レクチンプローブrBC2LCNを用いて、ヒトiPS細胞を生きたまま可視化し、効率よく検出 rBC2LCNがHタイプ3とよばれるO型糖鎖に結合することを発見 移植用細胞から腫瘍を引き起こす残存ヒトiPS細胞を除去する、安全な再生医療技術への応用にも期待 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)幹細胞工学研究センター【研究センター長 浅島 誠】器官発生研究チーム 伊藤 弓弦 研究チーム長、小沼 泰子 主任研究員、糖鎖レクチン工学研究チーム 平林 淳 研究チーム長、舘野 浩章 主任研究員は、和光純薬工業株式会社【代表取締役社長 小畠 伸三】試薬事業部 試薬開発本部 ライフサイエンス研究所(以下「和光純薬工業」という)と共同で、培養液に添加するだけでヒトiPS細胞(以下「iPS細胞」という)を生きたまま可視化できるiPS細胞高感度検出レクチンプローブrBC2L
横浜市立大学(横浜市大)は、SUELレクチンドメインを有す魚卵レクチンが、悪性リンパ腫の一種であるバーキットリンパ腫の細胞膜に存在するグロボトリオース糖鎖と結合すると、がん細胞が抗がん剤を排出させる時に働く多剤耐性トランスポーターMRP1の遺伝子発現が抑制され、通常の1/10の低濃度の抗がん剤で細胞死が起きることを見出したと発表した。 同成果は同大客員研究員で現長崎国際大学薬学部 専任助教の藤井佑樹博士と大学院生命ナノシステム科学研究教授で元文科省学術調査官 大関泰裕氏(糖鎖生物学)、東北薬科大学分子生体膜研究所助教 菅原栄紀博士、同 仁田一雄所長、同大 高柳元明 学長(医学博士・内科学)、パシフィックノースウェスト糖尿病研究所部長で米国アカデミー会員の箱守仙一郎博士(糖鎖腫瘍学)、および横浜市大 教授 安光英太郎氏(分子生物学)、同准教授ロバート・カナリー氏(環境毒性学)らによるもので、
Home Series Disease and Glycoscience Infections disease and Glycomicrobiology A型インフルエンザウイルスと糖鎖:ウイルスレクチンの特性 Nov. 10, 2011 A型インフルエンザウイルスと糖鎖:ウイルスレクチンの特性(2011 Vol.15, A4) 新矢 恭子 / 鈴木 泰博 はじめに 病原体由来の外来性レクチンと、内在性レクチン インフルエンザウイルスと生体のシアロ糖鎖 インフルエンザウイルスHAの糖鎖認識における生物学的意義 おわりに 謝辞 氏名:新矢 恭子 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座人獣共通感染症学分野 准教授 鳥取大学農学部獣医学科卒業。山口大学大学院連合獣医学研究科博士課程修了。獣医学博士。2004年より東北大学医学系研究科助手。2005年より鳥取大学農学部助教授。2007年より現
レクチンとは糖鎖を認識する分子の総称ですが、レクチンには動物の体内で発生し、分化や生体恒常性維持のために機能する内在性レクチンと、細菌、ウィルスや植物に由来する外来性のレクチンがあります。 インフルエンザウィルスはウィルス粒子の構造タンパク質として、粒子の表面にHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)という糖タンパク質を有します。どちらの分子も動物細胞上に発現しているN−アセチルノイラミン酸(シアル酸)が付加された糖鎖を認識し、結合することが知られている外来性レクチンの1つです。 インフルエンザウィルスは宿主内に侵入し、局所で増殖します。この時に大量の子孫が生産され、インフルエンザウィルス由来のレクチンであるHAとNAが発現します。 生体内の内在性レクチンとインフルエンザウィルスなどの外来性レクチンの糖鎖結合様式を比較すると、インフルエンザウィルスを含め外来の病原体レクチンは非常に
東京大学は、ジャガイモやトマトなど重要作物に大きな被害を与える数多くの植物ウイルスに対する抵抗性遺伝子「JAX1」を発見したと発表した。研究は東京大学大学院農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻の難波成任教授や同・山次康幸助教らの研究グループによるもので、成果は「The Plant Cell」(オンライン版)に2月4日に掲載された。 植物は病原体による感染から逃れるため、さまざまな抵抗性遺伝子を自身のゲノムに用意しているが、その多くは野生植物が持っている。ヒトが口にする作物は改良されているため、味や品質が良かったり、収量が高かったり、見た目が良かったりするが、その代わりに病気に弱いという欠点があるわけだ。 ヒトは農耕を始めて以来、病気に強い作物品種を創り出すために、野生植物の持つ抵抗性遺伝子を交配によって導入してきた。現在、ヒトが日常生活で口にする農作物の中にはウイルスや菌類やバクテリアな
iPS細胞はヒトの受精卵を使用するES細胞と異なり、皮膚や血液など自己の体細胞から調整できる多能性の幹細胞であるため、再生医療や創薬開発への期待が高い。 しかし、一般にiPS細胞を調整する際には癌遺伝子を用いる事が多いことから、癌化の問題が不可避となっています。一方、糖鎖は「細胞の顔」として発生段階や環境の変化によって著しく変化し、癌化との関連も深くiPS細胞など幹細胞の未分化性の維持と糖鎖構造には関係があると予想されています。しかし、それを解析するための具体的手法が無く、iPS細胞を含む幹細胞の糖鎖解析は今までほとんどなされていませんでした。 今回、独立行政法人産業技術総合研究の研究チームは糖鎖プロファイリング技術により、初期化遺伝子の導入によってiPS細胞が作成される際に全遺伝子の発現パターンが「リプログラミング」されるだけでなく、iPS細胞表面の糖鎖構造も同時に「リプログラミング」さ
科学, ウイルスミシガン大学医学部の研究グループ。内科と生化学の講座ですねえ。JBC論文A Lectin Isolated from Bananas Is a Potent Inhibitor of HIV Replication ? JBC Faculty of 1000でもrecommendされてます。Faculty of 1000 Biology | A lectin isolated from bananas is a potent inhibitor of HIV replication. 本題に入る前にHIVの感染メカニズムについておさらい。免疫不全症候群の原因たるHIVが標的とするのは免疫に重要なCD4陽性T細胞、CD4という蛋白質を表面に発現しているT細胞です。CD4陽性T細胞は司令塔みたいなもんでB細胞やキラーT細胞が実働部隊。HIVはgp120というタンパク質でこのCD
糖タンパク質の糖鎖の部分を形作る単糖の種類は、タンパク質を形作るアミノ酸の種類が20種類と決まっている様に、現在10種類ほどあります。 しかし、約10種類の単糖同士の結合パターンにはいくつもの多様性があり、形作られる糖鎖の種類は膨大で、さらにDNAやタンパク質はヌクレオチドやアミノ酸が一つながりにつながった1本鎖でしかないのと異なり、糖鎖は途中から分岐する特徴があります。このため、糖鎖の形はさらに多様性に富む事になります。 糖鎖の種類の多様性はそれだけ体内での必要性があり、多くの生命現象に糖鎖つまり糖タンパク質が関与している事を意味します。そして、体内にはこの様な糖鎖を認識し結合するレクチンというタンパク質が存在しています。従って、糖タンパク質の糖鎖の存在が大きな意味をもつ細胞と細胞とのコミュニケーションにおいては、特に「糖タンパク質の糖鎖と、それを認識するレクチン」という構図が必ずといっ
投与により持久力が高まるとして各種競技で使用が禁じられているドーピング薬物「エリスロポエチン(EPO)」について、日本分析センターアンチ・ドーピング研究所(東京)が、従来3日程度かかっていた分析期間を1日に短縮する技術を確立したことが11日、分かった。構造を微妙に変えたEPOのコピー品についても検知可能という。ドイツ・ケルンで来週開かれるドーピングの国際学会で発表する。 EPOは酸素を運ぶ赤血球の産生を促進するホルモン。医薬品として貧血治療などに使われるが、赤血球の増加で筋肉への酸素供給量が高まるため、持久力を高める効果もあることで知られている。 世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスで1998年に多数の選手の使用が発覚して問題になった。国際オリンピック委員会(IOC)は90年にEPOを禁止物質リストに加えており、2002年のソルトレークシティー冬季五輪では3人が金メダルを剥
Structural basis for oligosaccharide recognition of misfolded glycoproteins by OS-9 in ER-associated degradation. Tadashi Satoh, Yang Chen, Dan Hu, Shinya Hanashima, Kazuo Yamamoto, Yoshiki Yamaguchi Molecular Cell, 40, 905-916 (2010) 要 約 OS-9は小胞体関連分解にかかわるレクチンであり,小胞体で特定の糖鎖構造を目印としてフォールディングに失敗した異常糖タンパク質と結合しユビキチン-プロテアソーム系へと導く.今回,筆者らは,世界にさきがけてOS-9の糖鎖認識ドメインと異常型の糖鎖との複合体の結晶構造を2.10Å分解能で解明することに成功した.解析の結果,異
ポイント 異常型の糖鎖を特異的に認識するWWモチーフを初めて発見 レクチンOS-9がWWモチーフを介して異常型の糖鎖を見分ける 異常タンパク質の分解にかかわるタンパク質群の構造生物学の推進を容易に 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、細胞の小胞体内で糖鎖を目印にして異常な糖タンパク質※1を捕まえるレクチン※2、OS-9※3の立体構造を、X線結晶構造解析と核磁気共鳴(NMR)解析で初めて解明し、マンノース※4残基が切り取られた異常型の糖鎖を選択的に認識する仕組みを明らかにしました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)糖鎖構造生物学研究チームの山口芳樹チームリーダー、佐藤匡史研究員らと東京大学の山本一夫教授らとの共同研究による成果です。 細胞小器官の1つで、タンパク質の合成工場である小胞体では、タンパク質が正しく機能するための立体構造を持つように折り畳む(フォールディング)な
出願番号 : 特許出願2008-52667 出願日 : 2008年3月3日 公開番号 : 特許公開2009-209072 公開日 : 2009年9月17日 出願人 : 国立大学法人静岡大学 外2名 発明者 : 河岸 洋和 外4名 【課題】特定のN型糖鎖に対して高い特異性を示す新規レクチンを提供する。 【解決手段】本発明のレクチンは、以下の特徴を有するカヤタケ属担子菌、好ましくはハイイロシメジに由来するレクチンである。(1)SDS電気泳動法による分子量が、10,000~30,000であり、(2)N型糖鎖であって、非還元末端にN-アセチルグルコサミンを有する糖鎖に結合する。また、本発明のレクチンの製造方法は、カヤタケ属担子菌から得られた水系媒体抽出物を、イオン交換クロマトグラフィー及び疎水クロマトグラフィーによって精製することを含む。 ekouhou 特許公開・明細書(全文)
マッシュルーム抽出のたんぱく質「レクチン」で虫歯予防を--。岡山大大学院医歯薬学総合研究科の高柴正悟教授(歯周病態学)らの研究グループは21日、レクチンに虫歯の原因となるミュータンス菌が歯に付着するのを防ぐ効果があると発表した。この原理を応用したガムなどの食品開発に期待がかかる。 同研究科の吉田靖弘准教授によると、実験に、6人の被験者のだ液を使った。虫歯の原因は歯の表面をコーティングするだ液に含まれる糖鎖にミュータンス菌など虫歯菌が結合すること。レクチンはキノコ類や海藻などに含まれるたんぱく質で、多くの種類があり、どの種類のレクチンが効果的かを調べるために70種類を用意。 6人のだ液にレクチンを散布し、さらに培養した虫歯菌をまいて反応を調べた。その結果、マッシュルーム抽出のレクチンは、だ液中の糖鎖といち早く結合し、虫歯菌の結合をブロックする働きがあることがわかった。6人全員に効果があったの
ウィルス感染と糖鎖は密接に関連していますが、糖鎖を介したウィルスと宿主の相互作用は大きく分けて2つのタイプがあります。 1つはウィルスのレクチン(糖鎖を認識するタンパク質)が宿主の糖鎖を認識するタイプで、もう1つは宿主のレクチンがウィルスの糖鎖を認識するタイプです。 前者の代表的な例としては、インフルエンザウィルスが宿主細胞表面の糖鎖端末のN-アセチルノイラミン酸(シアル酸)に結合する場合や冬期における食中毒の主要病原体のノロウィルスと宿主の組織・血液型抗原に結合する場合などで多くの例があります。 後者の代表的な例としては、宿主の高マンノース型糖鎖(N結合型糖鎖の1つ)に特異性を示すC-typeレクチンの多くが、エンベロープウィルス(カプシドの外側に外衣をもつウィルス)の高マンノース型糖鎖を介して多くのウィルスと結合する場合です。 理由は明確にはなっていませんが、ウィルスの分類系統に係わら
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