菅直人首相(64)が中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止をブチ上げた。東京電力福島第1原発事故で国民の不安が広がる中、「菅降ろし」を仕掛ける勢力が原発事故対応への批判を強めていただけに、世論に指導力をアピールし、延命を図る「保身」も透けて見える。ただ、根回しをした形跡はなく、反原発が全国に波及する可能性も。電力不足で大規模停電が起きたり、経済が失速すれば結果責任を問われるのは確実で、まさに危険な賭けにでたといえる。 「この地域は30年以内にマグニチュード8規模の東海地震が発生する可能性は87%と極めて高い」 「国民の安全と安心を考えた。浜岡原発で重大な事故が発生した場合、日本社会全体に及ぶ重大な影響を考慮した」 菅首相は6日夜に首相官邸で行った記者会見でこう語り、“浜岡原発の危険性”と“自らの決断”をことさら強調した。 政府は稼働中の4、5号機を停止させ、定期点検中