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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (190)

  • 間違いだらけの経済政策 - 池田信夫 blog

    著者は、現役のときは大蔵省きっての論客(というか外部でものをいう珍しい官僚)として知られ、膨大な著書がある(今年だけで6冊!)。どれも似たような内容なので、それを新書版でコンパクトにまとめた書がお買い得だろう。 90年代前半まで著者は「日型資主義」を賞賛し、西部邁氏などと一緒になってすべての改革を否定する「真の保守主義」を標榜していた。しかし国際金融局長として為替手数料の自由化によって「日版ビッグバン」の引き金を引いた後は「改革派」に転向し、「グローバル化に乗り遅れるな」と説くようになった。書もその延長上で、「よいデフレ」とか「マクロ経済学は役に立たない」などの持論を展開している。 学問的には、「よいデフレ」論には異論も多い。書の統計にも示されているように、輸入のGDP比が10%程度で、中国からの輸入はその20%だからGDPの2%である。それが「構造的デフレ」をまねいたとい

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    REV 2008/11/14
  • ニューディールの神話 - 池田信夫 blog

    オバマ大統領に「第2のニューディール」を求める声が強い。教科書で習うのは次のようなお話だが、これは当だろうか:神話1:大恐慌をもたらしたのは「有効需要の不足」であり、金融政策は効果がなかった 神話2:ケインズの提案した財政政策をルーズベルトが「ニューディール」で実施して、アメリカは大恐慌から脱却した。 神話3:ピグーなどの「古典派経済学者」は賃金を引き下げれば失業は減ると主張したが、賃下げはかえって不況を深刻化した神話1はケインズが『一般理論』で主張したものだが、Friedman-Schwartzが実証したように誤りである。大恐慌を引き起こしたのはFRBの緊縮的な金融政策による信用収縮であり、それを世界に広げたのは金位制による「信用収縮の輸出」だった。1933年に就任したルーズベルト大統領は、ただちに大胆な金融緩和を進めたため信用収縮は止まり、図のようにマイナス成長は終わった。経済の収

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    REV 2008/11/07
    にわたま
  • 小室哲哉シンドローム - 池田信夫 blog

    きのうは「小室逮捕」が米大統領選も吹っ飛ばす騒ぎで、私のところまで電話取材が来た。私はJ-POPはラジオで流れている以外は聞かないので、彼の音楽についてコメントする資格はないが、知っている範囲でいうと、彼の曲のどこがいいのかわからない。コメントしたのは「音楽的には無価値なものをマーケティングだけで売れると錯覚したんじゃないか」ということだ。 マーケティングが悪いといっているのではない。資主義の社会では音楽は商品なのだから、最大限売れるように努力するのは当たり前だ。しかし彼の場合は、メディアへの露出をコントロールしないで、過剰に消費されたのが失敗だったのではないか。音楽家の才能が続く時期は短い。松任谷由実も「荒井由実」の時代で音楽的には終わっていたが、メディアへの露出をセーブして寿命をのばしてきた。 出版界でも最近、「小室シンドローム」が目立つ。屋へ行くと勝間和代や茂木健一郎が山

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    REV 2008/11/05
    一方、矢沢は30億円を返済した。
  • 日本は侵略国家であったのか - 池田信夫 blog

    いま話題の田母神俊雄航空幕僚長の論文は、「ハル・ノートを書いたのはコミンテルンのスパイだった」とか「盧溝橋事件中国共産党の謀略だった」などという初歩的な事実誤認だらけで、論旨も『正論』の切り抜きみたいなものだ。制服組のトップがこんなお粗末な作文を組織の了解もなく対外的に発表するのは、軍事情報管理の観点からみて危険なので、更迭は当然だが、ここには彼らの音が出ていておもしろい。現在の中国政府から「日の侵略」を執拗に追求されるが、我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである。これは戦前から変わらない日の官僚機構の実定法主義を端的に示している。この論理でいけば、ヒトラーもムッソリーニも合法的に権力を掌握したので、問題はないことになる。論理的に擁護できないものを守るのに「国際法」やら「条約」やらが出てくるのも

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    REV 2008/11/02
  • 大恐慌の証人 - 池田信夫 blog

    アンナ・シュワルツは今年92歳、1930年代の大恐慌を目撃した数少ない経済学者だ。フリードマンと彼女の書いた888ページのは、バーナンキが「聖典」としているものだが、彼女は「今の状況は当時とは違う」という:大恐慌は、FRBが銀行の流動性不足を放置したために取り付け騒ぎを起したのが原因だったけど、今度は違うわ。流動性は十分あるし、決済機能は傷んでいない。問題は、CDOとかCDSとか訳のわからない証券がいっぱい流通して、それが売れなくなったものだから、価格が決まらなくなったのが原因よ。 「有毒」な証券を売るのは簡単よ。額面の5%でもいいから、オークションで売ればいい。でも、そんなことしたら銀行がバタバタつぶれるから、売るに売れない。だからポールソンは、資産買収から資注入に切り替えたわけよ。でも両者は全然ちがう。債務超過の銀行に資注入したら、日みたいに問題が長引くだけよ。 ベア=スタ

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    REV 2008/10/21
  • 直接金融という神話 - 池田信夫 blog

    今週のEconomist誌は、今回の問題が「資主義の全面的危機だ」といった批判に反論し、派生証券の特殊性を規制当局が十分理解していなかったことが原因だとのべている。私の感想もまじえてメモしておく:マルクスをもじっていえば、いま投資銀行は鎖以外に得るものをもたない。世界中で「新自由主義」が終わったという大合唱が始まっているが、投資銀行が規制されていなかったというのは神話である。それは四半期ごとにSECに提出される膨大なファイルを見ただけでも明らかだ。問題は、その規制が今回のような事態を想定していなかったことであり、これは市場の失敗というより規制の失敗である。 大恐慌のさなかの1933年に、グラス=スティーガル法が成立した。これは銀行が証券業を兼営していたために株式の暴落が銀行の破綻をまねいたという認識にもとづいて、両者を分離するものだった。これは銀行のリスクは預金者に転嫁できないが証券の

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    REV 2008/10/17
    「結果論だが、今ごろ7000億ドルも政府資金を投入するぐらいなら、リーマンを政府の補助金つきでバークレイズに買収させておけば、納税者の正味の負担は数十億ドルですんだかもしれない。」
  • 大恐慌は再来するか - 池田信夫 blog

    今回のアメリカの金融危機を「大恐慌の再来」などという話がよくあるが、これは間違いである。トルストイ風にいえば、好況はいつも同じように幸福だが、不況はそれぞれに不幸なのだ。 ガルブレイスの(左)は先週、再発売されたが、初版は1955年。1929年の出来事を日記風につづったもので、経済学的な分析はない。これを含めて一般向けのでは、投機バブルの崩壊が大恐慌を引き起こしたといった説明が多いが、投機の失敗だけで10年以上も2桁の失業率が続くことは考えられない。これを理論的に説明したのがケインズの『一般理論』で、戦後の経済学の主流も「有効需要の不足」とか「流動性の罠」のようなケインズ的な説明だった。 この「通説」に膨大な実証データを使って挑戦したのが、Friedman-Schwartzの記念碑的な研究である(ただし通読するのは困難)。これは金融システムが崩壊していた時期にFRBが通貨供給を絞っ

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    REV 2008/10/04
  • 霞ヶ関の2ちゃんねらー - 池田信夫blog

    書の112〜4ページに、話題を呼んだ怪文書公務員制度の総合的な改革に関する懇談会報告書への素朴な疑問」の全文が出ている。おもしろいのは、最初に出ている(スペースも最大の)論点、「政と官の関係」だ。見出しには「なぜ集中管理が必要?国会議員が情報を得られなくなり、かえって『官僚主導』になるのではないか?」と書かれ、「政官の接触の集中管理」の禁止を彼らがもっともいやがっていることがよくわかる。 著者によれば、これを書いたのはなんと当時(今年3月)の行政改革推進部事務局に総務省から出向していた次長だったという。公務員制度改革の責任者が、渡辺大臣の方針を全面的に否定する怪文書を流していたのだから恐れ入る。彼は今年の異動で省に戻ったが、この怪文書の著者であることは霞ヶ関に知れ渡っていたので、増田総務相の怒りを買って左遷されたそうだ。 民間の常識では考えられないが、霞ヶ関や永田町にはこういう

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    REV 2008/09/30
  • 資本主義は嫌いですか - 池田信夫 blog

    専門的な論文を読むときは、いきなり細かい話を読む前にサーベイ論文を読むといい。経済学の場合は、Journal of Economic LiteratureやJournal of Economic Perspectivesなどにサーベイが出ており、そこで紹介されている代表的な論文から読むのが効率的だ。書も、サブプライム危機についての素人向けサーベイとしては便利だ。 サブプライムの原因として、FRBの低金利政策とか格付け会社のでたらめな審査などがよく槍玉に上がるが、そういう話は第Ⅰ部にまとめられており、大して新味はない。おもしろいのは、第Ⅱ部のコアになっているRajanの論文だ。そこでは2005年に、サブプライム危機をほとんど予言するような分析が行なわれている。 金融工学の発達によってファイナンス産業は急速な成長を遂げたが、小幡績氏も指摘するように、そこには一つのパラドックスがある。金融

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    REV 2008/09/11
    「何もしないうちに地上の人類がこけて「おれたちの勝ちだ」と喜んでいる地底人のようなものだ。」 そこへ最低人が
  • 生政治の誕生 - 池田信夫 blog

    書のタイトルから、生政治という言葉でよく語られる「監視社会」批判の類を想像する読者も多いだろうが、フーコーはこうした問題にはまったく触れていない。彼が主題とするのは、生政治のもっとも洗練された形態としての経済的自由主義であり、その代表はハイエクである。生政治と自由主義というのは、常識的には対極にあるように思われるが、フーコーが晩年の『知への意志』でも警告しているように、自由を抑圧からの解放と考えることは、ナイーブな左翼的錯覚である。逆に、自由主義はきわめて高度な統治技術を必要とするのだ。大いなる規律の技術、すなわち個々人の行動様式をその最も細かい細部に至るまで毎日規則正しく引き受けるものとしの規律の技術が発達し、急成長し、社会を貫いて拡散するのは、自由主義の時代と正確に同時代のことでした。[・・・]ここにおいて管理はもはやパノプティズムの場合とは異なり、ただ単に自由に対して必要な歯止めで

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    REV 2008/09/05
  • アンチコモンズ社会 - 池田信夫 blog

    昨夜9時過ぎ、新聞社から電話がかかってきて、「福田さんが辞めたんですけど」といわれ、「え?どこの福田さん?」と聞いてしまった。「いずれこうなるとは思ってたけど、変なタイミングですね。まさか農相問題がきっかけということはないでしょう」と答えたが、いやになっていた首相の最後の小さな引き金ぐらいにはなったかもしれない。 うんざりするのは、ここ15年で9人も首相が交代する「イタリア病」だ。小泉首相以外は、平均1年半ぐらいしか続かない。特に「ねじれ国会」になって以降は、みんなが拒否権をもち、何も決まらないアンチコモンズ状態が続いてきた。次の総選挙で民主党が衆議院で第一党になっても、自公で過半数を維持すると、ねじれは変わらないまま再議決もきかない、完全なデッドロックになる。 これはゲーム理論でおなじみのナッシュ交渉で、「痛み」をともなう政策はすべて拒否されるので、みんなの要求を足して2で割るバラマ

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    REV 2008/09/02
    「ナッシュ交渉で、「痛み」をともなう政策はすべて拒否されるので、みんなの要求を足して2で割るバラマキが常套手段になる。」
  • 変わる日本史の常識 - 池田信夫 blog

    受験勉強のころお世話になった参考書が、10年ぶりに改訂された。いろいろ話題になっているが、古代史がかなり大幅に書き換えられている: 「魏志倭人伝」は存在しない:三国志の一書である魏書に「倭人の条」があるだけで、「倭人伝」という書物はない。その内容も後代になって書かれた伝聞や推測で、信頼性は低い。 「任那日府」は存在しなかった:4世紀ごろ、朝鮮半島の南部に加耶と呼ばれる小国の連合があったが、任那という統一国家はなく、日の植民地でもなかった。これは『日書紀』の誤った記述。 世界最大の墓は「仁徳天皇陵」ではない:堺市にある大仙陵古墳は、つくられた時期が仁徳天皇の在位期間と違うので、彼の墓ではありえない。被葬者が大王(おおきみ)であることは確実だが、内部調査が許されないので誰かわからない。 「聖徳太子」は架空の人物:厩戸王という推古天皇の甥が、氏寺として斑鳩寺(のちの法隆寺)を建立したことは

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    REV 2008/09/01
  • 東京裁判 - 池田信夫 blog

    5年前、スタンフォード大学でレッシグのやった「電波:財産かコモンズか」というシンポジウムに参加したとき、最後に大学の中にある模擬法廷で、デムゼッツなど3人の「裁判官」が、判決の形で結論を出したのが印象的だった。英米の文化では、裁判というのは「みんなで結論を出すゲーム」なのだ。 これに対して日では、裁判は犯罪者をこらしめる「お裁き」であり、有罪になった者は一生、その十字架を背負わければならない。この違いが、東京裁判をめぐって延々と続く感情的な論争をもたらしているのだろう。しかし私の世代には「東京裁判史観」を憎む感情もなければ、大江健三郎氏のように子供のころ刷り込まれた絶対平和主義もない。そろそろ戦争について、感情を抜きにして事実にもとづいた議論ができるようになってもいいだろう。 著者も私より1世代下で、どちらの立場でもない。東京裁判が事後的な「勝者の裁き」だというのは明白だが、だからと

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    REV 2008/08/30
  • 大本営発表という権力 - 池田信夫 blog

    今度の騒動では、日経新聞以外のすべての全国紙・夕刊紙・週刊誌・在京キー局が(直接あるいは電話で)取材に来た。その取材と報道を比較すると、おもしろいサンプル調査になった。 全国紙は、私の話を「裏を取る」材料に使っただけで、談話として使ったのは夕刊紙とJ-CASTだけだった。ただ、これがヤフーニュースのヘッドラインになったため、27日には当ブログへのアクセスが激増し、1日30万PVを記録した。テレビ局は、5社ぐらい撮影に来たが、放送で使ったのは日テレとTBSとテレ朝ぐらい。 おもしろいのはフジで、「サキヨミ」からスタジオ出演の依頼があったので、「私はかまわないけど、私はテレビ業界の天敵なので、前に出演スケジュールを決めてから『上からNGが出て・・・』とドタキャンされたことがあります。上司に確認してください」と答えたら、同じ結果になった。 新聞社はよく「戦時中は大営の検閲や紙の配給のため

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    REV 2008/08/30
    "大江氏を支援する先頭に立っている金城重明牧師//は、渡嘉敷島でゴボウ剣で数十人を刺殺したことを法廷で認めた。本人は米軍に投降したのだから、これは「集団自決」ではなく殺人であり、金城氏こそ屠殺者である。"
  • 平成の徳政令 - 池田信夫 blog

    のGDPの速報値が年率−2.4%と大きく落ち込んだことに、海外のメディアも注目している。例によって冷たいのはEconomist誌で、「サブプライムの影響が最小だった日の成長率がこれだけ落ちたのは、これまで円安のおかげで輸出産業に支えられてきた経済のメッキがはげたのだ」と、日が長期停滞に入ることを示唆している。 その底流には、大反響を呼んだ"JAPAIN"特集で彼らが指摘したように、ただでさえ景気後退期で保守的になっている人々の行動を政府が規制によってさらに保守的にしている「官製不況」がある。たとえば貸金業法の規制強化の影響で、この1年で貸金業者は30%廃業し、消費者金融の融資残高は20%(1.5兆円)も減った。不況のさなかに政府がクレジット・クランチを促進しているのだ。 それよりも質的な影響は、シティグループが日の消費者金融から撤退するとき、いみじくも言ったように、ルールの

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    REV 2008/08/15
    「それは短期的には債務者を救済しても、長期的には(中南米やロシアをみればわかるように)金融市場を致命的に混乱させ、投資を減退させて経済に大損害を与える。」 /報酬減のみ、による福祉予算削減は、以下略
  • 「ストリートビュー」騒動をめぐる誤解 - 池田信夫 blog

    グーグルの新機能「ストリートビュー」が、論議を呼んでいる。上の画像はわが家の近所だが、確かに驚異的な細密さだ。私は意に介さないが、これを「気持ちが悪い」という人がいるのも事実だろう。先行してサービスが始まった海外でも、訴訟などが起こっている。これに対して「自分の家を映すのはやめてくれ」というのは自由だが、法的根拠はない。風景は個人情報ではないからだ。まして「サービスをやめろ」などというのは暴論である。 ただ高木浩光氏の報告によると、総務省の「通信プラットフォーム研究会」で、グーグルの担当者が「日では、名前を表札に書いている。わざわざ自分の名前を公道に出しているわけだから、プライバシーなんて気にしていない」と発言したようだ。こういう無神経な発言は、火に油を注ぎかねない。そもそも名前がプライバシーなのか、というのが大問題だからである。ASCII.jpのコラムにも書いたが、私は個人情報保護法

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    REV 2008/08/11
  • B-CAS社の罪は「退場」では消えない - 池田信夫 blog

    B-CAS社の浦崎宏社長が、メディアに初めてカミングアウトし、「不要と言われれば退く覚悟はできている」と語った。さすがに危険が身に迫っていることを察知したのだろう。しかしB-CAS社は不要であるばかりはなく、違法なのだ。何の法的根拠もなく民間企業が電機メーカーを「審査」し、外資系メーカーを排除し、PCボードの製造を妨害し、おまけに出荷停止処分までやるのは、明白な独禁法違反である。 それはNHK経済部の記者として経済犯罪を取材した浦崎氏が、一番よく知っているはずだ。だから「B-CASが不要となった際,いつでも会社をたためる」という言葉も出てくるのだろうが、会社をたたむだけで違法行為は帳消しにはならない。これまで3000万台ものデジタルTVに違法なカードを義務づけることによって上げた数百億円の売り上げは、返還すべきだ。そして独禁法違反と判断されれば、課徴金や懲役刑も待っている。 さらに問題

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    REV 2008/08/07
    B-CASカードは神聖不可侵とし、一枚100万円、とかするなら、清々していいかも。
  • アンチコモンズの悲劇 - 池田信夫 blog

    著者は"The Tragedy of the Anticommons"という有名な論文で、「知的財産権」が非生産的な役割を果たすことを指摘した。「コモンズの悲劇」というのは、漁場や山林のような共有地が過剰利用される問題だが、アンチコモンズは逆に共有地が過少利用される悲劇である。たとえばライン川は、神聖ローマ帝国の時代には欧州の主要な交通路だったが、帝国が崩壊すると、沿岸に「泥棒貴族」が出現して各地で領主権を主張し、数百の関所をつくって通行料を徴収したため、ライン川の通行は不可能になり、沿岸の商業も産業も衰退した。 特許や著作権も、このライン川の関所のような存在になりつつある。特に薬品業界では、一つの新薬を市場に出すには、多くの先行特許に使用料を払わなければならない。最近は遺伝子にまで特許が与えられるようになったため、画期的な新薬を開発しても、特許使用料が予想される利益を上回り、発売できな

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    REV 2008/08/02
    「たとえばライン川は//帝国が崩壊すると、沿岸に「泥棒貴族」が出現して各地で領主権を主張し、数百の関所をつくって通行料を徴収したため、ライン川の通行は不可能になり、沿岸の商業も産業も衰退した。」
  • 殺人犯を聖人に祭り上げる人々 - 池田信夫 blog

    読売新聞によれば、秋葉原の大量殺人事件以降、無差別殺傷事件が3週間に7件も相次いでいるという(きのうも1件あった)。こういう現象は自殺と同じで、メディアが騒ぐと続発することは、犯罪心理学でよく知られている。まずメディアが自重し、特に同じ事件を繰り返し続報で扱わないことが重要だ。 もう一つは、こうした事件に意味をもたせないことだ。「格差社会」や「勝ち組・負け組」といったありがちな図式で、殺人犯を「時代の象徴」に祭り上げることは、病人を増長させ、模倣犯を呼ぶ。この種の「ありがち評論」の典型が、事件の実態もわからない3日後に「容疑者が職場への怒りや世間からの疎外感を長期的に募らせた」とか「社会全体に対する空恐ろしいまでの絶望と怒り」などという見事なステレオタイプで、秋葉原の事件をテロと呼んだ東浩紀のエッセイだ。 仲正昌樹氏は、『諸君!』9月号で、東のサヨク的議論を「ポストモダンの堕落」と批判

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    REV 2008/08/01
    「価格統制でドンキホーテの商品を1000円に値上げさせ、世界を固定為替レートに戻し、派遣労働を全面禁止すれば、無差別殺人はなくなるのだろう。」
  • ジャーナリズム崩壊 - 池田信夫 blog

    書に書かれていることの多くは業界では周知の事実だが、一般読者には信じられないような非常識な話が多いだろう。特に私の印象に残っているのは、NHKの黒田あゆみ事件だ。これは彼女が離婚していたことをスポーツ紙に書かれたことが原因で、「生活ほっとモーニング」のキャスターを途中降板した事件で、彼女は放送で離婚を隠していたことを謝罪した。 これに対して、福島みずほ氏などが「離婚はプライベートな出来事であり、降ろすのは男女差別だ」と批判し、これをNYタイムズが記事にした(署名はフレンチ支局長だが、著者が取材したらしい)。ここまではちょっとした街ネタにすぎないのだが、当時のNHKの広報担当(春原秀一郎・現山口放送局長)がNYタイムズの支局に電話してきて「貴様、ふざけんな。貴様のような野郎はNYタイムズで働く資格はない。NY社の知り合いにかけあって絶対クビにしてやる」などと、どなり散らした。これがさら

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    REV 2008/07/31