新井素子が自分自身の結婚をめぐるドタバタをネタに書いた恋愛コメディ『結婚物語』は、1986年に角川文庫から上中下の3巻本で刊行。人気SF作家のまさかの実録小説として、発表当時、センセーションを巻き起こした。 沢口靖子が新井素子を----じゃなくて、新井素子をモデルにした女性作家・陽子を演じ、旦那のほうを陣内孝則が演じた全7回のテレビドラマ版(日本テレビ系「土曜グランド劇場」1987年2月14日〜3月28日)も話題を集め、続編の『新婚物語』も、同一枠・同一キャストでドラマ化されている(1988年10月8日〜1989年1月28日)。 〈Web小説中公〉の連載をまとめた新作長編『銀婚式物語』では、2010年3月に銀婚式を迎えた新井素子夫妻の結婚生活を下敷きに、『新婚物語』"その後"の陽子・正彦夫妻が赤裸々に描かれる。家を建てるドタバタや、夫婦で囲碁を楽しむ日々など、愉快なエピソードばかりではなく