ベニグノ・アキノ大統領の任期満了に伴うフィリピンの大統領選挙は5月9日に投開票され、ロドリゴ・ドゥテルテ氏が当選を決めた。 71歳のドゥテルテ氏は、フィリピン南部ミンダナオ島にあるダバオ市で1988年に市長に就任。それ以来、現在まで市政のトップに君臨し続けてきた。 内外のメディアの多くは同氏を「フィリピンのトランプ氏」と呼ぶ。米大統領選挙において共和党候補への指名を事実上決めたドナルド・トランプ氏は、「メキシコとの国境に壁を作る」「イスラム教徒の入国を禁止する」など、過激な発言を繰り返して注目を集めている。ドゥテルテ氏が市政において示した姿勢が、こうしたトランプ氏の姿勢に重なって見える。 ドゥテルテ氏は長く首長を務めてきたものの国政の経験はない。ダバオ市は、150万人近い市民を抱える大都市の1つであるとはいえ、一地方都市にすぎない。それゆえ、その外交手腕は未知数だ。ほかの候補がいずれも国政