2024年10月27日の衆院選で自民と公明両党の議席数が215と、定数465の過半数を割り込んだ。それが必ずしも政権交代を意味するわけではないが、政権の行方が不透明になった。建設業関係者の中には、今後の公共事業について不安に思う人が多いに違いない。 思い出されるのが、「コンクリートから人へ」を掲げ、09年9月から12年12月まで3年3カ月続いた民主党政権の時代だ。ここで、当時の民主党政権と公共事業について振り返ってみる。 「コンクリート」を生業(なりわい)とする建設業では、当時の政策に反感を覚える人は少なくない。一方、近年の自公政権では国土強靱(きょうじん)化を掲げ、公共事業に多くの予算を計上している。 ただ、民主党政権が公共事業縮小の元凶と考えるのは、あまりに表面的だ。民主党政権時代に多くの大型公共事業がストップしたことから、そのようなイメージを持つ人が多いのだろう。しかし、国の公共事業