南米原産で巨大なネズミの仲間「ヌートリア」による農作物被害が、少なくとも中部以西の10府県で確認され、兵庫など9府県の50を超える自治体が、外来生物法に基づく防除計画を策定したことが28日、環境省や農林水産省のまとめで分かった。ヌートリアは、イネや野菜をエサに季節を問わず繁殖。特に兵庫県は全国の被害額の3分の1を占め、捕獲費用の半額補助制度を設けるなど対応に躍起になっているが、“ネズミ算式”の増加に頭を痛めている。 ヌートリアは、戦時中に防寒用の毛皮をとるため国内で頻繁に飼育されていたが、戦後は需要が急減し、しだいに野生化したという。 農水省によると、農産物被害額は平成13年度は7100万円だったが、20年度は1億2400万円に増加し、最も被害が大きい兵庫県では約4300万円を占めている。ここ数年の被害は、兵庫をはじめ岐阜や大阪、鳥取など10府県に及んでいるという。 兵庫県によると、県内の