<人間の性欲を研究対象に選んだボストン大学の認知神経科学者2人。セックスの研究は約130年も前に始まったのに、いまだに謎が多いままだ。2人の用いた新たな手段はインターネットとデータマイニングだった> 認知神経科学の研究者がポルノの研究をするのは珍しい。だがボストン大学のオギ・オーガスとサイ・ガダムはまさにそれをやってのけ、1冊の本を世に送り出した。2人の抱いた疑問は、「性的欲望と欲情を生み出す脳のソフトウエアは、どんなしくみになっているのか」というものだった。 どうやって疑問に答えるか。カギは、インターネットだ。インターネットを情報源に研究を行えば「信じられないくらい多種多様な人々の生(なま)の活動」を明らかにすることができ、「人間の行動についての世界最大の実験が可能になる」と彼らは考えた。 4億の検索ワード、65万人の検索履歴、数十万の官能小説、数千のロマンス小説、4万のアダルトサイト、
