球児の成長見守る 女性監督は“分身” 高校球児の青春ドラマを、最新の野球理論とともに描き出すひぐちアサさんの『おおきく振りかぶって』(講談社、3巻〜)が評判だ。女性の視点で野球マンガに新風を吹き込む“21世紀のドカベン”の魅力を本人への直球インタビューで探ってみた。(佐藤 憲一記者) 小学生のとき夢中になった「ドカベン」の影響で、中高生時代、ソフトボール部に所属したひぐちさん。野球をプレーする機会の少ない女性がこの分野に挑むのは珍しいが、「本当は野球をしたかった悔しさを今マンガにぶつけています」。 舞台は、硬式野球部が発足した県立高。抜群の制球力を持ちながら気弱で卑屈な投手・三橋を、頭脳派の捕手・阿部ら1年生ナインが励まし、結束を強めていく――。 構想を抱いたのは高校生だった17年前、地元埼玉の公立高が甲子園で活躍し、「ミーハー的にあこがれた」のがきっかけ。以来、念願だった野球マンガを3作