お尋ね者なのに ダルフール紛争で逮捕状が発行されているバシルだが、4月の大統領選で再選を果たした Mohamed Nureldin-Reuters スーダンのオマル・ハッサン・アフメド・アル・バシル大統領は逮捕されるべきか、それとも自由にさせておくべきか――。 バシルの扱いが国連の頭痛のタネとなっている。問題は2011年1月に予定されているスーダン南部の独立をめぐる住民投票を機に、南北内戦が再燃するのではないかという心配ではない。30万人の命を奪ったとされる西部ダルフール紛争の戦犯が大統領を務めていることでもない。 問題は、国連の責務である平和と正義の追求、その2つがスーダンでは真っ向から対立していることだ。それは国連自らが創設した国際刑事裁判所(ICC)とのぎくしゃくした関係によって浮き彫りになった。ことスーダンの話になると、何をすべきか、誰がそれをすべきか、足並みがまったく揃わない。