現在の心胸を語るふみふみこさん 辛かったのは、母親を好きと言えないことかもしれない。「家族」の物語を描く二人が漫画を通して追いかけるもの――。 不倫を認め合う30代の夫婦を描いた漫画『1122』を連載している渡辺ペコさんと、自身の体験を元にした漫画『愛と呪い』で歪(いびつな)な家族の中で育った女性を描いたふみふみこさんが、愛のない家族関係や母娘問題について語り合った。 最初は「済んだこと」として描こうと思っていた(ふみ) 渡辺ペコ(以下:渡辺) 1巻から『愛と呪い』を読ませていただいてきて、この3巻のドライブ感に驚いたんです。これまで、ふみさんは現実と距離をとって世界を作り上げて行くタイプの漫画家さんだと思っていて、それは愛子ちゃんの少女時代が描かれた1巻の印象でもあったのですが、進むにつれて物語がふみさんご自身にも読者にも近いところにどんどん迫ってくるようでした。 3巻は「決着をつけて乗