3年半以上前に 「変てこな写真コレクション」 という記事を書いて、その筆頭に某蕎麦屋の看板を載せた。 「そば」 ではなく、「そむ」 と書いてある。「馬鹿だなあ、あれは 『そば』 と読むんだよ」 と言われるかもしれないが、これでは決して 「そば」 とは読まない。「そば」 と読むためには、下のような字でなければならない。(これもちょっと 「む」 と紛らわしい字体になってしまってはいるが) 最後の字は、決して 「む」 という字ではない。「者」 という字を崩した変体仮名なのである。明治以後でこそ、平仮名は 「一音一字」 の原則になったが、その前は平仮名は何百文字もあった。例えば今の 「あ」 という字は 「安」 を崩してできているが、昔はその他に 「阿」 「惡」 「愛」 などの漢字を崩して 「あ」 と読ませていた。 ちなみに真ん中の 「そ」 と読ませる字は 「楚」 という漢字を崩した字である。そして