物言わぬペリカンが語る被害の大きさ メキシコ湾にある英BPの石油採掘施設の爆発事故から間もなく2カ月が経過しようとしている。海底約1,500メートルから流れ出る原油の回収作業はここにきてやっと軌道に乗り始めたが、地元住民をはじめ、被害は人に自然に経済に……と広範囲に及んでいる。 4月20日に発生したこの事故では、BPの請け負い業者であるTransoceanの採掘施設「Deepwater Horizon」が爆発、11人の犠牲者を出した。採掘施設は沈没し、折れたパイプから原油が流出をはじめた。その量は最低でも2,200万ガロン、一部では3,600万ガロンともいわれており、米史上最悪の原油流出事故となった。その後も推定で1日1万2,000 - 1万9,000バレルが流出しているといわれており、いまだに事件の実態や規模がつかめないのが現状だ。流出した原油が流れ着いた砂浜、油にまみれて羽が茶色になっ