トゲアリトゲナシトゲハムシという昆虫がよくネタにされていますが、どうしてこのような命名がされたのでしょうか? どうして発見した時に普通のトゲハムシではないと判断することが出来たのでしょうか? 「トゲアリトゲナシトゲハムシ」という和名の昆虫はおりませんが、「トゲナシトゲハムシ」あるいは「トゲナシトゲトゲ」の和名は使われてきました。 このグループは、鞘翅(甲虫)目ハムシ科のトゲハムシ亜科に属しています。トゲハムシ亜科は、学名もHispinaeで、体にトゲがある特徴に基づいていますが、このトゲハムシの中には、体にトゲのないグループがおり、特に亜熱帯/熱帯圏からは非常に沢山の種が知られております。 トゲハムシ類は、日本には14種が分布していますが、それらのうち体にトゲのない種が外来種で定着しているもの1種を含めて4種が知られています。トゲハムシ亜科の種は、トゲの有無で外見上は非常に異なる印象を受け
前の記事 「人間不要」に近づく自動車:各メーカーの取り組み 「鳥は量子もつれで磁場を見る」:数学モデルで検証 2011年2月 3日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Lisa Grossman ヨーロッパコマドリ Image: Ernst Vikne/Flickr 鳥類は、地球の磁場を「見る」ために量子力学を利用しているらしい――この問題を研究している物理学者チームによると、ヨーロッパコマドリはその視覚細胞において、量子もつれの状態を、最も優れた実験室でのシステムより20マイクロ秒も長く維持している可能性が考えられるという。 鳥類に限らず、一部の哺乳類や魚類、爬虫類、さらには甲殻類や[ゴキブリなどの]昆虫(日本語版記事)も含む多くの生物は、地球の磁場の方向を感知して移動の手がかりとしている。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の
国連は2011年を国際森林年とした。その根拠は極めて明確だ。国連のポータルサイトトップページのスライド写真が示すとおり、森林は世界の陸地の31%を占めており、そのうち36%は生物的に豊かな原生林(老成林とも呼ばれる)である。 生態学的に、森林の重要さはよく知られている。陸地の生物種の80%は森林に住んでいる。さらに2009年には二酸化炭素排出量の最大18%を熱帯林が吸収してくれていることがわかり、森林保護の重要性はますます高まっている。1つの森が破壊されれば、その地域だけではなく世界的にも影響が出る。 国際森林年キャンペーンの目的は「持続可能な管理と保全や、あらゆる森林の持続可能な開発への意識を高めること」である。 そして、このキャンペーンを支える国連やその他の組織にとっての課題は、見栄えのよいウェブサイトを作ったり衝撃の統計結果を持ち出したりすることではなく、人々と森林保護を意義ある直接
「倫理的理由やその他の理由があるにせよ、遺伝子組み換え作物栽培に反対する動きは、もはや容認すべきではありません」英国政府最高科学顧問ジョン・べディントン博士は警告する。彼の主張によると、世界は今、破滅的な状況に向かっており、今後20~30年で大々的な食料不足と世情不安が起こるかもしれない。この警告は北アフリカでの食料暴動が起こり、食料価格高騰に対する世界的な懸念が高まる中、発せられたものだ。 「数々の重要な要因によって世界が変わりつつあります」と人口生物学の専門家であるベディントン博士は述べる。「世界人口は毎月600万人ずつ増加しており、2050年には90億人に上るでしょう。また2030年には人口の60%以上が都市で暮らすようになり、作物栽培や畜産業には携わっていないでしょう。それに加えて人々はより裕福になりつつあり、更に多くの食料にお金を払うことをいといません」 ベディントン博士が言うに
今月13~14日に横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議。この場で議題となる環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加検討を菅首相が表明すると、農業セクターへの影響を懸念した反対の声が相次ぎ、国内は混乱を極めている。1年以上前から日本のTPP入りを支持し、かつて日本・メキシコ経済連携協定(EPA)交渉にも深く関わった、慶應義塾大学総合政策学部・渡邊頼純教授に、このTPP参加の是非を巡る議論のポイントとなる、農業と自由化についてインタビューした。 ――まず、TPPへの参加について、なぜ農業が問題と見なされるのでしょうか。 渡邊頼純教授(以下渡邊教授): TPPは「質の高いFTA」を目指しており、TPPの基礎となったP4と呼ばれるシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリでは100%に近い関税撤廃率を誇っています。TPPでは、貿易の自由化について原則例外を設けな
「日本がTPPに参加しようがしまいが、きちんと食べていけるような仕組みを作るのが農業経営者の仕事です」。 神奈川県藤沢市で養豚業を営む宮治勇輔さん(32歳)は、きっぱりとこう言い切った。 宮治さんが育てている豚は、「みやじ豚」という名称で、インターネットで販売している他、東京・神奈川を中心としたレストランで食べられる。みやじ豚は、肉質がきめ細かく、柔らかい。最大の特徴である脂は、クリーミーだが焼き上げると独特の風味が楽しめる。 いまだやまない農業関係者の反対の声 菅首相が、昨年10月に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加検討を表明してから、各方面で参加への賛否が割れ、国内の混迷は深まるばかりだ。 特に、農業関係者の反対の声の大きさについては、いまだ報道がやまない。農水省は当初、日本がTPPに参加した場合、「農業生産額が4兆円に半減」「実質GDP8兆円減」「340万人雇用減」「自給
アグロエコロジー・ブログ ネットで調べてか勤務先に直接電話をされる方がいますが、ブログは公務と一切関係ありません。本当に迷惑です。連絡は[email protected]へ 近代産業農法は、土地、水、資源の利用性と重なる環境やエコロジー的な危機のインパクトによって、もはや世界を養うことができない。 硬直した警告は、食料の権利の新たな国連特別報告者に、この6月に指名されて以来、ヒラル・エルヴェル(Hilal Elver)教授の最初の公開演説からのものだ。 「世界飢餓の根本的な原因に対処しない食料政策は失敗せざるをえるでしょう」とアムステルダムでの詰め込まれた聴衆に彼女は伝えた。 農村の小規模農民をエンパワーする「農業の民主主義」へのトランジションを支援するよう政府に呼びかける前に、10億人がグローバルに飢えていると彼女は宣言した。 農業は新たな方向性、アグロエコロジーを必要としている 「20
農家を農業収入の割合で分類した農水省統計によると、農家総数253万戸のうち、農産物をほとんど出荷しない自給的農家が3分の1の90万戸にのぼる。副業的農家(88万戸)、準主業農家(39万戸)と合わせれば、農家の約86%が「農業収入を主たる収入にしていない農家」だ。神門善久・明治学院大学教授(農政学・経済学)が指摘する。 「小規模農家の大半は給与所得などで生活しつつ、農地がショッピングセンターなどに化けないかと転売を期待しながら片手間で農業をやっている。厳しい言い方をすれば偽装農家です」 水田(コメ、麦)を耕作する農家全体の平均農業所得は年間わずか35万円しかない。しかし、「零細農家は生活が大変だろう」と思うのは大間違いだ。副業的農家の平均年間所得は792万円で、米作主業農家の664万円より豊かなのである。 「インチキ農家」は他にもいる。農水省は、年間農産物販売金額が15万円以下の場合は、農地
時代の変化から、女性のライフスタイルだけでなく、ワークスタイルにも新たな流れが生まれています。どのような仕事をするかはもとより、自分の人生の中で仕事をどう位置づけて、どんな働き方をするかも大切なこと。山形新幹線「つばさ」の車内販売員(アテンダント)として働くかたわら、自身の体験を元にした講演活動もこなしている茂木久美子さんにお話をうかがいました。 車内販売のカリスマ 山形新幹線「つばさ」の車内販売員を務める茂木久美子さんは、群を抜く売上高が注目され、たびたび「車内販売のカリスマ」としてテレビや新聞でも取り上げられるようになりました。東京ー山形の1往復における1人あたりの平均売上は、10〜12万円のなか、茂木さんは3年前に1往復半で50万円を達成しました。しかし、入社直後からこんなに売ることができたわけではなく、その陰には独自の工夫と努力があったといいます。 商機を増やす、スピードアップの秘
新幹線のワゴン販売――路線が同じなら営業時間も商品も大差はない。が、平均の倍近い売り上げを達成するカリスマ売り子がいる。 山形新幹線で車内販売を行なうNRE日本レストランエンタプライズの茂木久美子さん(31)の成績は、全販売員1300人の中でトップを誇る。1日50万円を売り上げた記録も持つという。茂木さんからナンバーワン営業マンとしての2つのテクニックを教えてもらった。 ●敬語不要の方言を使う 制服は変わらずとも茂木さんの接客は、一目でそれとわかる。例えばコーヒーを売るとき――。「あったけぇのとつったいの、どっちぃ?」 温かいのと冷たいのとどちらがいいですか、という定番フレーズも、山形弁を用いれば温かみが滲みでる。「会社のマニュアルには標準語の決まりはない。ならば、と自然な訛りを活かすように意識しました。方言だと敬語もきっちりとしておらず、お客様とより身近になれますしね」――自分らしさを活
元モーニング娘。の久住小春さん(18)がアイドルから「農家」へ転身しようとしている。最近は無農薬野菜作りの勉強に熱中し、現在は農家から畑を借り、完全無農薬の「究極野菜」を作ろうとしている。 久住さんは1992年新潟県生まれの18歳。2005年、12歳のころにモーニング娘。のオーディションに応募してデビュー。しかし、09年12月に当時まだ17歳にも関わらず突如モーニング娘。及びハロープロジェクトから「卒業」してしまった。 頭痛・貧血に悩まされたモーニング娘。時代 その後は「おはスタ」(テレビ東京)にレギュラー出演しているくらいで、これといった芸能活動はほぼなくなっていた。 そうした中で、初のエッセイ本『17歳の転職』(ワニブックス)が2011年2月10日に発売される。それによると、久住さんは現在農業を志しているのだという。 モーニング娘。時代、ソロでも活動していたため、メンバーの中でも特に忙
「萌えプリン」。 北海道発!”萌えプリン”西又葵オリジナル美少女イラスト ミルキーゴールド【超濃厚なめらかプリン】 - SEIKADO|青華堂オンラインショップ 最初見たときは「なんでも『萌え』ってつけて、西又葵の絵をつけりゃいいってもんじゃねえぞ!」とツッコミを入れたものです。 ところが話を聞くと、これがものすごくおいしいらしい。 む、しまった。偏見の目で見てしまった。単なる萌えパッケージアイテムではなく、ちゃんとしたおみやげなのね。 美少女パッケージ商品のはしはおそらくこれでしょう。 JAうご あきたこまち 美少女イラストパッケージ | イラスト 西又葵 西又葵さん仕事しまくりです。 以前から日本中、「なんとなくアニメの影響を受けたキャラクターが、ご当地のマスコットになったりお土産についていたりするのを発見するのが面白い」という流れはありました。たとえば1997年旧大和町(現佐賀市)の
誰が呼んだか“食品安全の生き証人”。85才の増尾清さんに付けられたこの異名は、食品安全にかかわってきた40年の歴史を物語っている。食品問題研究家の増尾さんは、このほど『もう、体に毒は溜めない』(ワニブックス 1260円)を出版した。 「わが家は妻も83才。夫婦の長生きが、私たちが実践してきたことが正しかった証明でもあります。やってきたことはいたってシンプル。大雑把だけれども、長く続けることが大事なのです」 そんな増尾さんが心がけているのは、とにかくバランスよく食べること。それにはルールがあるという。長寿の増尾家で食べている食事を紹介してもらった。 朝は、パン食で、必ず食べるのがヨーグルト。昼は、麺類。夜だけは伝統的な日本食を作る。これはご飯とみそ汁、お漬物がまずワンセットで、主菜は肉か魚か卵のうちのどれか。副菜はファイトケミカル野菜と呼ばれる、枝豆、カリフラワー、かぼちゃ、きのこなどを。そ
大分県は3日午前、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された大分市宮尾の養鶏農場で飼育の採卵鶏約8100羽の殺処分を終了した。今冬、養鶏場での感染が確認されたのは計5県で11例目。 県によると、2日午後2時20分ごろ、農場から大分家畜保健衛生所に報告があり、死んだ鶏6羽を含む計11羽を簡易検査し一部が陽性となったため、さらに詳細検査、9羽で高病原性鳥インフルエンザの感染を確認した。県は同日深夜、飼育する約8100羽を殺処分を始めた。 隣の宮崎県では7例、鹿児島県では1例が確認されており、鳥インフルエンザの被害は九州だけで3県に拡大した。 農林水産省は、松木謙公政務官を大分市に派遣することを決めている。 この農場では日ごろから1日に数羽程度は死ぬが、2日は数が多かったため連絡したという。県は農場から半径10キロ圏内で移動制限区域を設ける。11農場の約32万羽が対象となる。主要道路などへの消毒ポ
ニンジンとハクサイ平年比高で推移 野菜小売価格 農水省は1月24日〜28日の野菜小売価格の調査結果を2月1日、発表した。 昨年10月18日からこれまで8品目で調査していたが、前週から1月10日の週時点で平年比高だったハクサイ、ニンジン、トマトの3品目を調査対象とした。 なかでもニンジンとハクサイは調査以降平年比を下回ることなく推移してきた。3品目のなかでニンジンが平年比118%ともっとも高いが、昨年秋頃に比べ安くなっている。
牛乳乳製品の消費者向け普及事業を廃止 Jミルクの23年度事業計画 日本酪農乳業協会(Jミルク)は平成23年度の事業計画策定にの考え方について1月28日の理事会で確認した。 23年度の事業計画は6月の通常総会での承認後、決定する。 事業計画を策定するにあたり▽Jミルクの「使命」をわかりやすく定義、▽使命に基づいて具体化した事業ごとの「目的」を設定、▽目的の達成具合を検証できる「目標」の設定―の3点を重視していく。 今回の主要論点のひとつは牛乳乳製品の普及事業だ。 これまで行ってきた一般消費者への直接的な普及運動を廃止し、今後は業界関係者や消費に強い影響を与える人たちへの情報提供と、学校給食を対象とする活動に転換するとした。 あわせてこれまで働きかけてきた「牛乳の日」、「牛乳月間」についても一般消費者から牛乳消費に影響を与える人や会員への認知拡大に向けた情報提供に転換する。 23年度は必要な
第40回日本農業賞、第7回食の架け橋賞の受賞者決定 3月12日に表彰式 NHK、JA全中などが主催する第40回日本農業賞と同賞特別部門・第7回食の架け橋賞の今年度受賞者が決まった。大賞と特別賞の表彰式は、3月12日15時から東京・渋谷のNHKホールで行う(その他の受賞者は各都道府県で表彰式を行う)。 日本農業賞は農業経営・技術の改革・発展に取り組み、地域社会発展に貢献している個人・集団を表彰するもの。今年は個人102件、集団96件の応募があり、それぞれ大賞3件ずつ、特別賞1件ずつと優秀賞全5件を決めた。 個人の大賞は、特別栽培米「永井農場の米」を販売するなど中山間地で6次産業を推進している永井忠氏((株)永井農場会長)のほか、富山県の戸田俊昭氏(林中部営農組合代表理事)、吉田良一・美恵子氏の3人。 集団の大賞は、前沢牛の生産販売や肥育農家の後継者育成にも力を入れているJA岩手ふるさと肉牛部
【ハイポネックス ジャパン】 肥料と土壌改良のW効果が魅力 ハイポネックス ジャパン 【ハイポネックス ジャパン】「ハイポネックス 野菜の有機肥料」 ハイポネックス ジャパンの「ハイポネックス 野菜の有機肥料」は、土壌中の有用微生物を活性化する天然有機物由来の有機肥料だ。野菜の液肥、アンプルなどと並ぶ同社の野菜専用商品シリーズの一つ。肥料と土壌改良のW効果が特徴だ。 豊富なアミノ酸、ミネラル、糖質が土壌を活性化し健康な根の生育を促進する。バランス良い速効・緩効性成分があり、肥料効果も長く、1〜2カ月間持続する。 土に混ぜ込む元肥としても、土にばらまく追肥としても使用できる。花にも効果が高い。 トップ 農政・農協ニュース アグリビジネス 新製品 統計 JA広報誌便り 特集 クローズアップ 農政&フードビジネス 提言 イベント man・人・woman シリーズ 農業協同組合研究会 人事速報
国内有数のカキ産地として知られる奈良県五條市西吉野町。堀内農園の6代目となる俊孝(38歳)は、紀伊半島の山間地域で近代的な農業を目指し法人化の準備を始めている。栽培品目をどう展開したらいいのか。消費者との関係をどうやって構築すればいいのか。風光明媚な里山で、試行錯誤を続ける中で可能性を探している。 撮影/矢島江里 取材・文/芹澤比呂也 吉野山の桜と西吉野の柿 紀伊半島に点在する霊地を結ぶ聖なる参詣道として、熊野古道が世界遺産に登録されたのは、今から7年前のことだった。それ以来、北へと延びる霊場の終着点に位置する吉野山は、桜の名所として賑わいを増し、毎年5月になると山桜の景色を求めて全国から観光客が押し寄せてくるようになった。 世界遺産登録エリアの吉野山から西へ抜け、30分ほど車を走らせると、突然カキの木で埋め尽くされた山々が視界に飛び込んでくる。紀伊半島の中央部に位置する西吉野町である。こ
【編集長インタビュー】 リンゴのピンクレディーに学ぶ 農産物の知的財産権管理 (有)安曇野ファミリー農産代表取締役 企業組合日本ピンクレディー協会代表理事 中村隆宣 第78回 2011年02月01日 この記事をPDFで読む あらゆるモノの生産・流通がグローバル化していく現代において、農産物においてもその知的財産権を適切に管理し、各国の関係者が利益を共有する仕組みを作ることは急務である。そんな中、(有)安曇野ファミリー農産の中村隆宣代表取締役は、オーストラリアで育種されたリンゴ「ピンクレディー」の生産を通して、世界の産地と新たな関係を築き、日本農業のあり方に一石を投じている。「クラブ制のリンゴ作り」とも呼ばれる生産・販売システムについて、日本ピンクレディー協会の代表理事でもある中村氏に話を聞いた。 米国研修で農業の可能性に開眼自由な発想で自分らしい農業を 昆吉則(本誌編集長) 中村さんはオー
井波希野さん(kino café・山梨県北杜市白州町) 畑=農園なのにカフェ? 南アルプスの名峰甲斐駒ヶ岳を間近に望み、尾白川の恵みを受ける山梨県北杜市白洲町。井波希野(いなみ・きの)さん(30)は、小学生の時に移り住み育ったこの地で、7年前に1反5畝の土地を借りて新規就農した。 「ほかとは違う、今までにない場所と思ってほしかったから、カフェとつけました」と、井波さんは「キノカフェ」の名前の由来を語る。畑にどんどん来てほしいし、畑でお茶を飲むのも良い。いずれはカフェも開きたいと思っている。1.5haの畑で農薬や化学肥料を使わずに年間60種類以上の野菜と小麦を育て、宅配、レストラン、道の駅などで販売。「女子ひとりでもできる農業」を実践しつつ、農業以外の生き甲斐も追う、多忙な日々を送っている。 スイスでの研修で就農を決意 高校を卒業して進学した恵泉女学園短大園芸生活学科(当時)では、午後は農業
川田慶さん(秋田県大館市 有限会社アグリ川田 代表取締役) 秋田県北部に位置する大館市。この地で大規模水田農業経営を実践する(有)アグリ川田は、第59回全国農業コンクール全国大会で名誉賞とクボタ賞を受賞した。代表取締役の川田慶さん(53歳)は、「工夫と言っても、自分がやっているのは、みんなが考えるようなことですよ」と控えめに語るが、戦略的な農業を展開し、地域を先導する役割を担っている。 工場管理手法を農業に活用する 川田さんは、専業農家の3代目。少年時代から機械いじりが好きで、工業高校進学をひそかに望みつつも、長男の使命で農業系の高校へ進み、卒業後は愛知県の花き栽培農家のもとで2年間、住み込みで研修を受けた。昭和54年に帰郷し、就農。ところが翌昭和55年が記録的な冷夏となり、苦しい時代が数年続いた。 思うような収益を上げることができなかった花き栽培をやめ、稲作の傍ら、川田さんは農閑期には建
農作業事故死は、なぜ、どうして起きるのか 三廻部 眞己 悲惨な農作業事故死が毎日のように起きています。そこで、事故防止対策に必要な技術情報(ノウハウ)と、他産業労働者並みに事故補償を確保し、農業経営の持続的発展に不可欠な労災保険制度のポイント等を3回に分けて説明します。 悲惨な農作業事故死の現状と問題点 農業は建設業よりも危険な業種であることが、図1のとおり浮きぼりになってきました。 図1 農作業事故死と他産業労災事故死、交通事故死、建設業事故死の年次別推移 資料) 農林水産省農業生産支援課「農作業事故調査」、厚生労働省安全課「労働災害発生状況」、警視庁資料「交通事故統計」をもとに作成した。 注) 数字は実数、( )内は昭和46年を100とした指数。平成21年の農作業事故死の調査結果はまだ発表されておりません。 (図表出典 :三廻部眞己「農業労災の予防と補償制度」東京農業大学出版会) 農
2009年09月10日掲載 【昆虫を扱う職業: 地方農試からの手紙】 前略 昆虫学を専攻している学生諸君の中には、専門性を生かせる就職先の選択肢の一つとして地方農試(都道府県立の農業関係の試験研究機関)を考えている人も多いことでしょう。私は20年以上地方農試で害虫の研究に従事し、現在は研究を総括する立場です。地方農試における昆虫関係の仕事の現状について私の経験を交えて書いています。この手紙が昆虫の研究を志す諸君が就職先を選択する際に参考になれば幸いです。 草々 地方農試での仕事に必要なもの 一に体力 仕事の大部分はフィールドワークです。だから、みんな日焼けしています。場内ほ場だけでなく、現地に行って農家ほ場を借りて試験することも多く、夏でも一日中野外調査が出来る体力が必要です。私は28歳の時試験場に転勤して来て3ヶ月で5kg痩せました(現在は+○○kgですが....)。現地調査中に熱射病に
2010年12月13日掲載 【兵隊を持つ寄生蜂】 兵隊カーストは防衛に専念するように特殊化した階級で、アリやシロアリなど社会性昆虫でよく知られていますが、「多胚性寄生蜂」といって、1つの卵から多数の成虫を発達させる寄生蜂のなかにも兵隊カーストを持つものが明らかになっています。今回は、「多胚性寄生蜂」が同じ寄主に侵入してきた別の寄生蜂に対して、兵隊カーストを増員して攻撃し、多数の仲間を守る現象を紹介します。 はじめに 兵隊カーストはコロニーのなかで防衛に専念するように特殊化した階級です。アリやシロアリなど社会性昆虫で古くから知られていますが、社会性のアブラムシやアザミウマ、さらには寄生蜂のなかにも兵隊を持つものが知られるようになっています。寄生蜂とは他の昆虫に寄生してその体内で栄養を搾取して発育をおこなうハチのことで、寄生者(パラサイト)という点では人や動物の寄生虫と同じです。けれども寄生蜂
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