ブックマーク / geopoli.exblog.jp (25)

  • 質問の質が人生を左右する?その3 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は、雨が降りそうで降らない微妙な寒い一日でした。 さて、また昨日の話のつづきを。 「質問はレンズだ」ということを述べたわけですが、これは実は「戦略の階層」に関連づけて考えることができます。 すでに述べたように、「質問」というのは「問題解決」のためのものではなく、むしろそれ以前の「問題設定」を行うためのもの。 そして「解決」と「設定」のどちらのほうが「抽象度」の高い思考が求められるかというと、それはもう断然「設定」を考える方なわけです。 これを応用して考えますと、問題解決に集中するというレベルは、いわば現場レベルの話に近く、より具体的であるために、「戦略の階層」から考えれば下のほうの「戦術」のレベルに当てはまります。 その反対に、問題設定のようなものごとの「前提」をとらえるレベルは、プランニングやゲームのルールづくりのほうを考えるものであるためにより抽象的で、「戦略の階層」から

    質問の質が人生を左右する?その3 | 地政学を英国で学んだ
    SavingThrow
    SavingThrow 2013/04/03
    ”「戦術」にたけている人は「問題解決」の達人。「戦略」にたけている人は「問題設定」の達人。”
  • オフショアコントロール:試訳 | 地政学を英国で学んだ

    ある学術誌に載せる予定のものです。 とりあえず最初の試訳部分だけ公開。 === 二〇一一年一一月にオバマ大統領は「アジア太平洋地域におけるわれわれのプレゼンスと使命を最優先事項とします」という声明を発表している。アメリカがこの「アジアへの転回」を実行する中では、たとえ起こりそうになくても、中国との紛争に備えた軍事戦略を考えなくてはならない。 ところが今日までこのような戦略は提案されていない。中国の軍事能力の向上や既存の核弾頭、アメリカの国防費の減少やサイバー領域における実質的な攻撃の優位などを踏まえて考えると、「オフショア・コントロール」(Offshore Control)は、アメリカとその同盟国たちにとって、許容範囲内での紛争終結のための戦略を与えてくれることになる。 軍事戦略というのは時として単に紛争における成功のためのガイダンスとしてしか見られないが、紛争が起こる前の抑止や同盟構築の

    オフショアコントロール:試訳 | 地政学を英国で学んだ
  • 「行列で待つこと」についての心理学 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は相変わらず昼間が真夏日です。洗濯物には最高かと。 さて、久しぶりに記事の要約です。今回は心理学に関するものですが、これはビジネスなどにかなり応用が効くものかと。 たとえば以下に出てくる鏡の例などは、ビジネスマンや経営者向けのセミナーなどではよく使われる例ですね。私も自分の新刊に似たような例を書きました。 これも「手先」や「技術」による絶対的な数値の改善ではなく、あくまでも人間の心理をうまく使ったシステム的な「抽象度の高い解決法」ということでヒントになるものです。 === なぜ「行列で待つ」のは拷問なのか by アレックス・ストーン ●数年前のことだが、ヒューストン空港の幹部が、利用者からの多くのクレームに直面して困ったことがある。 ●それは、「飛行機からの荷物を受け取るテーブルのところでやたらと待たされる」という利用客からの不満だった。 ●これに対応するために、この幹部たち

    「行列で待つこと」についての心理学 | 地政学を英国で学んだ
  • https://geopoli.exblog.jp/17506090/

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    SavingThrow
    SavingThrow 2012/01/12
    "リーダーシップが効くのは、ついていく側がリーダーを信じて協力してやろうと思うかどうかにかかっている。「ついて行く側」が求めているのは①首尾一貫した態度②自信、③決定力、④明晰さ。" という視点
  • 「コントロール」の問題と安全保障の「感覚」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の甲州は曇りがちなんですが、11月にもかかわらずそれほど寒さを感じません。今年は暖冬なんでしょうか。 さて、くどいようですが、今週末のオフ会のテーマにもからんでくる「コントロール」という概念について再び一言。 ブログでは今年に入ってから「原発事故と自動車事故」、「民主制度とそれ以外の統治制度」、そして「陰謀論がなぜ受け入れられるのか」というテーマでコントロールの感覚の重要性というものを何度か書いてきました。 そこで何度か強調したテーゼみたいなものとして、私は、 ●人間というのは「自分がある程度コントロールできる(と感じている)もの」であれば、いくら致死量/死亡率が高い「テクノロジー」や「制度」でも受け入れられる。 ●その反対に、致死量/死亡率がそれほど高くなくても、「自分がコントロールできない(と感じている)もの」であれば高い不安や恐怖を感じる。 という原則があると主張し続けておりま

    「コントロール」の問題と安全保障の「感覚」 | 地政学を英国で学んだ
    SavingThrow
    SavingThrow 2011/11/17
    "人間は「自分がある程度コントロールできる(と感じる)ものなら、致死量/死亡率が高い技術や制度でも受け入れられるが、コントロールできない(と感じる)ものであれば(相対的に安全でも)高い不安や恐怖を感じる。"
  • 博多駅のある人物のコメントから | 地政学を英国で学んだ

    今日の甲州は雲は多めでしたがなんとか晴れました。それにしても朝夕は落ち着いた秋を感じますね。 さて、久しぶりの書き込みですが、すでに裏のほうでは述べたことをまとめてここで。 実は先週末に九州まで出張しまして、博多の周辺で講演をして参りました。そこでのエピソードを一つ。 というのは、問題なのは講演そのものではなくて、むしろ講演の前に博多駅で見かけたある風景でした。 私にとって博多駅というのは高校生の修学旅行以来だったのですが、いやはや思ったよりも大都会で驚きました。 そして講演会場に向かうために博多駅の新幹線口から降りてきた時のこと、ここである中年のオタクっぽいお兄さんに遭遇。 彼もどうやら博多は初めてだったらしく、周囲にギリギリ聞こえるような声で、 「うあー、人が多くて混雑しててムカつくねー、ここは」 と発言したのです(もしかすると、私に聞こえるように言っていた??) これを聞いて、私はた

    博多駅のある人物のコメントから | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2011/09/01
    "「混んでいる」という現象と「その混雑の一因となっている自分」が頭の中でつながっていない。分析・評価していることで、その分析者だって分析される対象の持つ現象に含まれてしまうことを忘れてしまう。"
  • ノルウェーのテロ事件から「多文化主義の失敗」を再録 : 地政学を英国で学んだ

    ノルウェーのテロ事件を受けて、この意見記事の要約を再録します。 ぜひじっくりとお読み下さい。 ==== 多文化主義はどのように失敗したのか by ケナン・マリク ●今年の7月7日でロンドンでの52人が死んだ連続テロ事件から六年がすぎた。 ●アメリカの9・11事件とロンドンでの7・7事件は基的に同じインパクトを両国の国民に与えたが、ひとつだけ違うのは、7・7事件のほうがイギリスの市民権を持つ人間たちによる犯行だったということだ。 ●イギリス当局側は、この「自国民の犯行」に頭を悩ませており、その原因として、以前は過激なイスラム僧侶やモスクの影響を指摘していたが、最近は政府の多文化主義政策の失敗を指摘する分析が多くなっている。 ●ヨーロッパでは多文化主義の問題に関して政府要人からも批判的な声が上がり始めており、スウェーデンやオランダでも反移民政策を訴える政党が議席を伸ばしている。 ●英首相のキ

    ノルウェーのテロ事件から「多文化主義の失敗」を再録 : 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2011/08/08
    "多文化主義=大量の移民によって構成された社会と、多様性を管理する政府の政策。この2つの意味を区別できないと、政府の政策の失敗そのものを、マイノリティーたちの責任に押し付けてしまうことになってしまう。"
  • スペースパワーの文献について:リスト | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はよく晴れたのですが、夜になるとけっこう冷え込んできて六月とは思えない陽気でした。 実は日は学校で年に一度の研究発表がありまして、一人30分の持ち時間で現在の論文の研究進行状況をコースや先生たちの前で報告してまいりました。 私の出番はなんと一日目の一番最後(午後6時半)という最悪なスロットだったのですが、とりあえずコースの人間は強制参加なので(笑)合計25人くらいの人々が私の報告発表を聞くために最後まで残ってくれました。 とりあえず結果は上々で、いくつか建設的なアドバイスや質問があった他にはとくに問題となるような批判もなく、あらためて「あとは残りを書くだけ」という状態であることを確認しました。 その後にコースメイトたちと街のパブに飲みにいったのですが、こういうところでの会話が貴重な情報源で、クラウゼヴィッツや映画について色々と語ってきました。 さて、昨日お約束したスペー

    スペースパワーの文献について:リスト | 地政学を英国で学んだ
    SavingThrow
    SavingThrow 2010/06/17
    "スペースパワー理論についてのまとまった良い文献1つと特徴的な文献3つの紹介。スペースパワーに関する最新文献というのはネット上に上がっているものの確率が断然増えているとか。"
  • プロスペクト理論:ルボウの理解 | 地政学を英国で学んだ

    プロスペクト理論(prospect theory)が教えてくれるのは、「人間が損失(ロス)を防ごうとする時には、利得(ゲイン)を得るときよりもあえて大きなリスクを背負おうとする」ということだ。 もちろんここでの「損失」や「利得」というのは、アクターたちの主観的な基準を参考にして決められるもの。 この理論は物的な「損失」や「利得」について発展させられ検証されてきたものであるため、とどのつまりは「物欲」(appetite)についての理論なのだ。 ところがこれは国際関係論にもて適用されており、ある程度の成功をおさめている。 ルボウ、2008年,p.365.

    プロスペクト理論:ルボウの理解 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2010/02/05
    "プロスペクト理論(prospect theory)人間が損失を防ごうとする時には、利得を得るときよりもあえて大きなリスクを背負おうとする。損失・利得とはアクターたちの主観的な基準を参考に決められるもの。"
  • こちらの大学のエッセイで高得点をかせぐ方法 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はまた朝から雨でして、しかも午後はかなり強く降りました。日ではなんと台風みたいですが。 昨日お知らせした毎週火曜のランチ・ミーティングなんですが、先生に自分の話すテーマをいくつか提案したら、さっそく返信がありまして、なんと二週間後にはいきなり私の番ということになりました。 話すネタは日での蓄積があるので(ニヤリ)それなりの数はなんとなく準備できそうなのですが、今回はとりあえず拙訳『戦略論の原点』の中のネタを使って「戦略論の極意」みたいなことを語ってみようと思っております。 このミーティングで私みたいな人間が戦略論の世界的権威の前で「戦略論の極意」みたいな話をするのもどうかと思いますが、まあ「東洋人はこう考えてます」みたいなところでけっこうごまかせるのではないかと(笑 そこで昨日のエントリーの話のつづきと関係してくるんですが、我々が書くエッセイ(小論文)というのは、ある

    こちらの大学のエッセイで高得点をかせぐ方法 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2009/10/08
    "出されたテーマに「本当に正しい答え」というものはないという前提。社会科学系の論文では、本当に正しい答えかよりも、答えるプロセスの中の議論で「いかに強い説得力で論じているのか」が重要。"
  • 「パワー」の研究:その2 | 地政学を英国で学んだ

    今朝の甲州は朝から快晴です。富士山もしっかり見えますから、かなり空気も澄んでいると思われます。 昨日のことですが、麻生首相を見てきました。自分としては現役の国家のリーダーを見るのは初めてです。 パッとみた感じではやはりそれほどオーラを感じなかったのですが、それでも現役首相なりのカリスマみたいなものはやはり感じました。 かなり遠くからでしたが、とりあえず写真をとってきましたのでそのうちここに載せておきます。 さて、パワーの話の続きを。 「パワーには三つの面がある」ということで、その内の二つについては以前のエントリーで簡単に書きましたが、肝心の三つ目についての説明はまだでした。 ということでその三つ目なんですが、これは前の二つのパワーの説明がアクターそのものに帰属したものであったのに対して、パワーは他のプレイヤーたちが形成している状況そのものによって決定されるというものです。 そしてこれを決定

    「パワー」の研究:その2 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2009/08/18
    "パワーの分類。属性(attribute)。 関係(relationship):相対的な力関係で成り立つもの。構造(structure):社会とか。他のプレイヤーたちが形成している状況そのものによって決定されるというもの。"
  • ネオコンの「リアリスト退治法」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の甲州は暑かった。完全に真夏日です。わたしはまたけっこう涼しいところに避難していたのですが(苦笑 さて、ネオコンの牙城であるウィークリースタンダード誌が、政権の「リアリスト」たちのイランへの対応に対していちゃもんつけてました。 この記事のよいところは、ネオコン側のレトリックやロジックの典型的なスタイルというものを教えてくれる点ですね。 === A Good Niebuhr Policy The realists, so-called, are back in Washington. by Matthew Continetti 07/13/2009, Volume 014, Issue 40 (中略) Realism" in foreign policy has purportedly returned to power after 16 long years in exile. Oba

    ネオコンの「リアリスト退治法」 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2009/07/17
    "ネオコンの対リアリストの主張典型例。現状概論→問題点の認識→実際例を次々と提示→アメリカの理想と利益を確認→相手を罵倒。はじめは冷静だが、最後に感情論的なところを持って来て矛盾点を指摘してダメ押し。"
  • ヴィクター・チャの提案 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はよく晴れまして、湿気はないのですがかなり気温が上がっており、半袖でないとちょっと過ごしにくいくらい暑かったです。 そういえば夏至が近いので日がやたらと長くなってきました。これを書き込んでいる今は夜の十時ちょっと前なんですが、まだ外がうっすらと明るいです。 昨日は私の住む場所、つまりロンドンを東京とすると、西に特急で30分の八王子のような所とは正反対の、ロンドンから東に特急で三十分ほどの、いわば柏のような所に住む日人の知り合いの人の家に泊まってきました。 途中でロンドンを通るので(リバプールストリート駅からイーストアングリア線に乗る)、半年前とどれだけ様子が変わったのか見てこようと思ったのですが、考えてみたら土曜日だったので人数が少なく、活気がないのはあたりまえ。 まあ明日またロンドンに行きますの町中の様子を写真にとってこようと思ってますが、それにしてもあまり景気は良さ

    ヴィクター・チャの提案 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2009/06/15
    "「とりあえずの合理的な選択として非合理的な選択をし続ける」という歴史によくあるパターンとその例(北朝鮮の核への対応)。コープランドはプロスペクト理論で説明。失うことのほうが恐怖が大きい心理学の理論。"
  • ロバート・カプランの「地政学論」 | 地政学を英国で学んだ

    あのロバート・カプランが、とうとうリアリズムと地政学の重要性について書いてくれました。これは個人的にはとても嬉しい論文です(笑 タイトルはずばり「地理の復讐」です。 ==== The Revenge of Geography By Robert D. Kaplan May/June 2009 People and ideas influence events, but geography largely determines them, now more than ever. To understand the coming struggles, it’s time to dust off the Victorian thinkers who knew the physical world best. A journalist who has covered the ends of the

    ロバート・カプランの「地政学論」 | 地政学を英国で学んだ
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    SavingThrow 2009/04/21
    "ロバート・カプランがリアリズムと地政学の重要性について書いた。タイトルはずばり「地理の復讐」です。"
  • 地政学を英国で学ぶ : ルパート・スミスの「横綱論」:その1

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は気温こそ低めでしたがキレイな秋空を眺めることができました。 昨日のエントリーでユダヤ人ネタを触れたついでに、以下のようなネタも紹介しておきます。 アダム・サンドラーの有名な「ハヌカ・ソング」ですね。元々はライブの音源であるものにアニメを重ねたものです。 もちろんハヌカとはユダヤ教徒がクリスマスのあたりに祝う8日間続く祭りです。サンドラーはクリスマスソングのようなものがハヌカにはないので作ってみたと言っております(笑)北米で私の年代の人間だったら誰でも知ってる有名な歌です。 アメリカの芸能人にユダヤ系が多いことをパロディにした歌ですが、もちろんサンドラー自身もユダヤ人。アメリカでは自分の民族だったらジョークのネタにしてもよいという不文律があります。 それにしても「サタデーナイトライブ」からは当に多くのスターが生ま

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    SavingThrow 2008/10/17
    摩擦は人によって発生→カオスな状況を自ら生み出して相手を巻き込み、敵に先に摩擦を起こさせ機能不全にして相対的に有利に。効果は主観的だが効率は客観的に計測可能→トップはある程度の非効率は受け入れるべき。
  • 地政学を英国で学ぶ : Jカーブ:中国の場合

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部はまたキレイに晴れました。気温も上がって冬から秋に少しだけ戻った感じです。 それにしても株の暴落が止まらないですね。 1929年の時はウォール街でもビルから飛び降りる自殺者が続出したとかありましたが、アメリカ国内でもさっそく色々なやばいニュースが出てきてます。 ただしこのブログを見ている方々はみなさん最強の運を持っているばかりだと思うので(笑)このような「一時的」な現象に自分の身を合わせることなく、むしろこんな時代に生まれてこういう経験をできることをワクワクしながら過ごされるものと信じております。 === そういえば一つ書き忘れていたことがあります。 「横綱」の人はどんな困難(と思えるようなこと)が来ても「困らず」に、「これは学んでいるだ」と考える、ということを以前書きましたが、彼らは困難が発生した時に「学んでいる

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    SavingThrow 2008/10/10
    横綱の人はどんな困難(と思えること)が来ても困らずに、「これは学んでいる」「これは将来のネタになる!」と考えるので、かなり冷静に客観的に見つめたり、適切な対処をして、良い解決法も考えられるらしい。
  • 地政学を英国で学ぶ : シーパワーの効用

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は久々に曇りだけの一日。なんともイギリスらしいのですが、それでもそれほど気温は下がりませんでした。 さて、論文を書く合間に色々とグルジア問題を追いかけているのですが、まず気になったことだけポイントフォームで列記してみます。 1、BTCパイプラインの再開:BPはクルドゲリラと見られる組織に爆破されて停止していたトルコ側への原油の送油を開始したそうです。意外と早かったですね。ところがトビリシから先に伸びるバクー=スプサはまだ止まったまま。 2、「NATOは迷惑」論が台頭:これはリアリスト的な議論が強まっていることと関連してますが、サーカシビリの判断のあやまりを指摘する論調が多くなってきたおかげもあり、NATOはとりあえず東欧だけで満足せよという議論が(ネオコン側からも)けっこう出てきております。 けっこう多いのが、「E

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    SavingThrow 2008/08/26
    シーパワー(船)は(空軍と比較して)より目立ち、速度が遅く派遣決定から到着までに時間がかかるため、その間にいろいろ外交交渉ができる。なのでエアパワーよりも外交的なツールとして有効。
  • 地政学を英国で学ぶ : ポチを捨てないロシアの便秘戦略

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部はまたしてもスッキリとした晴れ間が見え、とても過ごしやすい一日でした。 オバマの相方となる副大統領候補がジョー・バイデンに決定しましたが、オバマはこんな人を選んじゃっていいのか少し不安になりました。 バイデンはたしかに重鎮で外交畑の人ですが、けっこう失言が多いんですよね。それとこの人はCFRのゲルブ元代表と一緒に悪名高い「イラク三分割案」を提唱したりしてます。それに彼はイラクも認可しましたし、コソボなんかはイケイケ状態でした。 興味深いのはバイデンとオバマが今回のグルジアの経済支援のために、追加予算として10億ドルの補正予算を組め!と提唱していることでしょうか。このことを考えてみても、次の大統領の政権でもグルジア紛争は続くことがわかります。 さて、グルジア紛争でロシア軍の撤退が始まっているような雰囲気の報道も出てお

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    SavingThrow 2008/08/25
    ロシア軍の「ゴリからは撤退したがポチは渡さない」から見えてくる地政学/戦略学の法則:チョークポイントは押さえろ、ただしそれらの全てではなく、最小限の数だけでよく、全部押さえる必要はない。マハンの理論。
  • 地政学を英国で学ぶ : ロシアの大勝利?

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は曇りがちで、時々にわか雨と太陽の光が交互に訪れるというイギリスらしい天候でした。 さて、論文で忙しいはずなのですが、またまたグルジア紛争ネタをひとつ。 今回の紛争が勃発してから早くも十日ほど経過したわけですが、新たに色々な動きや識者の意見が出てまいりました。それを以下に簡単にまとめておきます。 1、ロシアの大勝利 これは特に軍事/戦略系の意見なんですが、今回のロシアのグルジア侵攻は、ロシアにとって素晴らしい成功だったという見方が大半を占めております。 その大きな原因の一つはロシアが「統合作戦」を完璧と言えるほどしっかりこなしていたからですね。 まずグルジアが南オセチアやアブハジアに侵攻してくると、それに対してパウエルドクトリン並みの「大量投入で一気に制圧」を行います。その数、なんと兵士が一万人前後、戦車が150台

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    SavingThrow 2008/08/20
    新たに色々な動きや識者の意見の簡単なまとめ
  • 地政学を英国で学ぶ : マハンよりもコーベット

    SavingThrow
    SavingThrow 2008/06/19
    戦略論は時代の影響を全く受けない。戦略を応用する場面では技術の発展に影響をうけるが、単なる手段であって「どう使うか」というところが戦略のミソ。防御を考慮しているコーベットのほうが宇宙に適用しやすい。