Image credit: NASA 米航空宇宙局(NASA)は7月30日、火星探査車(ローバー)の「スピリット」(MER-A)について、通信が回復せず、これまでで最も難しい局面を迎えていると発表した。 スピリットは昨年5月に「トロイ(Troy)」と呼ばれる場所を通過する際、車輪が柔らかい土に埋まり、身動きが取れなくなってしまった。運用チームは約半年間にわたってシミュレーションを行い、昨年11月から本格的な救出作業を開始したが、脱出までには至らなかった。 NASAはその後、スピリットの脱出を諦め、静止観測点としての活動を続けると発表したが、冬を迎えると同時にスピリットは「冬眠モード」に入り、今年3月22日の通信を最後に、通信できない状態が続いている。 シミュレーションでは春を迎え、太陽電池パネルによる充電が行われ、バッテリーが回復し、スピリットは7月23日頃から交信できると考えられていたが