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  • グリーン車の効能 - レジデント初期研修用資料

    公平であることは大切だけれど、サービスを販売する側と受ける側とでは、「公平」の感覚は大きく異なってくる。 恐らくは「えこひいきせよ。その代わり屈するのではなく恩に着せろ」という立ち位置が、サービス業や、人間関係を円滑に回していく上での落とし所になってくる。横車を押す誰かに対して、グリーン車に相当する選択肢を用意することで、不快の機会を遠ざけることができるのだと思う。 岩手県議のこと 外来での待ち時間に憤った岩手県議のblog が閉鎖された。過去ログを掘れば掘るほど燃料が出てくる日記だったから、鎮火の手段としてはこれで正しいのだろうけれど、まだまだ燃えそうな気配は続く。 待ち時間が長いのは事実なのだろうけれど、自分たち病院の側から見ると、日記に書かれた県議の振る舞いは、炎上に見あった理不尽さに思える。逆に言うとこの人は、県議員という偉い立場の人なのに、どうして病院側に「俺を優遇せよ」と命じな

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    SavingThrow 2013/06/13
    "閉店間際のラーメン屋で「ステーキ作れよ。料理人だろ」と言う人に、「ステーキはありません」と突っぱねればトラブルになる。「ステーキできます。1万円」とすると、理不尽に対するある種の抑止が期待できる。"
  • 議論を尽くすのは難しい - レジデント初期研修用資料

    意見の対立を解決するための手段として、合議というやりかたはどこか危うい。 意見の対立があったところで、リーダーに対立した誰かが「じゃあ私は別の場所に行きます」といえる状況ならばまだしも、外の環境から閉じた場所で発生した意見の対立は、合議によらない、むしろなるべく理不尽なやりかたで解決することを心がけないといけないのだと思う。 合議は難しい インターネットで寄付を募ることで立ち上げられた地方紙である「大槌みらい新聞」が、3万5000円をきっかけに瓦解しかけている という記事を読んだ。 リンク先では、メンバーの意見が対立したきっかけから、最終的に歩み寄る余地のない対立に至った会議のログが閲覧できるけれど、意見の対立を解消するための手段として、合議はそもそも難しいよなと思う。 体育会の昔、会議室ではお互いに正論をぶつけあい、トイレ休憩で各大学の主将がトイレに集い、会議の落とし所は、結局トイレで決

  • 「イマココ !」の効用 - レジデント初期研修用資料

    何かの事件2ちゃんねるで盛り上がると書き込みが増えて、同じ話題でいくつもの板が作られる。 新しい板がたったときには、たいてい最初にまとめがあって、事象の始まり、悪化していく現状、予測される最悪の状況などが箇条書きにされ、「<- イマココ ! 」という書き込みで現在の場所が示される。 箇条書きに取り上げる文言は任意のものだから、ああいう書きかただって歪みから自由になることはないにせよ、「イマココ!」 というまとめかたをされた説明は話の見通しがよくなって、読む人を冷静にさせる効果があるように思う。 メルトダウンの昔 原発事故の発生直後、炉心内部の水位や温度、測定された放射線の量こそ報道されていたけれど、「結局それはどういうことなのか」という概略を理解するには、原発というシステムは複雑に過ぎた。 マスメディアの人たちは「メルトダウン」の有無を報道の重点に置いていたのか、東電の人たちが何かを発表

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    SavingThrow 2013/05/26
    "特定の単語をメルクマールとして0/1で取り上げるやりかたは理解が遠のく。大きなものさしの中の場所として(現在)どのあたりに存在しているものなのかイメージを提示。暫定でも理解判断できるから安心できる。"
  • 報告には行動目標が必要 - レジデント初期研修用資料

    業務における報告は、個人的には簡潔であるほど好ましい。話しかたこそ丁寧なのに、題に相当する内容がなかなか始まらない報告は、できることならやめてほしいなと思う。 簡潔な報告には行動目標が含まれている 何かのプレゼンテーションを行うときには、それを聞いた相手がどうなってほしいのか、あらかじめ目標を立てておかないといけない。目標なしにスライドを飾っても面白いプレゼンテーションにはならないし、なによりもそうしたプレゼンテーションは、聞いた人に満足が生まれない。 業務におけるちょっとした報告もまた、それを聞いた相手にどうなってほしいのか、行動目標みたいなものを頭に置いて行うと、簡潔で分かりやすい報告を行うことができる。 報告を行なって、相手に判断させたいのか、それとも病棟に来てほしいのか、あるいは書類にサインをさせたいのか、行動目標のある報告は、前半の2割ぐらいを聞いた時点で、自分なりに何をすれば

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    SavingThrow 2013/05/23
    ”行動目標が設定されていない報告は、相手の話が8割ぐらい終わってもなお、それを聞いた自分が何をすればいいのかが見えてこない。= 聞きづらい、わかりにくい” 「要するに俺に何をしてほしいの?」
  • 罵倒の運用について - レジデント初期研修用資料

    罵倒のようなやりかたにも使いかたがある。誰かを罵倒することで、その人の背中を強力に後押しするような効果を期待することもあるし、同じ罵倒のやりかたであっても、誰かを徹底的に否定してみせることで、その人から抵抗の意思を奪い去るような効果が期待できることもある。 海兵隊の教官は新兵を罵倒する 海兵隊訓練教官の罵倒を集めた記事を読んだ。 テレビ番組でときどき紹介される海兵隊の訓練風景は恐ろしいけれど、文章として罵倒の言葉だけを取り出すと、訓練教官をやっている人は、罵倒であっても相当に言葉を選んでいるのだろうなと思う。 訓練教官の罵倒は、読んでいて面白い。新兵に対して、何か「できなかった」ことを叱るのではなく、新兵ごとに到達点を仮想して、「やらなかった」ことを叱る。同じ「できない」を表現するにしても、結果を叱れば「お前は無能だ」というメッセージを送ることになる。できたはずの到達点を仮想して、そこに到

  • 言葉の排除が共感を近づける - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 言葉の排除が共感を近づける 人を bot にする道具 新型旅客機の特番を見た 待合室の経済 名門再起の物語 言葉の伝わりやすさについて 人格否定の使いかた 団体競技としての刑事尋問 御札はどうして売れるのか トラブル対策としての選択枝 Recent Comments 待合室の経済 04/04 foo 言葉の伝わりやすさについて 03/31 Luddite 03/27 medtoolz 03/23 30ryo 人格否定の使いかた 03/23 Anonymous 03/19 で 03/15 通りすがり トラブル対策としての選択枝 03/20 orhopedics 03/15 通りすがり 03/13 medtoolz Recent Trackbacks 0から1を作った経験 01/13 As a Futurist... 制約を身につける 01/11 ルールがあるから

    SavingThrow
    SavingThrow 2013/04/12
    "共感してほしい人は、問題解決ではなく、頭の中にある漠然とした何かを、構造を持った具体的な何かに変換したい。具体化に言葉は自由過ぎる。それらを遠ざけたコミュニケーションのほうが共感は近づくのだと思う。"
  • 名付けの効果について - レジデント初期研修用資料

    医局でたまたま、免疫について話題になった。 漠然と「抵抗力」のような意味あいで使う免疫という言葉は、医療従事者も「ある」という前提で違和感なく会話をするのに、「免疫力」みたいなものをきちんと測定できるようなパラメーターが存在しない。免疫グロブリンの量を測定することはもちろん可能だけれど、それはあくまでも特殊な蛋白質の量であって、いわゆる的な「免疫力」とは少し違う。 ないものには商売の種がある 「免疫力を向上させる」と自称するオカルトグッズはたくさん販売されているし、実際よく売れている。効果を検証して反論しようにも、そもそもどんなパラメーターで「免疫力」を代表させればいいのか、グッズを売る人と反論を試みる人との間で見解が共通することはありえないだろうから、難しい。 誰もが「ある」と思っているのに測定できない何かを探し出せば、それを商売の種にすることが出来る。あるいは当然測定できると認識されて

  • 0から1を作った経験 - レジデント初期研修用資料

    たとえば爆弾テロの事例がニュースで報じられれば、たいていの人はたぶん、それを「ひどい事件だな」と思う。テロリストの側に与する人が同じニュースを聞けば、もしかしたら「よくやった」と思うかもしれない。ニュースに対してどんな態度をとるにせよ、ニュースというものはほとんどの人にとっては消費の対象であって、それを経験として蓄積できる人は少ない。 同じニュースを聞いても、見聞した事例を通じて自分の経験値を高める人もいる。爆弾テロの事例ならば、爆弾を自分で作り、爆薬の威力というものを知っている人がそれであって、こういう人がニュースを見ると、「なるほどそういう仕掛けかたもできるのか」と、爆弾の仕掛け方がより凶悪になってみたりする。 どんな分野であれ、ゼロから何かを生み出す経験をした人は、あとは事例を見るほどに、自身の経験が増していく。 経験には2種類ある 100年続くチームを引き継ぎ、体育会のキャプテンと

  • 分割すると遠くにいける - レジデント初期研修用資料

    ひとかたまりになった大きすぎる問題を解決するためには、膨大な意志量が必要になる。同じ問題を扱いやすい大きさに小分けすることができるのならば、同じ成果に到達するために必要な意思の量は少なくて済む。 問題を機械的に分割するやりかたは、画期的でもなければ根的でもない、場当たり的で部分的な解決手法にすぎないけれど、暫定的なやりかたはたいていの場合、根的なそれよりも役に立つ。 分割は意思を外部化する 強い意志の力で大きな問題を克服できる人は素晴らしいけれど、それを真似できる人は多くない。 たとえばお金を使いすぎてしまう人なら、給料を目的別に小分けしておくと、お金を使い過ぎる可能性が少しだけ減る。一升瓶をすぐに開けてしまう人ならば、買ったお酒を1日分ごとに小分けしておくと、飲みすぎる可能性が少し減る。問題の大きさを意思で克服する必要があるときには、問題を物理的に小さくすると、必要な意志量を減らすこ

    SavingThrow
    SavingThrow 2013/02/04
    ”コンサルタントの仕事の半分は、当事者が「見えない」と思っている問題に対して同規模の他の事例を引いてみせ、典型的なクリア計画とリソース配分とを示すこと。「私の問題はどんな過去に似ているのでしょう?」”
  • 制約を身につける - レジデント初期研修用資料

    「ここまでは得意ですが、ここから先はできません」という制約を持つ人が得意分野に熟達すると、その人は専門家と呼ばれるようになる。 「得意不得意こそありますが、私は基的になんでもやります」という人が全方向に頑張ると、その人は「熟達した使い走り」になってしまう。 制約は知恵を引き出す たとえば300文字程度の考えを文章化しようと思ったときに、Twitter はいい道具になる。簡単なサービスだからすぐに書けるし、つながった誰かの反応をもらうこともできる。何よりもTwiter には「140文字しか書けない」という制約があって、アイデアを文章化するときには、こうした制約が役に立つ。 アイデアを文章化するのに必要なのが300字なら、Twitter ではそれを2回に分けて書く必要がある。ベタ打ちしたアイデアを途中できるのはみっともないから、思いついた何かは必然的に、140字で語れるだけの大きさに分割され

    SavingThrow
    SavingThrow 2013/02/04
    "「ここまではできる。ベストを尽くす。そのかわりここから先はできない」という制約を自ら明示することで、お互いの関係が経験として積み上がる。" 制約を明示するほうが無制限貢献より高く評価できる・される心理。
  • 不明と対峙するときに必要な道具 - レジデント初期研修用資料

    既知の何かをより上手に解決してみせるのに必要なのは「経験」で、未知の何かを手探りでどうにかするのに必要なのは「道具」なのだと思う。 出版したについて。 そのシマウマには毒がある 「蹄の音を聞いたらシマウマではなく馬を想起せよ」という古い格言があるけれど、格言のとおりに普段の仕事を回すためには、責任の引き受け手が必要になる。 それが馬でもシマウマでも、無害な草動物として振る舞ってくれるのならば、まずは馬を想定して問題にあたってしまえば、大抵の場合最小限の労力で問題は解決してくれる。 ところが蹄の音がよく似ているくせに模様が違う「シマウマ」がごく少数混じっている状況で、シマウマの見逃しが観察者に致命的なダメージを及ぼす状況においては、蹄の音を聞いた人は、まずまっさきに「それがシマウマでないこと」を確認することになる。 問題を解決するときに、挑戦者としてそれに当たる場合と、責任者としてそれに

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    SavingThrow 2013/01/02
    ”正常系を狙いつつ異常系をカバーするプランはカバー範囲が膨大な「万能武器」になってしまう。ベテランはアソビを入れつつ特化した武器をいくつも持つ。責任者の判断プロセスの律速段階、検証工程を短縮する。”
  • 有償の選択枝は待合室の空気を和らげる - レジデント初期研修用資料

    メニューがひとつしかない堂で、隣にならんだ声が大きなお客さんだけが特別扱いを受けていたら、だれだって嫌な気分になる。人によってはもしかしたら、次は自分も大きな声を出す側に回って、特別扱いを受けようなんて決意する。 たいていの堂には複数のメニューがあって、お客さんはべたいものにお金を支払う。声を上げなくてもお金を支払えば商品は出てくるし、待たされることに文句をいうお客さんこそ減らないけれど、いいメニューを手に入れるために大声を出す人はいなくなる。 平等の空気は張り詰める 病院の待合室では、「診察が遅い」というクレームが毎日のように押し寄せる。 自分の順番が来る前に、たくさんの人が並んでいるのはみんな分かっているのだろうけれど、重症感のある患者さんが先に診察室に入ったり、あるいは予約外来の患者さんは回転がスムーズだったりして、待っている人がそうした状況から公平を感覚するのは難しい。 今の

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    SavingThrow 2013/01/02
    良い待遇はえこひいきや大きな声ではなくてお金を対価で得るものとなると、クレームは減るのではないか。「それをお金で買いますか?」での利点と有償化への懸念をひっくり返したような着眼点。
  • http://medt00lz.s59.xrea.com/alcohol/alcohol.pdf

    SavingThrow
    SavingThrow 2013/01/02
    medtoolzさんの
  • 硬い頭も役に立つ - レジデント初期研修用資料

    「それでは番組にならない」という側面はきっとあるにせよ、患者さんの情報を小出しにしつつ、研修医の人たちに病名を考えさせるクイズのようなやりかたは、あれが教育の正解にはなってほしくない。 クイズに正解できる医師は、豊富な知識と柔軟な思考を持つことになるのだろうから、そうした医師を育てることは決して間違っていないであろうにせよ、病院が目指すべき方向は、ああいうクイズ番組それ自体が番組として成立しないような、患者さんの問題と、問題に対する対処とを、各病院が「型」や「パターン」として持つことなのだろうと思う。 病棟にあってスタジオに存在しないもの クイズの回答に失敗するのは恥ずかしいことかもしれないけれど、少なくともそれで誰かから訴えられたり、病院での仕事を続けられなくなってしまったり、といった事態にはなりにくい。 ゲームとしてのクイズは柔軟な思考を鍛えてくれるかもしれないけれど、病棟業務における

    SavingThrow
    SavingThrow 2013/01/01
    "重責任環境で何とかやっていくために。無数の問題を無理矢理に類型化したうえで少なくともこれだけやれば「問題に対処した」と言えるようなチェックリストを用意しておくことで、責任から少しだけ自由になれる。"
  • 押す販促と引き上げる販促 - レジデント初期研修用資料

    ふだんから、興味に任せていろんなを買う。部屋の壁はすべて棚になって久しいし、考えてみれば小学生の昔から、実家の壁は棚だった。 を読むのは楽しいことだし、棚を背表紙で埋めることもまた、ある種の到達感が得られて、いい気分になれる。こうして得られたいい気分が、じゃあどんな意味を持ち、その意味を追った先にはどんな人達が到達しているのか、個人的にはそういうことを知りたいなと思う。 出版社にはまだまだ売れるものがある 「このを買った人はこんなも読んでいます」みたいな販促手段はAmazon の専売特許のようなもので、最近のサジェストは正確で、似たようなを複数購入する機会は増えた。が売れることそれ自体は、Amazon にとっても出版社にとってもメリットが大きな事だろうけれど、出版社にはたぶん、まだまだ売れるものがある。 どんな形であれ、を買って読んだ人には購買の履歴が残る。今までは単に

  • 購買のソーシャル化 - レジデント初期研修用資料

    Kindle は線を引いたりページを折ったりといったことができないから、今はもっぱら漫画ばかりを買っているのだけれど、クリックひとつでもう購買が終了するこのやりかたは、お財布の底が抜けそうで怖くなる。 電子書籍を売る側の人たちは、もちろん読者にはもっとを買ってほしいのだろうから、電子書籍の購買は、そのうちゲームみたいになるのだろうと思う。 ソーシャル化の未来 そのうちたぶん、タブレット端末からKindle のアプリを立ち上げると、画面にはまず真っ先に「お友達の〇〇さんがこのを買いました!!」というアナウンスがプッシュされるようになる。Amazon で自分が何かのを買えば、当然その内容も他のユーザーに配信され、Amazon のサイトを眺めれば、ユーザーの興味に応じたランキングリストが用意され、自分がその中でどれぐらいの順位にあるのか、あるいはの購買を通じて得ることができた「称号」を閲

    SavingThrow
    SavingThrow 2012/12/18
    "ルールのない購買の世界では、あらゆる興味にランクや称号を設け、お金を出せば誰もが一位になれる。それに価値を見出す人は今後伸びる余地が無限にあって、見出さない人の総数は今がピークでこれから減っていく。"
  • 歩き出す技術について - レジデント初期研修用資料

    広告: 「内科診療ヒントブック」の改訂版が11月下旬に発売されることになりました。病棟業務に携わる方々に役に立つものになったのではないかと思います。手にとっていただければ幸いです。以下文。 大きな問題と対峙した新人は、頭のいい抜け道を探そうと試みる。同じ状況でベテランは、ただまっすぐ歩き出す。 どこか遠くに行こうと思ったら、空を飛ぶ修行をはじめるよりも、歩いたほうがたいてい速い。あたりまえのことなのだけれど、歩いていける距離を飛ぶために、歩かずに修行をはじめる人はけっこう多い。 分割すると遠くにいける 単行の文字数はだいたい10万字で、大抵の人にはたぶん、この目標は遠くに思える。ところがTwitter の界隈を見渡せば、140文字のつぶやきを1000回以上重ねている人はそれほど珍しくない。 盛り上がったおしゃべりを30分間行なって、それをテキストデータにベタ打ちすると、たしか新書1冊ぐ

  • ゼロクリックの情報デザイン - レジデント初期研修用資料

    クリックをするまでもなく、否応もなく目に飛び込んでくる生活の風景や、あるいは何かのアプリケーションを立ち上げた際に最初に目にする画面のデザインをシンプルにすると、物事の見通しが良くなったりする効果が得られる。 シンプルなデザインを達成するために不必要なものを削ることは大切だけれど、削ることに熱心になりすぎてしまうと、もしかしたらデザインそれ自体が放棄されてしまう。シンプルなデザインはゴールであって、それが道徳になってしまうと、たいていろくでもないことになる。 棚は判断の基礎になる 物を捨てることの効能を説く人が増えたけれど、ごちゃごちゃしたものにあふれた部屋から「ごちゃごちゃ」を取り去ってしまうと、思考がかえって滞ってしまう人もいるのではないかと思う。 発想というものは、何もない風景から新しい何かを生み出すこともあるのだろうけれど、たぶん大部分の発想と呼ばれるものは、むしろ否応もなく目に

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    SavingThrow 2012/11/23
    "世界中のデザイナーが知恵を絞った結果、時間泥棒的なコンテンツを一等席に、画面は見通しが良い割にごちゃごちゃと文字や写真が並び、ユーザーの記入欄は辺境に置かれたデザインに修練した。電子カルテの入力欄。"
  • ずるい技術について - レジデント初期研修用資料

    広告: 2010年に出版させていただいた「内科診療ヒントブック」の改訂版が、11月下旬に発売されることになりました。病棟業務に携わる方々に役に立つものになったのではないかと思います。手にとっていただければ幸いです。以下文。 最高の努力を投じることで最高の成果にたどり着くのは素晴らしいことだけれど、最高の努力を投じるのは大変で、大抵の人はもしかしたら、最高の努力を避けられるものならそうしたい。 プレゼンテーションのこと プレゼンテーションの解説書は、型にはまったやりかたを目指すのではなく、聴衆のことを考えたときに一番分かりやすいやりかたを考案しなさいと説く。あるいは文字だけ並べて装飾したような陳腐なスライドではなく、図版を駆使した見応えのあるスライドを作りましょうとも。 最高のプレゼンテーションに定型はなく、大事なのはお手の模倣ではなく心構えなのだ、という論は正しいのだけれど、たとえば締

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    SavingThrow 2012/11/14
    再現性、可搬性。第二次世界大戦で、金型ダイキャストで部品製造した第二次大戦の時の米軍のような発想(日本は職人技で手作りや砂型)
  • 制約が楽しさを作り出す - レジデント初期研修用資料

    面白さというものは、「上手な制約の押し付け」が生み出すものなのだと思う。 ユーザーに行なってもらうのは「作業」だけれど、単純作業にルールや制約をかぶせることで、作業をした当人は、それを「判断」とか「学習」、あるいは「成果」だと錯覚する。それが「面白さ」の正体なのだと思う。 戦車の模型とジオラマの関係 小学生の大昔、戦車の模型を組み立てて、ジオラマというものを自分でも作ってみたくて、模型を前に途方に暮れた。子供なりに、模型をどれだけ一生懸命作ったところで、それはよくできた模型ではあっても、その先にジオラマは見えなかった。 田宮模型の出版物だと記憶しているのだけれど、ジオラマの作りかたを探しているうちに、「板に紙粘土を敷き、そこに戦車の模型を置いたら、それはもうジオラマなんです」という文章が目に飛び込んで、あれで前に進めた気がした。板に紙粘土を盛って、そうして作った真っ白な「地面」に模型を置い

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    SavingThrow 2012/10/19
    "日能研ノート。「学ぶとは、教科書や講義を通じて空欄を埋める営みだ」と定義すると、上位層は制約を不満に思うかもしれないけれど、一定以上の成果に到達できる生徒の数は、むしろ増えるのではないかと思う。"