LBM研究所の渡部代表は「企業にとって社内うつの対策は、生き残り戦略に組み入れるべき重要課題です。生産性の低下は、数値化しにくいのですが、業務判断ミス、けが、事故につながります。事務職の場合は集中力が欠如し業務能率は著しく悪化します。現場の作業員ならば、事故に直結しかねません」と指摘する。 メンタル対策を講じているものの、その効果がみえていないという企業も多いのではないだろうか。復職してもまた休職してしまう社員たちの姿に「対策の実行力がどれほどあるのか首を傾げてしまう」とある企業の担当者は語ってくれた。 一般的に一回休職した人の再発率は60%、2回休職では70%、3回になると80~90%といわれている。休職に至ると、なかなか抜け出せなくなる。 休業が多発すると、傷病手当金を支給する健康保険組合の財政を圧迫する。人材派遣健保ではメンタル由来の傷病手当金は支給額全体の51%を占める(10年度)