現地からのレポート・福島県―世界に類なき放射能汚染 この人災をどう克服するか 福島大学経済経営学類准教授・小山良太 原子力災害が地域社会・経済・産業に与える影響について、その全体像は未だに解明されていない。チェルノブイリ事故と異なり、人口密集地域における放射能汚染であり、現在も居住・生活・営農を続けながら復旧・復興をするという世界に類を見ない事故となっている。 すべての農地を対象に汚染マップの作成を ◆体系立てた放射能汚染検査の確立 原発事故から10カ月が経過したが、放射能汚染問題は収束のめどが立たない。国は除染プロジェクトを推進するとしているが、そもそも全農地の放射能汚染状況を調査していない。放射能汚染マップなしに計画的な除染は進まないし、復興計画も立てられない。現地は塩漬けのまま放置される結果となる。稲わら、肉用牛の問題など次々に汚染状況が表面化する。 これに対応して、米だけは調査地