老舗の音響機器メーカー、オンキヨーが苦境から抜け出せずにいる。 当初の予定より2週間遅れで5月25日に発表された同社の2017年度業績は、最終損益が約34億円の赤字(前期は約7億円の赤字)。最終赤字を計上するのは5期連続となり、稼いだ利益の積立額である利益剰余金は103億円のマイナスだ。このペースでは、数年のうちに債務超過に陥る可能性がある。創業から70年超の老舗メーカーに、いったい何が起こっているのか。 「前々からうわさはあったが、ニュースを見て初めてギブソンの破たんを知った」。オンキヨー関係者は驚きを隠せない様子でこう語る。5月、名門ギターメーカーの米ギブソン・ブランズが米連邦破産法11条を申し立て、経営破たんしたのだ。その余波が、オンキヨーの大幅な業績悪化の一因となっている。 ギブソン破綻の打撃は小さくなかった オンキヨーは、同業のティアックとともに2012年からギブソンと資本・業務