第72回日本血液学会学術集会が9月24日から26日までの3日間、横浜市内で開催される。大きく変わりつつある血液癌治療の最前線の研究結果が報告される。会長を務める日本医科大学血液内科教授の檀和夫氏に最近のトレンドをうかがった。 ── 血液癌における最近のトピックスはなんでしょうか。 檀 血液の癌には多くの種類がありますが、その発症メカニズムの解明は、固形癌に比べて進んでいると言えます。 例えば癌幹細胞は、さまざまな領域の癌でその存在が指摘されていますが、血液の領域では白血病幹細胞の研究が最も進んでおり、幹細胞がどこに潜んでいるのか、特性はどういったものなのか、正常の造血幹細胞とどこが違うのかといった探求が急速に進んでいます。 血液の癌は、一般的に固形癌に比べると治癒する率は高いのですが、それでも急性白血病の寛解治癒率は4割ぐらいです。残りの6割は再発を繰り返して亡くなってしまいます。治療によ
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