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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • 「ミスを罰する」より効果的にミスを減らす『失敗ゼロからの脱却』

    ミスや失敗をなくすため、ヒューマンエラーに厳罰を下すとどうなるか? 一つの事例が、2001年に起きた旅客機のニアミス事故だ。羽田発のJAL907便と、韓国発のJAL958便が駿河湾上空でニアミスを起こしたもの。幸いにも死者は無かったものの、多数の重軽傷者が出ており、一歩間違えれば航空史上最悪の結果を招いた可能性もあった。 事故の原因は航空管制官による「便名の言い間違い」にあるとし、指示をした管制官と訓練生の2名が刑事事件に問われることになる。裁判は最高裁まで行われ、最終的には2名とも有罪となり、失職する。判決文にこうある。 そもそも、被告人両名が航空管制官として緊張感をもって、意識を集中して仕事をしていれば、起こり得なかった事態である [Wikipedia:日航空機駿河湾上空ニアミス事故] より 芳賀繁『失敗ゼロからの脱却』は、これに異を唱える。 事故は単一の人間のミスにより発生するので

    「ミスを罰する」より効果的にミスを減らす『失敗ゼロからの脱却』
    aionarap
    aionarap 2024/06/17
  • この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 ともすると似たようなばかりに淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」と教えていただいたおかげ。もちろん、好きなだけ・屋さんだけで完結しても問題ない。それでも全部読むのに一生以上かかるだろう。だけど、自分の地平を拡張するため、あえて知らない趣味、行かない場所に足を運ぶ。その収穫が、沢山の「あなた」からのオススメになる。昨年までの探索結果はこの通り。 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 さらに、今年は「スゴ」のチャネルを増やしたぞ。「スゴオフ」と銘打って、リアルでの交流を図ってきた(直近だとスゴオフ@ミステリを12/3にするよ)。ネット越しと違うのは、圧倒的な情報量。おすすめをプッシュする熱とエントロピーが

    この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

    それは記録。 背中が痛いと訴えてくる息子を裸にしたところ、広範囲に内出血跡を見つける。詳細は省くが、殴られたらしい。「すわイジメ」と気負いたつのではなく、ゆっくりと子どもの話を聞く。度を越した悪ふざけなのか、陰湿なやつなのか見きわめがつかないし、子どもの話なので一貫性が見出しにくい。 まず、子どもの話を遮ることなく最後まで聞く。たずねるニュアンスの「訊く」のではなく受け入れるように「聞く」。そいつを逐一記録する。客観的に述べるのは難しいだろう(大人だってそうだ)、だから矛盾点には目をつぶり、ありのまま記録してゆく。ついでに写真も撮っておく。トラブルが大きくなり、収拾がつかなくなってからではなく、(たとえ一面からでもそれを自覚しつつ)子どもからヒアリングを続ける。 次に、「親は味方だ」というメッセージを伝える。独りで抱え込むなという。どうしても言いたくないのであれば、無理に聞くことはない。親

    わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと
  • さよなら、日経

    ようやく、「リーマン日経」の呪縛を解くことができる。 「社会人になったら、ニッケイ・ヨクヨム」と呪文をかけられ幾年月。半導体は日の魂とか、(アメリカン・スタンダードという名の)グローバルスタンダードとか、中国ワッショイとか、いろいろ吹き込まれましたな。日経新聞だけでなく、日経ビジネスとか日経コンピュータとか日経コミュニケーションズとか、たくさん貢ぎましたな。 その結果→職場や会議卓で「話を合わせる」役にはたった。 ビジネスのヒントや、業界の動向や、はたまた日経済の先行きは、すでに新聞よりもRSS+クオリティ紙で充分。具体的には、「ニューズウィーク」「クーリエ・ジャポン」「フォーリン・アフェアーズ」になる([経緯])。「出勤途上で新聞に目を通す」という習慣は、とうの昔にやめた。車内を見渡してみて、あらためて気づく、新聞読んでる人は珍しい部類に入る(リクルートスーツ姿の人が読んでいるのは常

    さよなら、日経
  • 「論理トレーニング101題」はスゴ本

    東大教授が新入生にオススメする100冊」に、必ず登場する名著。 書は、安直ビジネス書に群がり、カモにされているカモリーマン向けではない。週末にナナメ読んで、「なんとなく分かった気分になる」自己満足を目指していない。1問1問、エンピツとノートを準備して、101問すべてに取り組むべし。「解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない。ただ、実技あるのみ」のとおだ。やれば、やった分だけ向上する。 大きく2部に分かれており、前半は、接続詞に注意して正確に議論を読み取り、その骨格をつかまえるトレーニング。そして後半は、演繹と推測の適切さを論証し、さらに論証を批判的にとらえる訓練をする。すべて、①練習問題→②自力で解く→③解説と答えあわせのくり返し。章末に、ちとムズめの問題が待ちかまえており、③の理解を確かめることができる。200ページたらずの薄手のなのに、中はどろり濃厚で、「飛ばして」「ナ

    「論理トレーニング101題」はスゴ本
  • 命がけのオナニー「デス・パフォーマンス」は劇薬 【成人・紳士限定】: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    このエントリはエグいかもしれない。苦手な人は読まないことをオススメ。 命にかかわる自慰行為や、ご家庭での頭蓋貫通、四肢切断愛好のレポート。ふつうのひとにはオススメできないが、好きな人にはたまらないだろう。興味位で手を出すと吐ける。 いきなり警告がつきつけられる。【警告】 文で紹介されたボディーモディフィケーション(身体改造)および性的行為を実践してはならない。もしここにあるような危険行為の衝動に駆られた場合は、セラピストの診療を受けて欲しい。論文寄稿者、編集者、および出版社は、読者が記述内容を実践した場合の責任を一切負わない。 そうした「身体改造」や「危険な自慰」を追求した結果、死亡したり重い後遺症になったりした事例を、検証写真つきで再現している。もとはメディカルレポートや検死報告を元にしており、淡々とした筆致が異常性を際立たせている。 快楽を追求するあまり自慰死に至った話は、おぞまし

  • iPadは「砂の本」である

    物語の魔術師ボルヘスは、「砂の」という名の理由をこう述べる。 このは、『砂の』というのです 砂と同じくこのには、 はじめもなければ終わりもないのです じっさい手にしてみれば分かる、どの短編を拾っても、そこから次へ紡がれて次からボルヘスの手を経て、またそこへ還ってゆく。スゴ「伝奇集」の円環より、もっと立体性を感じる。円よりも、そう、螺旋構造をめくっているような感覚。読み手の読書経験によると、そこにクトゥルフや千夜一夜を見出したり、ドッペルゲンガーを思い出すことだろう。しかしそうした伝説を包含し、包含した「お話」を重ねてゆき、ついには巨大伽藍をぐるぐるしている自分がいる。 「砂の」には、最初のページがない。最初のページを探そうとしても、表紙と指のあいだには、何枚ものページがはさまってしまうのだ。最後のページも同様で、まるで、からページがどんどん湧き出てくるようだ。めくる傍からペー

    iPadは「砂の本」である
  • まだ科学で解けない13の謎

    科学の大発見をしたときの最初の言葉は、「わかった(エウレカ!)」ではない。「こりゃおかしい」だ。 このアシモフの名言は、まんま書に当てはまる。歴史をひも解くまでもなく、パラダイムシフトになる大発見は、「あたりまえ」「常識」とされている中の、説明がつかない場所に潜んでいる。そうした、変則事項(アノマリー/anomaly)の最もホットなやつを十三編の物語にして紹介している。膾炙した知見に反証実験や、現時点では説明できない(でも厳然たる)事象をジャーナリスティックに描く。 暗黒物質・暗黒エネルギー : 存在しない宇宙の大問題? パイオニア変則事象 : 物理法則に背くパイオニア号 物理定数の不定 : 微細構造定数の値は百億年で変わった? 常温核融合 : あの騒ぎは魔女狩りだった? 生命とは何か? : 合成生物は生物の定義となるか 火星の生命探査実験 : 火星の生命反応が否定された理由 "ワオ!"

    まだ科学で解けない13の謎
  • 処女でない少女には、何が残るか?「聖少女」

    少女から処女を引いたら、「う」しか残らない。そしてその「う」は、嘘の「う」だ。少女とは、処女と嘘から成り立っていることを知らされる、倉橋由美子の傑作。 やはり、作品にはふさわしい「読むべき年頃」がある。フィクションにまつわる仕掛けに不慣れな人が読んだら、ガツンと犯られる。高校生ぐらいのウブ(?)なわたしに読ませてやりたいw、いわゆる美少女ゲーム(死語)慣れしているなら、「交通事故」「記憶喪失」「遺された手記」の設定だけで見抜くだろうね(むしろ、これこそギャルゲのご先祖様だッ)。とはいえ、描写はリアルだ。 あたしははずかしさのあまり身悶えしました。熱い樹液のようなものが脚から胴へ、それからパパに捕らえられている果実の尖端にまで、はげしい勢いでのぼってくるのを感じながら、あたしは首を反らせ、パパの顎の下に頭をもたせかけていました。パパハアタシの胸がマダカタクテ樹ノ幹ミタイダトイウノカシラ? 残

    処女でない少女には、何が残るか?「聖少女」
  • この本がスゴい2009

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 スゴいは多々あれど、独力で発掘できるはずもないので、スゴを読んだ「あなた」を探す。好きなばかりで傷気味で、お山の蛙か、井の中の大将になったつもりのわたしにとって、「あなた」は良い刺激であり指針でありアドバイザーなんだ。 そう、好きなだけ読むのもいいし、屋さんだけで事足れりとしてもいい、それでも読みきれないほど。そして、自分の周りに壁を築いて、ヒキコモるのもアリ(わたし自身がそうだった)。時折みかける独善に陥っている人を反面教師として、自らを戒める。ブンガク小説ばっかり読んで、世界を分かった気になっている人、科学リテラシーこそ全てで他はクズだとのまたう人、それぞれの得意分野では天狗だろうが、外から眺めていると、こっけいで仕方ない。 そんな「わたし」にならないために、広く、深く、遠くまで「あなた」を探す。「あなた」のおかげで、こ

    この本がスゴい2009
    aionarap
    aionarap 2009/12/03
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