◇京急2100形、新1000形 ファ、ソ、ラ、シ…音階刻む機器更新で 東京と三浦半島を結ぶ京急電鉄沿線で98年から10年以上鳴り響いていた不思議な音が間もなく、聞こえなくなる。発車時に「ファ、ソ、ラ、シ、ド、レ、ミ……」と音階を刻む通称「歌う電車」の車両改造工事が進み、近く姿を消すからだ。沿線の名物になり、全国的な知名度を誇っていただけに、同社には惜しむ声が数多く寄せられている。【倉岡一樹】 「出発進行!」。運転士の小気味いい声に応じるように音階を刻みながらスピードを上げていくのは、98年に登場した2100形と02年から営業を開始した新1000形の1、2次車の車両。音はいずれもモーターを制御するシーメンス社(ドイツ)製のインバーター装置から発生する。 「実はその音階、元は騒音なんですよ」。そう話すのはシーメンス・ジャパン・レールシステムズの庄司不二雄さん(60)。インバーターの起動音はうな