■伊坂幸太郎(イサカ・コウタロウ) 1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。03年、長篇小説『重力ピエロ』がベストセラーになり、一躍、人気作家に。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞を、「死神の精度」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。06年には『陽気なギャングが地球を回す』の映画化作品が公開される。仙台在住。 ──今日は、『砂漠』にまつわるキーワードについてお聞きしたいのですが、ま ず、主人公は「大学生」ですね。 伊坂さん ぼくにとっての青春時代というと大学生なんです。高校生はまだ親の管理下にあるけれど、大学生は親からある程度は独立して、しかも生意気。そんなイメージがあって、大学生を主人公にした青春小説を書いてみたかったんです。 正直、学生時代の話だったら、いくらでも書けると