環境省は13日、新潟県佐渡市で放鳥されたトキのうち、新たに1組(6歳雄、7歳雌)が卵を温める「抱卵」をしていると発表した。 産卵日は5月9日頃と推定される。このペアは今季、いったんはそれぞれ別の相手とつがいとなって抱卵し、途中で巣を放棄していた。トキが繁殖期間中に相手を変えて再抱卵する姿が確認されたのは初めて。 同省佐渡自然保護官事務所によると、雄は4月5日にペア3年目の雌との巣を、雌も同25日にペア2年目の別の相手との巣を放棄。それぞれの巣は約2キロと近く、25日以降、新たなペアで雄が使っていた巣を整えたり、餌を探したりする姿が確認されていた。 同事務所の長田啓・首席自然保護官は「自然界のトキは生涯ペアの相手を変えないとされてきたが、そうとは限らないことが分かった」といる話している。