領主の妻が、村人を自宅に連れ込み不倫…18世紀の「姦通裁判」が生々しすぎる 史料を読んで感じた、歴史学の醍醐味 農民は見た…目撃される領主の私生活 私が聞いたことには、領主の奥方様が旦那様を捨ててほかの男に身をゆだねたとのことです。それもこそこそと隠しながらではなく、おおっぴらだったようで、かく言う私も、奥方様が件の男と一緒に暮らしていることを知っています。 ある時、〔領主から〕作るよういわれた犂が出来上がったのでお屋敷に持って行くと、〔奥方と男の〕2人が一緒にいて、ミハーイというこの男が私に向かって「少し待ちなさい。わが妻がすぐに代金を払うからな」と言ったのです。こういったことはほかにもいろいろとありました(引用一部略、〔〕内は引用者加筆。以下同) これは約260年前のヨーロッパの片隅に暮らす村人が残した言葉である。現在のルーマニア中央部トランシルヴァニア地方、カール村に住むジグモンドと