小さな公開規模から興行収入10億円が視野に入った異例のヒット作『この世界の片隅に』を読者のみなさんは見ただろうか。戦時中に、広島から呉に嫁いだごく普通の女性の日常を、素朴なタッチで丁寧に描いたアニメ作品だ。小規模な公開でスタートしたが徐々に上映館が広がり、興行収入10億円が見えてきた。『君の名は。』の空前のメガヒットがあった一方で、規模は違うがこちらも異例の大ヒットとなっている。 この映画の製作は株式会社ジェンコ、プロデューサーは同社社長真木太郎氏がクレジットされている。実は筆者は真木氏を前々から知っており、このたびあらためてインタビューをお願いした。この映画はパイロットフィルムの費用をクラウドファンディングで募ったことも話題になった。聞きたかったのは、それが製作や宣伝にどう影響したのかだ。真木氏とは旧知の関係なので友だち口調でしゃべってくれたのを、あえて丁寧体にせずそのまま記事にした。ざ