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ブックマーク / hokusyu.hatenablog.com (54)

  • 「野蛮」に対する敵対 - 過ぎ去ろうとしない過去

    冷静に「合法的に」論理的に事を進めようとする「文明国」日と、感情的で「不法で」非論理的な「野蛮な」敵対者という構図が大好きな人がいます。 たとえば竹島教科書記載問題をみてください。彼らの韓国の抗議者にたいする視線は、まさに「文明国の」植民地主義者が「野蛮な」現地人を見る視線です。つまり、上から目線の侮蔑です。あるいは捕鯨問題でもいいでしょう。感情的な反捕鯨国とデータに基づいている論理的な日という図式でこの対立を見ようとする人はエントリのブクマなどを見ればそこかしこにいますね。あるいは死刑問題です。死刑存置のほうがどちらかといえば「野蛮」とみなされるようなこの事例でさえ、彼らはキリスト教という宗教的理由で廃止した「狂信」国と「無宗教の」合理的精神に満ち溢れた日という対立に転化させてしまうのです。当は自身の溜飲を下げたいがためだけだとしてもです。 このような二分法は今にはじまったことで

    「野蛮」に対する敵対 - 過ぎ去ろうとしない過去
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    REV 2008/07/18
    困ったときに、スローガンを連呼する人間に左右差はないような。
  • いじめ/ファシズム/引きつった笑い - 過ぎ去ろうとしない過去

    ■ジャック・バウアーと緊急時の倫理 http://d.hatena.ne.jp/flurry/180009 では、拷問に関する懸念や重箱の隅をつつくような差異で拷問を区別しようとすることに対する、以下の回答――人気があり表面的には説得力のある――についてはどうであろうか。 「何を空騒ぎしているんだい? たった今、合衆国が拷問を行うことを公認したってだけじゃないか。少なくとも合衆国は黙認状態でつねに拷問を続けてきたし、他のあらゆる国家も拷問を行ってきたんだ。むしろ今の僕らは以前よりも偽善的では無くなったんだよ」 これに対しては以下のような単純な反問を返すべきだろう。 「そのことが合衆国政府の声明が意味する唯一のことだったら、『なぜ』彼らは拷問を公認したんだ? 以前からそうしていたように、黙って拷問を続けていれば良いじゃないか」 「語る内容」と「語るという行為」との間に存在する、解消できない裂

    いじめ/ファシズム/引きつった笑い - 過ぎ去ろうとしない過去
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    REV 2008/07/09
  • あのころは加藤智大がいた - 過ぎ去ろうとしない過去

    オタクを叩くマスコミ叩きに余念が無いはてなオタククラスタのみなさん、いかがお過ごしですか。まあ卒業文集引っ掻き回してまで「オタクの」「心の闇」を探し出そうとしたり、両親連れてきて人身御供にしたりするマスコミに怒るっていうのは、正当であると思います。 しかしですね。そのやり口はどうなんでしょう。普通のオタクは良識のある市民であって通り魔などしないだとか、両親は悪くない大人なんだから全責任は容疑者に、とか言ってませんか? ぶっちゃけ、容疑者を切断処理してませんか? いや、今いろいろなところでやたらなされようとしている秋葉原の「神聖化」にそうしたものを感じざるにはいられないのです。 通り魔は「神聖な」秋葉原に「穢れ」をもたらしました。ゆえに、清めなければいけないというものです。 僕は、(通り魔事件のせいで)秋葉原に怖くて行けない感性というのがあまり理解できないのですけど、その真逆、つまり「我々は

    あのころは加藤智大がいた - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 「残酷な現実」の内面化、あるいはオメラスの発掘 - hokusyu’s blog

    もちろんトリアージを拡大解釈するなってことは大事なんでしょうけど、どうして人はトリアージみたいなものを拡大解釈したがって、しかもそういうエントリには賛同ブコメがいっぱいつくんだろうってのも大事では。いや、「誰かを切り捨てなければ誰かを助けることはできない」っていうのが、彼の中で事実(Wirklichkeit)を通り越して真理(Wahrheit)にまで達しちゃってる人っていますよねっていう話なのですが。 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200308.html#02 なぜこんなに「月宮あゆが助かる〜」という考えを僕が憎むかというと、「誰かが助かることで、他の人は助からない」という考えというのが、ある種の奇妙な「社会性」みたいなものを他人に押し付けるために使われることが多いからなのかも。 倫理的な問題を考えるときに、「思考実験を構成して、選択肢のどれを選ぶかについ

    「残酷な現実」の内面化、あるいはオメラスの発掘 - hokusyu’s blog
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    REV 2008/05/26
    大規模施設に配布されている危機管理マニュアルからトリアージの頁とトリアージタグを抜き取り、「オメラス」と書いておけばいいわけですね。わかります。
  • 過ぎ去ろうとしない過去

    最近の野党は、文字通り右も左も消費税減税を主張しています。これは考えてみれば不思議なことです。なぜなら、世論調査の結果から分かるのは、世論は消費税は上がるときは反対運動が広がるが、いざ上がってみると減税運動にはそこまで積極的にならない、というものだからです。2021年の衆議院選挙でも、消費税については特に大きな争点になっていたとは言い難いでしょう。もちろん消費税には逆進性があり、庶民の家計を圧迫する要因のひとつです。しかしながら、ほぼ全ての野党が減税にベットするような税制かと言われれば疑問です。 もちろん消費税が安くなることにこしたことはない。しかし全体で20兆円以上の税収となっている消費税を減税するならば、その穴埋めをどこかでしなければなりません。維新や国民民主党が狙っているのは福祉カットです。「世代間格差」というトンデモ理論を根拠に、高齢者福祉を削り、「生きるに値しない生」をつくりだそ

    過ぎ去ろうとしない過去
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    REV 2008/04/28
  • 「殺すな!」と「殺せ!」 - 過ぎ去ろうとしない過去

    光市母子殺害事件とチベット問題に関するはてな村*1の反応は、サヨク批判はまあ一緒だが、他に関しては一見異なるように見える。だが、実はコインの裏表の関係にすぎないと思う。 ネットを巡回したところ、チベット問題に対して共通して掲げるべき唯一のスローガンは「殺すな!」であるらしい。確かに、複雑な歴史政治の問題が絡み合ったチベット暴動に対して、「殺すな!」だけがあらゆる正義を体現しているかに見えた。それ以上は「蛇足」として扱われた。「殺すな!」に同意してさえ、それ以上の問題について深く言及することは非難の対象になる。自明の正義たる「殺すな!」の貫徹が、最優先事項であったのだ。 しかし、果たして「殺すな!」は自明では無かった。いまやはてな村では「殺せ!」のスローガンで溢れ返っている。ここにおいても持ち出されているのは「社会正義」つまり「正義」の概念であった。「社会正義」のためには、人間を二人も殺し

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    REV 2008/04/24
    ミミズだってオケラだってアメンボだって生きている。
  • 不快感至上主義の矛盾について - 過ぎ去ろうとしない過去

    見出しは地味です。 http://d.hatena.ne.jp/eiji8pou/20080413/1208068346 1. 思想信条の押し売りはするな。ウザい。街宣右翼のスピーカーと同じくらいに陶しい。 2. 手段選べ。隙の多い手段を使ったんだから、そこを逆手に取られるのは戦術ミス。自業自得。それを自覚しろ。 1=その思想信条の訴えの妥当性・切実性に関わり無く、俺が不快に思ったものは消えるべき 2=集団Aが集団Bに不快に思われたとき、その不快感が集団Bの誤解や偏見であったかどうかに関わり無く、それは「隙の多い手段を使った」集団Aの責任である。 ある意味での典型ではあります、が。 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080412/1208011610 まさにここを見ても、不快感を感じた・危険だと思った、

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    REV 2008/04/15
  • アレゴリー化する悲惨体験 - 過ぎ去ろうとしない過去

    http://d.hatena.ne.jp/sync_sync/20080226 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51009734.html sync_sync氏は、自己責任を痛感すべきだ。もちろん、小飼弾なんかに教えてコールしたことをだが。 ぼくが診断するに、この人は末期の自己責任病患者である。 まずは、「責任」という言葉を一端忘れて、「権利」を行使しているのだと考えてみてはどうか。「私はこの会社で働く責任がある」のではなく、「私はこの会社で働く権利を行使している」のだと。それだけで、世の中の見え方がだいぶ変わってくるはず。自己責任ではなく自己権利。「やむなく」でなく「あえて」、「余儀なくされる」のではなくて「踏み切る」。 いやまさにそれこそ、(人質事件以降)一般的に理解されている意味での自己責任ですから!この考え方が身体に染み付いてし

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    REV 2008/02/28
    「射殺がいい?絞殺がいい?」選べば自己責任。
  • 何をしても叩かれる - hokusyu’s blog

    Before:「社会保険庁の仕事は非効率的だ。アウトソーシングをするなどして効率化し、職員の人件費を削るべきだ」 ↓ 『年金記録転記で大量ミス、中国人アルバイトが誤記』 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000055-yom-soci ↓ After:「アウトソーシングなどけしからん」

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    REV 2008/02/18
  • 「野蛮な」文化について - 過ぎ去ろうとしない過去

    http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080110/1199954666 http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080111/1200043013 http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080115/1200386784 http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080117/1200559138 http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080118/1200645505 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080120/p1 文化という面から商業捕鯨を再開するべきだとする人に、「ある文化をよそから批判し、禁止することは是か非か」と問うたならば、そのほとんどが「否」と答えるでしょう。それは、「捕鯨は文化なのであって、よそからどうこう

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    REV 2008/01/21
    次は、円借款なんて野蛮なものを廃止しろとか言ってくるのかな。
  • 努力教とハゲタカ教と最善説 - 過ぎ去ろうとしない過去

    http://d.hatena.ne.jp/guri_2/20080109/1199875970 http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080111/1200020891 これらは当に酷いです。当に酷いと思っていたら、id:y_arimが何か書いていたので、私も便乗して何か書いておこうと思いました。 これらの記事は、いわゆる成功哲学とか自己啓発とかその手の分野に該当すると思いますが、こうした議論の前提にあるのは、何らかの楽天主義です。 上の記事は、自分が変われば世界はあなたにとって優しくなることを説いています。ネガティブはだめなのです。なるようになるのです。世界があなたを否定するのはあなたがさもしい心だからであって、あなたが心を入れ替えようと頑張ればきっと世界はあなたに報いるのです。灯里ちゃんが素敵だからこの世界は素敵なのです。そんなの僕らのA

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  • 過ぎ去ろうとしない過去 - 誘い受けとしての小泉外交

    というのは当然靖国神社に参拝した小泉首相のことですが。最早批判されたくて参拝しているようにしか見えないよ。 一方で「中国韓国の批判にはもううんざり」という感想を持つ人がいて、そういう人は「中国韓国に屈しない」小泉首相や、おそらく後継者になるであろう安倍官房長官を支持しようとする。ところが、そういう人ほど「中国韓国の反日は国をまとめるため」論を唱える傾向があって、それってまさにお前が小泉や安倍を支持する行動原理そのものじゃんとも思う。能動的な反日と受動的な反中反韓は違うってお前小泉や安倍が自分が中国韓国から批判されればされるほどある一定の層から支持を受けるってことを見越してないはずがないじゃん(だから「誘い受け」もするわけで)。意識的・無意識的かどうかにかかわらず、外敵の存在が現政権への支持動機となっている時点で即アウトだよそんなの。そんなわけで、今回の靖国参拝を支持している人は、自

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    REV 2006/08/16
  • 過ぎ去ろうとしない過去 - SFセミナー夜の部東浩紀部屋に関するごたごたについて

    http://www.hirokiazuma.com/archives/000219.html http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060504#1146799876 http://d.hatena.ne.jp/mhk/20060507 メール問題については、第三者が口出しすることでは無いと思うので黙っておきますが、合宿企画については一応その場に居た者として少し言わせていただきたいと思います。 ちなみに私は夏葉氏の知人ではありますが、特に彼の擁護というわけではなく、あくまで自分の視点からみたその場の雰囲気というものを述べようと思います。 企画は途中の部屋替えをはさんで実質的に2部構成で行われていました。 第1部では皆手を上げてから発言するなどスムーズな進行が行われており、企画が潰れているという印象を受けませんでした。 ぐだぐだになったのは、いい感じで皆酒が回

    過ぎ去ろうとしない過去 - SFセミナー夜の部東浩紀部屋に関するごたごたについて
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    REV 2006/05/08
    「別の場所では正当なものも多く含まれており、そうした場合に彼を黙らせる方法としては「叱責する」ことでは無く、「愛する」こと以外に無かった」
  • 過ぎ去ろうとしない過去 - 修正主義的態度の典型かと

    http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20060304/1141473634 ちょっと無視できないものがあったので。 ルワンダと関東大震災の虐殺の差異は強調するのに、「アウシュビッツ」のアナロジーはナイーヴに採用するのな。そも、ユダヤ人からしてみれば、アウシュビッツの記憶を、「自集団の悪を安易に認めるべきでない」とする警告に使われるなんてことは許せないのではないか。第一、ユダヤ人はそうした理由から虐殺されたのではないのだし、しかもその著者は「偽ユダヤ人」。 先日も書いたように、歴史的事実の比較行為そのものが問題となるのは、「唯一無二」であるはずの歴史事件の、相対化の是非においてである。ある歴史的悲劇を別の悲劇と同一化することは、その悲劇を「どこにでもあること」と相対化し、ときにその加害者の溜飲を下げることがある。その例が、ホロコーストを巡るドイツ歴史家論争にあった

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    REV 2006/03/05