大塩平八郎肖像画の原本とみられる掛け軸。右上に菊池容斎の署名と落款印がある=東北大付属図書館所蔵掛け軸の裏側には「菊池容斎筆 大塩中斎肖像」とあった 江戸後期、飢餓にあえぐ農民の救済を訴え、大阪で乱を起こした大塩平八郎(1793〜1837)を描いた肖像画の原本とみられる掛け軸が、東北大付属図書館(仙台市)に所蔵されていることがわかった。幕末維新期に活躍した狩野派の絵師、菊池容斎(1788〜1878)の肉筆画で、その模写画は現在、教科書などで広く使われている。原本の存在は専門家の間で知られていたが、その所在は長らく不明だった。 同図書館が所蔵していたのは、文人画家の富岡鉄斎(1836〜1924)が収集したとみられる「富岡鉄斎旧蔵書画軸」の中にある「大塩中斎(ちゅうさい=平八郎)肖像」。外部から指摘を受けて調べたところ、東北大大学院の東洋・日本美術史研究室が1953(昭和28)年、京都の古