(大和書房) 『推し問答!あなたにとって「推し活」ってなんですか?』(東京ニュース通信社)W刊行記念イベント https://t.co/kx72L4dquG— 屋B&B (@book_and_beer) 2024年3月12日 3月21日(木)の19:30から、「推し」や「推し活」についてのイベントを開催していただけることとなりました! 今回は私一人でなく、藤谷千明さんとご一緒するかたちのイベントとなります。 藤谷千明 推し問答! あなたにとって「推し活」ってなんですか? (TOKYO NEWS MOOK) 東京ニュース通信社Amazon 私が『「推し」で心はみたされる?』をリリースしたのとほぼ同じ時期に、藤谷千明さんは『推し問答! あな

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    POGE 2024/03/13
  • 「ヒト、または日本人はASDに進化しないと思う」 - シロクマの屑籠

    私のタイムラインでは、定期的に「人類はASD(自閉スペクトラム症)的な方向に進化していく」「未来の人類はもっとASD的だ」といった内容の文字列が流れていく。そうした文字列を書いている人の属性はさまざまで、そう思っている人が結構いるんだろうなと思っている。 しかし、人類(ここからはヒトと書く)はASD的な方向に進化できるのだろうか? 特にもし、日の現在の環境下が続くと考えた時に、ASD的な特性が日人の多数派になっていくとは考えづらい。そのことを文章にしておきたくなった。 でも、肝心なのは性選択で勝ち残れるかどうかじゃないの? 2023年の12月に「ヒトはASD的な方向に進化していく」的なお話が目に付きやすくなった引き金は、たぶん、東北大学の研究グループの発表だろう。yahooニュースでは以下のように報じられている。 news.yahoo.co.jp 年を取った男性の精子は、より若い男性の

    「ヒト、または日本人はASDに進化しないと思う」 - シロクマの屑籠
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    POGE 2023/12/14
    「チー牛www」とか言われがちなんだから性淘汰を生き残れるとは思えないんだけど、彼らがお金をたくさん稼げるようになったら変わるかもしれない。私は淘汰圧に圧し潰されます。
  • 東京の道路はハトのものではない(それは勝手なことだが人間は勝手) - シロクマの屑籠

    「東京でハトをひき殺した疑いで運転手が逮捕された」という不思議なニュースがインターネットに出回った。 nordot.app 私の経験では、ハトやカラスはよく心得たもので自動車が近づいてくれば飛んで逃げるし、だから簡単には車にひかれない。じゃあどうしてハトがひき殺されたんだと思ったら、車を急発進させて・わざわざ殺していた嫌疑がかけられているという。もし故意に殺そうとしていたなら、鳥獣保護法違反に当てはまるのはなるほどそうなのかーと思った。だいたいそんなことのために都会の道路で車を急発進させるのは不穏だ。 ところで、この滅多にみることのないニュースのなかで、運転手はこんなことを供述していたという。 「道路は人間のもので避けるのはハトの方だ」 こう言いつつ故意に車を急発進させハトをひき殺していたなら言い訳にもならないのだけど、それはそれとして実際問題、道路とは人間のものであり、ハトが車を避けるべ

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    POGE 2023/12/07
  • ブログを18年書き続けて思うこと (後編・社会のこと) - シロクマの屑籠

    こちらの続き、後編になります。 前編ではブログを18年書き続けてきた自分自身について書いた。ここからはブログをとりまく18年ぶんの社会とか環境とかについて。 この『シロクマの屑籠』が開闢した2005年はブログブームな時期でアーリーアダプターからアーリーマジョリティにブログの書き手が広がっていく、そんな頃合いだった。ウェブサイトよりも書く敷居が低い、誰でも情報発信できるメディアとしてのブログ。それは確かに便利で、ウェブサイトからブログに拠地を移したばかりの私は息を吸うほど簡単にありとあらゆることをブログに書き殴りまくっていた。アメブロやFC2ブログやライブドアブログに書き殴っていた人たちも多かれ少なかれそうだっただろう。 けれども「誰でも情報発信できるメディアとしてのブログ」の寿命は短かった。SNSが生まれ、インスタグラムが生まれ、tiktokが生まれた。ブログ以上に簡単にオンラインにアッ

    ブログを18年書き続けて思うこと (後編・社会のこと) - シロクマの屑籠
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    POGE 2023/11/29
  • ブログを18年書き続けて思うこと (前編・自分のこと) - シロクマの屑籠

    2023年も残り一か月になろうとしている。 今年、私はとにかく働いて、創作して、2024年を迎えるための諸準備に追われて、気が付けばブログ18周年だった10月も通り過ぎてしまった。赤ん坊が高校を卒業するぐらいの年月にわたってブログを書き続けるぐらいにはブログが好きなんだから、なにか自分の記憶に残る文章をまとめたいと前々から思っていた。が、中年の多忙と疲弊はそれすら許さないのですね。 この、はてなブログ(旧はてなダイアリー)のブログである『シロクマの屑籠』は、私を当初予測よりずっと遠いところにいざなってくれた。20代の終わりにブログを書き始めた時、私はブログが自分の人生をこんなに変えてしまうとは想像していなかった。しばらくして「ブログだけじゃ足りない、も書いてみたい」と思うようになってからも、じゃあ、ブログもも書くようになったら何が起こるのか・逆に何が起こらないのかを想像できていなかった

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    POGE 2023/11/27
  • 「生身の人間にキャラ萌えする」という事の罪 - シロクマの屑籠

    http://sankei.jp.msn.com/entertainments/topics/entertainments-14849-t1.htm http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1748859.html 昨日、AKB48のメンバーの一人が丸坊主になったという「事件」があった。人は「自分の意志で」丸坊主になって、動画投稿したという。自分の意志で。 なるほど、誰かが「丸坊主になれば研究生降格で済ませてやろう」とアドバイスしたから自分の意志で丸坊主になったのかもしれないし、「男女交際をした者にはAKBメンバーたる資格無し」という彼女自身に内面化された職業倫理に基づいて、頭を丸めたのかもしれない。どちらが真相だとしても、恐ろしいものを見てしまった。 AKB48は、多種多様なキャラクターを用意して、ファンにそれぞれのキャラクターを推してもらう―

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    POGE 2023/11/19
  • 恩義と報恩の間で自分に何ができるのか - シロクマの屑籠

    年を取って、報恩、ということを考えるようになった。 報恩。恩に報いること。私には恩義のある人がたくさんいる。そのような人がたくさんいたこと、且つ、そのような人がたくさんいたと認識可能であることは幸福なことだ。このふたつの条件が揃っている人は必ずしも多いとは言えない。ゆえに、輪廻の輪のなかでそうであることが次にいつ訪れるか想像もつかない。 では自分は、恩義のあった人々に応えることができているだろうか。 恩義を返すといっても、世代差、教える側と教わる側の差、そういったものがある。だから恩義を返すといった時、いわゆる親孝行のようなかたちで直接的に恩義を返せる間柄は思うほど多くない。自分が研修医だった頃を思い出す。そのとき、教授や指導医をはじめ、多くの人から教えをいただきお世話になった。その範囲は自分の科だけではない。医師という職業だけに限ったものでもない。なかには、比較的短い期間だけお世話になり

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    POGE 2023/11/05
    悪縁の中、世を憎み人を呪って生きてきた私にとって、後世に残し伝えていかなければならないのは「失敗学」とでもいうべきもので、私を反面教師として「こういう大人になってはいけない」と示していくことだと思う。
  • 人間は身勝手な危険動物だから、ザリガニを勝手に増やし勝手に殺すのも通常運転 - シロクマの屑籠

    www.asahi.com 虐殺が行われるのを、ただ見ていた。 令和5年の夏のある日のこと。現場には少し前の日からロープが張られ、午前8時頃、作業着姿の中年男性たちが白いハイエースに乗って現れた。発動機の音高く、草刈り機が起動する。土地を覆う植物たちは無残に薙ぎ払われ、小さな蝶やバッタ、コオロギたちが逃げ惑っていた。地面に放り出された芋虫が、鳥たちについばまれていく。 しかしそれも前奏曲でしかなかった。 当の破局はお昼過ぎに訪れた。小さなダンプカーがやってきて、草刈りが行われたばかりの大地に土砂を流し込んだのだ。小さな命を揺籃してきた緑の楽園が、茶色い土や礫に埋め尽くされていく。作業はその日いっぱい続けられ、おそらく、蝶の幼虫たちはなすすべもなく死に絶えた。背の高い草木にはセミの抜け殻もついていたから、地下に残された彼らも助からないだろう。コオロギやバッタのなかにはアスファルトを横断し、

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    POGE 2023/09/04
    ヴィーガンに読ませたい。
  • どんな人が・なぜ身体拘束の対象になっているのか──疾患分類からみえること - シロクマの屑籠

    東京新聞の記者が日精神科病院協会(日精協)の会長にインタビューした記事が掲載されていた。 www.tokyo-np.co.jp この記事は、精神科病院での身体拘束を問題視し、その必要性を述べている日精協会長の発言まで問題視するもののようにみえる……が、あまり迫力ある主張になっていなかった。 これは、精神保健指定医である私が見てそう感じただけでない。個人の自由を尊重する価値観の多いはてなブックマークのユーザーの反応も、そのようなものだった。 [B! 医療] 身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…:東京新聞 TOKYO Web この、はてなブックマーク上の反応をみる限り、多くの人は事態がそれほど単純ではないことを見抜いている様子だった。 身体拘束をはじめとする行動制限については論点がたくさんあり、全てを論じようとすれば一冊の書

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    POGE 2023/07/08
  • はてなブログの有料記事と「自分のゲーム」がちゃんとできるのか問題 - シロクマの屑籠

    blog.hatenablog.com 昨日、「はてなブログで有料記事販売が可能に」というニュースを見かけた。長年、noteで有料記事を書こうか迷っていた私には嬉しいお知らせだ。「ブログ上の有料記事ならではの文章」を吐き出す経路として活用できるなら、喜んで活用したい。 「自分のゲーム」に貢献しない有料記事は書くべきではない しかし立ち止まって考えてみた時、ブログに有料記事を書いてどれぐらい私自身にメリットはあるだろうか? これは私に限ったことではない。ブロガーそれぞれにとって有料記事をブログで書き、読者からお金をもらうとはどれぐらい優先度の高いことで、どのぐらい代償を伴うものだろうか。 これは人それぞれ、であるはずだ。 有料記事を売ってお金を手に入れる、そのために読者を獲得し収益化するのが最優先のブロガーがいても、ちっともおかしくない。そういう人は収益化に役立つ有料記事を書き、そういうブロ

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    POGE 2023/06/29
    「自分のゲーム」ができない人はアーキテクチャにコントロールされる危険性があるから、うまく使わないとね。
  • 「推し」とナルシシズム - シロクマの屑籠

    推しの子】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:赤坂アカ,横槍メンゴ集英社Amazon 最近、いや数年前から「推し」という言葉をよく耳にする。10~25年以上前にオタク界隈で流行っていた「萌え」に比較すると、「推し」には公言しやすさがあり、あしざまに言われることは少なく、より広い範囲で用いられているようにみえる。そして不特定多数と一緒にキャラクターやタレントを応援すること、ひいては「推し」にお金や時間や情熱をつぎ込むことが良いことのように語られている。 いつの頃からか、時代の合言葉のようになった「推し」。 では人はなぜ「推す」のだろう? もちろん「推し」などと言わなくても、昔から芸能界のファンには「推し」とよく似たことをやっている人々が存在していた。さまざまなジャンルの愛好家にもいただろう。ではなぜ、今、「推し」が時代の寵児のように語られているのだろう? そのあたりも含

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    POGE 2023/06/15
  • ますます静かに・安全になっていく社会は人間を自由にするか - シロクマの屑籠

    anond.hatelabo.jp リンク先の文章には、近隣の公園の喧騒に過敏になり、クレームをつけるに至った人の体験談が丁寧に記されている。いつものようにはてなブックマークにはたくさんのコメントが集まっていて、さまざまな意見、見解、感想が入り混じっている。 コメントのなかには、筆者の体験を病的であるとみなし精神科病院に行くよう勧めるもの、逆に精神科病院に行くよう勧めることが問題の個人化を促し、環境の改善がおざなりになってしまうのを懸念する声も見受けられた。なるほど。とても現代的だ。ここでは、近隣での騒ぎ声についての悩みが医療化されていると同時に、行政にクレームをつけることで改善を期待するさまが読み取れる。どちらも昭和時代以前には稀なソリューションだったに違いない。 昭和時代だったらどんなソリューションになっただろうか。 決まっている。「コラー!」である。 「子供が公園で自由に騒げた時代」

    ますます静かに・安全になっていく社会は人間を自由にするか - シロクマの屑籠
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    POGE 2023/06/08
    ASEANを長いこと放浪してきたが、令和の日本ほど清潔で静かな国はない。昭和の時代もこれほどまで潔癖ではなかった。極端に綺麗になった社会でなにかが決定的に失われていく。それは「生きる力」ではないだろうか。