前々から気になっていた本を読み終えた。歴史学ではなく政治学の本だけれど。野蛮から秩序へ -インディアス問題とサラマンカ学派-作者: 松森奈津子出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2009/04/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る 近代政治思想の流れの中に,インディアス征服と取り組んだスペインの思想家たち,「サラマンカ学派」を位置づけるもの。彼らは,この未知の文明をどう扱うべきかの議論を重ねる中で,従来のキリスト教文明圏のみを対象とした政治思想から脱却し,世界全体を射程に収めた秩序観を樹立するに至った。政治思想にはさほど詳しくないのだが,何とか読むことができた 個人的にもっとも興味深かったのは第2章「理性と賢慮――インディオの本性」(pp.73-185)。 ここでは,スペインの法学者たちがインディオの法的地位をめぐって行った論