タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (32)

  • 日本産業社会の「神話」 - 池田信夫 blog

    労働市場を柔軟にすべきだというと、「終身雇用が労働意欲の源泉だ」という類の反論がある。こういう人々は、日のサラリーマンは会社が好きだから遅くまで残業すると思っているのだろうが、書も指摘するようにそれは神話である。日米の企業で社員に質問をすると、答は次のようになる:「この会社をよくするために、いわれたよりよく働く」:日54.3%、米74.3% 「私の価値観はこの会社の価値観とまったく同じだ」:日19.3%、米41.5% 「いま知っていることを入職時に知っていたら、もう一度この会社を選ぶ」:日23.3%、米69.1%このように日のサラリーマンは欧米人よりも会社がきらいで、今の会社に入ったことを後悔している。その原因は、転職によっていやな会社をやめることがむずかしいためと考えられる。こうした調査結果はドーア『日の工場、イギリスの工場』で30年以上前に発見されて以来、定型的事実である。サラ

    ahmok
    ahmok 2010/10/10
    「日本のサラリーマンは欧米人よりも会社がきらいで、今の会社に入ったことを後悔している」「賃金ではなく、「本流ポスト」に残ることをめざして競争する」
  • 日本語は論理的である - 池田信夫 blog

    学校文法では、「文は主語と述語によって成り立つ」と教わる・・・という文には主語がない。こういう場合、学校では「生徒は」という主語が「省略されている」と教わるが、この基準で日語の日常会話を分析すると、90%以上の文で主語は「省略」されている。世界の他の言語をみても同じで、主語が不可欠なのはインド=ヨーロッパ語族の一部に限られる。主語・述語モデルにもとづく生成文法も、「普遍文法」どころか「ヨーロッパ語文法」でしかない。 こうした英語をモデルとする文法に対する批判も古くからあり、時枝文法や三上章など、「日語の論理は英語とは違う」とする議論も多い。書は、学校文法や生成文法を否定する点ではこうした理論と同じだが、「日語特殊論」も批判し、日語も英語も基的には同じ論理の変種だと論じる。著者の理論的根拠とする認知言語学は第2章に要約されているが、くわしいことは著者の前著を読んだほうがいいだろ

    ahmok
    ahmok 2009/07/31
    「象は鼻が長い」は英訳すると、"An elephant has a long trunk."である。「象の鼻」は、"nose"というメタファーに収まらない時点で例文として不適切ではないかと考える
  • 選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか - 池田信夫 blog

    前に紹介した、Caplanの行動経済学を投票行動に応用した研究の訳が出た。経済学の知識をもっている人が読んでも「マスコミ=大衆はバカだな」と思うだけだろうが、次のような命題が正しいと思っている人には読んでほしい:現在の不況や格差の原因は、すべて「小泉・竹中改革」にあるので、その改革をやめれば経済問題は一挙に解決する。 労働者を保護するため整理解雇を全面的に禁止し、すべての契約労働者・派遣労働者を正社員に登用すべきである。 現在の不況は「100年に1度」の非常事態なので、日銀は通貨供給を3倍ぐら...

    ahmok
    ahmok 2009/06/26
    経済学の前提である「経済人」をリアルな存在だと妄想してしまう経済学バイアスから紡ぎだされるステキな記事である
  • 梅田望夫氏の開き直り - 池田信夫 blog

    梅田氏のインタビューが、あちこちで話題になっている。私が一番ひっかかったのは、次の部分だ:ただ、素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わ[れ]ない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。この「残念」な状況を作り出した大きな原因は、はてなである。梅田氏が「バカなコメントが多い」といったように、匿名による悪罵が「上の人」を萎縮させて、日のウェブのレベルを下げているのだ。その結果、アメリカのブログは著名人が既存メディアの枠を超えてリアルタイムで議論する場になり、大手メディアに対抗する存在になりつつあるのに、彼も嘆くように日のブログはますます劣化している。 私は、これは「日文化」だとは思わない。それは戦

    ahmok
    ahmok 2009/06/04
    池田とか知識層はブログのコメントやトラバそしてアゴラ使って議論してればいいさ。どうせ俺は底辺だからブコメや2chで議論してるだけなんだし/ブコメでイライラするなら、2chでは顔とIDを真っ赤にしているだろう
  • 地デジカ対アナロ熊 - 池田信夫 blog

    地デジのキャラクター「地デジカ」は、いろいろいじられたが、そのライバル「アナロ熊」にはテーマソングができ、3DのCGと実写を合成した「プロモーション・ビデオ」まで登場した。こんな高度なCGが、素人の遊びでできるようになったのは驚異だ。 日には連歌や俳諧など、模倣やパロディによって創作する伝統がある。それは農村のタコツボ共同体から「無縁」になった人々が、都市でヨコのつながりを作り出すシステムだった。地デジのような「お上」のメディアより、こうしたノマド的なメディアのほうが、実は日の伝統芸なの...

    ahmok
    ahmok 2009/05/28
    一方、NHKは音声合成技術でニュース原稿を読ませた
  • 日本にも香港を - 池田信夫 blog

    Economist's View経由で知ったが、Paul Romerが「途上国に香港をつくれ」という提案をしているそうだ。 このヒントは中国である。彼らの改革開放政策には、香港の成功が大きな影響を与えている。それは政府の規制が少ないほど経済が発展するという見を身近に見せているからだ。日では「特区」の話が出ては消えるが、ほとんど実施に移されていない。香港のような成功モデルがないので、官僚が「規制をなくしたら大変なことになる」とネガティブな話だけを流布するからだ。 アメリカでは、インディアン保護区は主権国家なのでFCCとは別の電波政策をとっており、UWBなどの実験が行なわれている。民主党のマニフェストでは「地方主権」をうたっているが、気でやるなら(道州などの)地方政府に国家主権を与え、すべての規制を独自に決める権限を与えてはどうだろうか。たとえば不況にあえいでいる北海道が為替レートを

    ahmok
    ahmok 2009/05/24
    北海道に北欧モデル、沖縄に香港モデル、内地・本土を既存モデルで、どこがGDP多くなって、どこが住みやすいか競争したらいい
  • 経済危機と教科書 - 池田信夫 blog

    今回の危機を受けて、経済学の初等教科書は書き換えられるべきだろうか。Mankiwによれば、基的な部分は変わらないが、いくつか修正が必要だという。金融機関の役割:普通の入門書では金融システムはほとんど説明しないが、今回の事件でその重要性がわかった。それはガードマンみたいなもので、うまく機能しているときは誰も気にしないが、機能しないと大変なことになる。 レバレッジの効果:資金を株式で調達するか負債で調達するかは初等教科書ではあまり気にしないが、実務的にはまったく違う。それは平時には資効率を高めるが、有事には危機を拡大する。 金融政策の限界:不況になったら金融を緩和すればいいというのが普通の答だが、名目金利がゼロになったらどうすればいいのかはわからない。非伝統的な金融政策の効果も、まだ不明だ。 予測の失敗:経済学者が今回の危機を予測できなかったことは事実だが、それは多くを望みすぎだろう。医学

    ahmok
    ahmok 2009/05/24
    池田信夫は経済問題の半分しか理解してないのか/「経済問題のうち経済学で理解できるのは半分ぐらいで、そのうち経済政策で解決できるのは半分、つまり経済学は経済問題の1/4ぐらいしか解決できない」
  • 新聞の没落と資本主義の運命 - 池田信夫 blog

    経済危機の打撃をもっとも受けたのは、意外なことに新聞だった、とEconomistは論評している。サンフランシスコからは地方紙が消えるかもしれない。イギリスでは昨年、70の地方紙が消えた。NYタイムズさえ、グーグルに買収されるとかNPOになるとかいう噂が流れている。日でも、朝日新聞社のボーナスは48%減額されたそうだ。 新聞社には気の毒だが、この流れはもう変わらないだろう。価格は限界費用に等しくなるという市場原理はきわめて強力なもので、長期的にこの法則からまぬがれた産業はない。情報の限界費用(複製費用)はゼロなので、その価格がゼロになることは避けられない。ましてウェブのように完全競争に近い世界では、新古典派経済学の教科書に近い結果が短期間で成立し、レントはゼロになってしまう。 これは実は新しいことではない。クラークも指摘するように、産業革命の恩恵をもっとも受けたのは単純労働者であり、資

    ahmok
    ahmok 2009/05/16
    経済学を勉強して良かった。「レント」を忘れてググッたら、すぐにグラフが思い浮かんだ。関係ないけど、知財ってレントだよなって思った。多様性って書籍販売のロングテールだな
  • 「勤勉革命」を超えて - 池田信夫 blog

    この不況で問われているのは、日人の働き方だと思う。日企業が戦後の一時期、成功を収めた一つの原因は、農村共同体が解体したあと、その行動様式を会社に持ち込んでコミュニティを再構築したことにある。その労働倫理の原型は明治期より古く、江戸時代に市場経済が農村に浸透してきたころに始まるといわれる。速水融氏は、これを産業革命(industrial revolution)をもじって勤勉革命(industrious revolution)とよんだ。 イギリスの産業革命では、市場経済によって農村が工業化され、資集約的な産業が発達したのに対して、日では同じころ逆に市場が農村に取り込まれ、品質の高い農産物をつくる労働集約的な農業が発達した。二毛作や棚田のように限られた農地で最大限に収量を上げる技術が発達し、長時間労働が日常化した。そのエネルギーになったのは、農村の中で時間と空間を共有し、家族や同胞のた

    ahmok
    ahmok 2009/05/10
    池田氏は主張がぶれないという部分ではいいな。中間層の悲惨さはホリエモンが指摘してたよな。メキシコでは雇ってくれる人がいなかったから、自分で自分を雇った世界になるだけじゃないかと
  • 雇用の常識 「本当に見えるウソ」 - 池田信夫 blog

    雇用問題ほど、いろいろな神話が一人歩きしている分野はない。書はその実態を具体的なデータで反証する。たとえば 一度も転職しないという「終身雇用」はもともと存在しないが、長期雇用は崩壊していない。転職率はここ20年で1〜2%ポイント増えているが、世界でも極端に低く、雇用の流動化は進んでいない。 大学生が「就職後3年で辞める」傾向は、ここ15年ほど変わっていない。離職率は増えているが、その原因は大学進学率が大幅に上がったこと。 「成果主義賃金」をとっている企業はほとんどない。実態は上司の査定による「能力主義賃金」で、これは中高年の賃下げを行なうため。 年功序列は崩れ始めている。年齢給が減って査定部分が増え、50代で昇給はほとんどなくなる。 「派遣を正社員にしろ」というが、実際にやったら正社員として就職できる人は1/20になる。規制強化は、まったく保護されていないアルバイトを増やすだけ

    ahmok
    ahmok 2009/05/09
    欧米の労働組合は同業種で組織されるが、日本は企業ごとに組織されている/さて有権者に理解させるにはどうしたらいいものか/で、食っていけない人どうするの?
  • 社畜はいかにして生まれたか - 池田信夫 blog

    雇用問題を冷静に考える最大の障害になっているのは「労働者は資家に搾取される弱者で、政府が救済しなければならない」という通念だ。社会主義が崩壊した後も、この固定観念は多くの人々に共有されているが、クラークはこれを経済史の計量的な研究によって否定している。 そもそもプロレタリアートがそれほど悲惨な存在なら、なぜ産業革命の時期に農業を捨てて工場労働者になる人が急増したのだろうか。答は簡単である。プロレタリアートのほうがはるかに所得が高かったからだ。クラークのデータによれば、産業革命後のイギリスで急速な成長による収益のほとんどは、単純労働者に分配された。この理由も簡単だ。労働市場の競争が激しく、労働生産性の上昇に応じて賃金が上がったからだ。限界生産力説の教えるように、労働市場が競争的であれば賃金は労働の限界生産力に等しくなるのだ。 日でも、終身雇用が理想で戦前の労働者はすべてかわいそうな「

    ahmok
    ahmok 2009/05/04
    給料が良ければ、社蓄でも非正規でもどっちでもいいってことじゃないの?
  • 終身雇用という幻想を捨てよ - 池田信夫 blog

    元同僚から送ってもらったNIRAの緊急提言は、よくできている。内容はおおむね経済学者のコンセンサスだが、長期雇用だけを「正規雇用」として転職を悪とみなす労働行政を変えるべきだと明確に提言し、flexicurityの理念を掲げたことは注目に値する。 この表でもわかるように、終身雇用と呼べるような実態は従業員1000人以上の大企業の男性社員に限られており、その労働人口に占める比率は8.8%にすぎない。これは戦後ずっと変わらない事実であり、終身雇用が日の伝統だなどというのは幻想である。しかも次の図のように、この30年間で産業別の成長率は大きく差がついている。全産業で一律に雇用を守ることは不可能であり、労働市場の硬直性が労働生産性を(したがって成長率を)制約している。 図のように生産性格差が大きく開いている現状では、雇用政策は衰退産業から成長産業に労働力を移転する産業政策の役割も果たす。かつ

    ahmok
    ahmok 2009/05/02
    「職を転々と変える池田信夫」という表現がネガティブに取られるうちはダメじゃないかなあ。ポジティブにするのは経済学者の仕事じゃないけどね。なお終身雇用は幻想ってのは大竹文雄で知ったなあ
  • 偽の希望を売り歩く人々 - 池田信夫 blog

    不況についてのはたくさん出ているが、だめなを見分ける方法は簡単だ。他人に「市場原理主義」とか「清算主義」などという無内容なレッテルを貼るは、読まないほうがいい。書は山口二郎氏の主催した北大のシンポジウムの記録だが、「新自由主義」攻撃の大合唱だ(もちろんリンクは張ってない)。 山口氏は一応、政治学者だろう。小泉元首相が「私は新自由主義者です」といったことは一度もないのに、こういうレッテルを一方的に貼って「小泉・竹中の新自由主義が格差を生んだ」などと何の根拠もなく攻撃するのは、学者として恥ずかしくないか。この種のレトリックは「修正主義」とか「極左冒険主義」のように社会主義国で相手を攻撃するために使われたもので、このシンポジウムの一方的なつるし上げもスターリン裁判を思わせる。 雨宮処凜氏や湯浅誠氏の列挙する非正規労働者の悲惨な実態は、その通りなのだろう。しかし「ハケンがかわいそうだ」

    ahmok
    ahmok 2009/04/28
    はてな的にはこうでしょう:http://d.hatena.ne.jp/asin/4000094548 /北海道にいても食えないから、東京でハケンやったりしてるんじゃないかな。だから左巻きな人しか残らない。
  • 希望について - 池田信夫 blog

    19日の記事には驚くほどの反響があり、出版化の話まで来た(さすがに無理なのでお断りしたが)。コメントも150を超え、延々と議論が続いている。2ちゃんねるでもスレが立ったようだが、いつものシニカルな反応が少なく、共感する声が意外に多い。日の閉塞状況の深い部分を、この記事が期せずして突いてしまったのかもしれない。 そのキーワードは「希望」のようだ。救いのない状況に置かれたとき、人は「今ここにないもの」に希望を求める。古代ユダヤ教が故郷をもたないユダヤ人に信じられたのも、ウェーバーが指摘したように「救いは現世ではなく来世にある」という徹底した現世否定的な性格のゆえだった。キリスト教が激しい弾圧に耐えてローマ帝国の貧民に広がり、最終的に国教になったのも、この世の終わりがまもなくやってきて、現世で救われない者ほど来世で救われるという教義のためだった。 近代において社会主義が強い影響力をもつのも

    ahmok
    ahmok 2009/04/25
    ハイエクの「市場」は宝くじを買える自由と大差なくて、「市場」にはユートピアが存在しないと知り、「市場」そのものへの希望がなくなった/なお、新自由主義は宝くじを買うお金さえ奪っていった
  • 希望を捨てる勇気 - 池田信夫 blog

    昨今の経済状況をめぐる議論で、だれもが疑わない前提がある。それはこの不況が、いずれは終わるということだ。日経済にはもっと実力があるので、政府が景気対策で「GDPギャップ」を埋めて時間を稼いでいれば、「全治3年」で3%ぐらいの成長率に戻る――と麻生首相は信じているのかもしれないが、昨年の経済財政白書は次の図のような暗い未来像を描いている: これは秋以降の経済危機の前の予測だから、潜在成長率は1%弱だが、今はマイナスになっている可能性もある。90年代の「失われた10年」と現在はつながっており、そしてこの長期停滞には終わりがないかもしれないのだ。これを打開するには、生産性を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い。日の産業構造が老朽化しており、これを再編しないと衰退する、と多くの人が90年代から警告してきた。20年間できなかったことが、

    ahmok
    ahmok 2009/04/23
    西村博之も「希望を持つから不幸せになる」みたいなこと言ってたなあ/「椅子にしがみついた老人たちは、退場するとともに椅子も持ち去り、将来世代には巨額の政府債務とマイナスの年金給付だけが残る」
  • [高校生の経済学] 経済学の10大原理 - 池田信夫 blog

    おとといの記事には、意外に大きな反響があって驚いた。トレードオフというのは経済学では超基的な概念で、マンキューの入門書の「10大原理」のトップにあがっている:人々はトレードオフに直面している あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である 合理的な人々は限界的な部分で考える 人々はインセンティブに応じて行動する 取引はすべての人を改善することができる 市場は経済行動を組織化するよい方法だ 政府はときどき市場結果を改善することができる 一国の生活水準は財とサービスの生産能力に依存する 政府が紙幣を印刷しすぎると物価が上昇する 社会はインフレーションと失業の間の短期トレードオフに直面している しかし一般には、トレードオフという概念そのものが知られていないらしい。弁護士が依頼人だけを擁護したり、政治家が自分の党派だけが正しいと主張するのは、いわば職業病なので仕方

    ahmok
    ahmok 2009/04/12
    トレードオフという半分をばっさりと切り捨てる主張だと、象牙の塔(内輪・教団内)で支持されても、国民からの賛同は得られない。アサーティブに両方大事と言わないとなあ。経済学者の仕事じゃないかもしれないけど
  • トレードオフを否定する人々 - 池田信夫 blog

    趣味の悪い邦題がついているが、原題は"Trade-offs: An Introduction To Economic Reasoning And Social Issues"。経済学者はつねに絶対的な価値を疑い、トレードオフを考えるが、世の中には特定の目的が他のすべてに優先すると主張する人が多い。 特に多いのが、書も指摘する「命は何よりも尊い」というレトリックだ。建築基準法が過剰規制だというと、「人命のために企業活動が制約されるということが池田先生には許せないのだと思います」などとからんでくる弁護士がいる。彼らは人命と経済的利益のトレードオフを否定し、「命を守るためには企業活動がいくら制約されてもかまわない」と主張する。それなら自動車の生産はすべて禁止しなければならない。 医療過誤訴訟による医療のゆがみも深刻な問題だ。アメリカでは訴訟ひとつで病院がつぶれるので、訴訟を避けるためにあり

    ahmok
    ahmok 2009/04/10
    この記事を読んでふとオウム真理教のポアや金剛乗思想を思い出した。オウムはポアの、共産主義者は粛清の、そして新自由主義者はトレードオフの名の下に殺戮するんだなって/間違いじゃないけど使い方を誤ると大量死
  • 雇用問題についてのまとめ - 池田信夫 blog

    雇用問題についての取材は、まだまだ続く。きのうは地上波テレビ局から出演の要請があったが、「私の名前はブラックリストに入ってますよ」と答えたら、さすがにNGになった。しかし地上波局まで「正社員の既得権」というアジェンダを意識し始めたことは、大きな前進だ。次のでもテーマの一つにする予定なので、ジャーナリストのために経済学の基的な考え方を紹介しておこう。短期の問題だけを考えてはいけない:「解雇規制を緩和したらクビを切られる社員がかわいそうだ」という同情論は、桜チャンネルの司会者からリフレ派まで広く分布しているが、これは短期の問題だけを見ている。長期的な自然失業率への影響を考えると、サマーズも指摘するように、「労働者保護」の強化は必ずしも労働者の利益にならない。 解雇規制を強めることは失業率を高める:ゲーム理論で考えると、解雇規制を強めることは正社員の雇用コストを高め、失業率を高めるのは自明

    ahmok
    ahmok 2009/02/03
    新卒採用慣行は日本の「伝統」だよね?
  • 反貧困―「すべり台社会」からの脱出 - 池田信夫 blog

    著者(湯浅誠氏)は「派遣村」の主催者で、書は昨年の大佛次郎論壇賞を受賞した。まだ「論壇」などというものがあると信じている左翼老人には、こういうが受けるのだろう。ただ著者は慎重に従来型左翼との差別化をはかり、「労働力商品」などという古くさいジャーゴンは決して使わない。彼の経歴も東大法学部の博士課程修了と、普通の「プロ市民」とは違う。彼が社会主義崩壊後の左翼をになう「新世代のヒーロー」と目される所以だろう。 しかし残念ながら、書の内容は階級闘争史観の衣替えといわざるをえない。伝統的左翼のように「独占資」や「帝国主義」を糾弾する代わりに、著者は「グローバル資主義」や「新自由主義」を糾弾し、奥谷禮子氏や竹中平蔵氏が仮想敵として登場する。その論法は「自己責任論」を否定して、最低賃金や生活保護などの「ナショナル・ミニマム」を引き上げるよう政府に求める、きわめて伝統的な「ものとり闘争」だ。

    ahmok
    ahmok 2009/01/10
    100年に一度とも言われる世界的金融危機以降は、「グローバル資本主義」や「新自由主義」の方が、もはや古いのかもしれない…って思ってるのは左寄りの俺だけなのかなあ
  • 菅直人氏のための小学算数 - 池田信夫 blog

    民主党が派遣労働の規制を強化する法案を、社民党などと共同提案するそうだ。菅直人代表代行は、きのうの記者会見で「これまで製造業への派遣禁止まで踏み込んでいなかったが踏み込む」とのべた。今の国会情勢ではただのスタンドプレーだが、政権を取って同じような法案を出したら通ってしまう。 46万人といわれる製造業の派遣労働を禁止したら、何が起こるだろうか。菅氏は派遣がすべて正社員として採用されると思っているのかもしれないが、企業の賃金原資は限られているので、そういうことは起こらない。ある企業に300人の労働者がいるとしよう。200人が正社員で100人が派遣、正社員の年収は400万円、派遣は200万円だとすると、賃金原資は 200人×400万円+100人×200万円=10億円 ここで派遣が禁止されて、正社員しか雇えなくなったら、何が起こるだろうか。賃金原資が変わらないとすると、雇用されるのは 10

    ahmok
    ahmok 2009/01/10
    派遣を禁止すると派遣労働者の半分は職を失うのはたしかだ。しかし、それがいつになるのか書いてない/製造業には派遣以外に期間工という直接採用もあるから、その要素が考えられていない