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ブックマーク / synodos.jp (193)

  • 「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS

    1.はじめに 日経新聞に載った「月曜日のたわわ」の広告は波紋を呼んだ。「月曜日のたわわ」は青年漫画誌の連載漫画であり、その漫画のキャラを使った広告が不適切であるとして批判されたのである。批判の趣旨は、広告で描かれた絵は女子高生を性的に扱っており、新聞の広告として不適切という点にある。これに対し、表現の自由で許される範囲であるという反論がなされ、活発な論争が起きている。 これに類似の論争はこれまでに何度も繰り返されてきた。古くは、人工知能学会表紙事件(2014年)、新しくは宇崎ちゃん献血ポスター事件(2019年)、そして直近では温泉むすめ事件(2020年)が記憶に新しい。 これらの論争では、人々がその表現をどう受け取るかが争点の一つである。しかし、騒動の渦中に人々がその表現をどう受け取っているかが調べられた例は多くはない。稿ではこれを試みる。この広告に対して批判する意見、容認する意見はど

    「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS
  • ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響があると考えられ、ゲーム好きの健康な子どもや若者たちが、精神疾患とレッテルを貼られ精神科病棟に入れられる未来も現実味を帯びてきた。 先日、ゲーム障害の有病率調査が久里浜医療センターによって発表された。【注1】英語論文として発表されたため、まだ一般には知られていないが、専門家の間ではかなり話題になっている。というのも、久里浜医療センターはゲーム障害でない人を診断しようとしているのではないか、と、いわゆる過剰診断を懸念する声が湧き上がっているからである。 稿では、久里浜医療センターの研究を紹介

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS
  • 「学習支援によるケア」が、子ども・親・学生にもたらすもの――子どもの貧困対策の現場の調査から/松村智史 - SYNODOS

    「学習支援によるケア」が、子ども・親・学生にもたらすもの――子どもの貧困対策の現場の調査から 松村智史 社会福祉学 福祉 「自分を迎え入れてくる人がいる」、「また来ていいんだっていう安心感」があったから――。 貧困世帯の子ども向けの学習支援教室に参加したある女性は、学校でいじめを受けた経験から不登校状態になり、勉強についていけなくなっただけでなく、同年代や周りが自分のことを嫌いだという意識を持っていたという。 だが、学習支援教室の学生やスタッフが、自分のことを気にしてくれている、心配してくれている感覚に、徐々に背中を押され、安心して参加するようになったという。 彼女は、学習支援教室を、「自分を迎えてくれる場所」と振り返った。 様々な不利・困難・孤立に直面し、社会のなかで居場所を見つけづらい貧困世帯の子どもたちにとって、そうした場所や、他者とのつながりが、どれほど切実に求められているか。

    「学習支援によるケア」が、子ども・親・学生にもたらすもの――子どもの貧困対策の現場の調査から/松村智史 - SYNODOS
  • 異論あり、ファスト映画考――逮捕は悪手である/田中辰雄 - SYNODOS

    1.問題の所在:ファスト映画とは 2021年6月23日、ファスト映画をアップしていた3人が逮捕された。【注1】ファスト映画とは映画を10分程度に短縮し、解説をつけたものである。映画の一部を切り取ってダイジェスト版をつくり、あらすじがナレーションとして入っており、2時間近くかけて映画体を観なくても、短時間で映画の中身がわかるようになっている。ファスト映画は権利者に許諾を得ずに映画を切り貼りして利用しているため、著作権法違反は明らかである。容疑者も事実関係は認めており、事件としては決着した。 しかし、逮捕が映画業界として最善策であったかどうかには疑問がある。一般にネット上の違法コピーには正規版の売上を減らす代替効果だけでなく、逆に売上を増やす宣伝効果があるからである。YouTubeで音楽ファイルがながれることは、かつては違法行為とされてきたが、現在では宣伝効果が優るため、音楽業界は音楽をYo

    異論あり、ファスト映画考――逮捕は悪手である/田中辰雄 - SYNODOS
  • 「家族」を擁護する――『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)/阪井裕一郎(著者) - SYNODOS

    書は、事実婚と夫婦別姓をめぐる諸問題を、社会学の視点から検討したものである。 大学院時代の私は、「家族の多様化」をめぐる研究関心から、日における事実婚カップルの実態を明らかにしようと、いわば「見切り発車」状態で当事者へのインタビュー調査を開始した。 しかし、話を聞くなかで、まず私が抱いていた「事実婚vs.法律婚」という素朴な前提が覆されていった。調査を通じて、当事者の多くが、「夫婦別姓」のために(より正確に言うならば、婚姻時に双方が姓を変えないために)、事実婚という選択を強いられているという現実に直面する。多くの当事者が法律婚を望んでいたり、「結婚」そのものに肯定的な態度を有していることに気づかされたのである。 当初私は、「意外に保守的?」という印象も抱いた。だがしだいに、そもそも自分自身が「保守的」だと感じたこの感覚それ自体が正しいのだろうかと考えるようになった。自分はどのような部分

    「家族」を擁護する――『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)/阪井裕一郎(著者) - SYNODOS
  • 漫画村異聞――海賊版の前向きの解決/田中辰雄 - SYNODOS

    海賊版サイトであった漫画事件に2021年6月判決が下り、運営者は懲役3年の刑が言い渡された。判決文は「著作物の収益構造を根底から破壊し、文化の発展を阻害する危険性をはらんでおり」と厳しい口調で述べている。 漫画村が著作権法違反であることは間違いない。しかし、文化の発展という観点から見てこの形の解決が前向きと言えるかどうかには疑問がある。前向きの解決は、漫画村をこの世から消去するのではなく、出版社自身が漫画村的なことをはじめることではあるまいか。以下、漫画村の被害額の推定を行いながら、問題を再考して見よう。なお、以下述べることは、秋に刊行予定の『知財のフロンティア』(田村・山根編、勁草書房刊)のなかの拙稿の要約である。詳しい議論はそちらを参照されたい。 まず、漫画村の被害額を個人への調査で推定してみよう。そのため、漫画村閉鎖の前後の比較を行う。漫画村は2018年4月に閉鎖されている。漫画

    漫画村異聞――海賊版の前向きの解決/田中辰雄 - SYNODOS
  • 子どものゲームやスマホの使い方に迷ったときに/井出草平 - SYNODOS

    ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どもが社会から孤立しないために』(吉川徹)は、現在のところ、ゲーム障害やネット依存症についての最良のである。多くのゲーム障害やネット依存症のは人々の不安を煽り立てるが、具体的な解決策については記載の乏しいものが多い。しかし書にはそういった心配はない。バランスよく研究を紹介した上で、実際にどのように対応すればよいかということを教えてくれる。 わが子がゲーム障害かも?ネット依存症かも?と思っている親や保護者にとっても有益な情報が多いが、子育てをしているほとんど親や保護者にとっても参考になる情報が多い。「子どもがゲーム機を欲しがっているのだが買ってよいものか」「ゲームはどのくらい遊ばせてよいもののだろうか」「子どもがスマホを欲しいと言ったが、買い与えていいものか」「スマホ使用のルールを作りたいが、どうしたらいいのだろうか」。こういった悩み

    子どものゲームやスマホの使い方に迷ったときに/井出草平 - SYNODOS
    akihiko810
    akihiko810 2021/06/01
    『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どもが社会から孤立しないために』(吉川徹)は、現在のところ、ゲーム障害やネット依存症についての最良の本である
  • 子どもが発達障害です。――『大学教授、発達障害の子を育てる』(光文社)/岡嶋裕史(著者) - SYNODOS

    2021.04.09 子どもが発達障害です。――『大学教授、発達障害の子を育てる』(光文社) 岡嶋裕史(著者)情報セキュリティ 子どもが発達障害です。 それを知ったとき、「困ったな」と思いました。 いや、誰だって「お子さんが障害ですよ」と言われたら、たいていは困ると思うのですが、ぼくの場合はそもそもことの初めから困っていたのです。 ぼくはそもそも、「子どもをちゃんと育てられるだろうか」と危惧していたのです。人間の赤ちゃんを動物と一緒くたにしてはいけませんが、べものを与え、環境を快適に保ち、危険や不具合があればそれを除去するといった作業は、まあ一緒ですよね。 ぼくはそれなりに生きものが好きな子どもだったので、これまでにけっこうな生きものを育ててきました。でも、とても申し訳ないことに、彼らはあまり天寿を全うしていません。色々な要因があるでしょうけれども、主因はぼくのお世話が下手な点にほぼ集約

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  • 「女性にリーダーは向かない」というジェンダー・バイアスをなくそう/野村浩子 - SYNODOS

    もう元には戻れない――。コロナ禍を受けて、働く側も、企業も、そして自治体や自治体も模索が続く。過去の延長線上に、新たな社会は構築できない。社会を再構築するにあたって求められる重要な視点のひとつが、ジェンダー目線である。 政治の世界においては、女性活躍推進といいながらも、働く女性の「ケア労働」に対するフォローが欠けていたことが、今回のコロナ禍で明らかになった。働く女性は職場の仕事に加えて家事育児・介護といったケア労働を担い、ダブルワーク、トリプルワークになっている。日はOECD諸国のなかで最も、有償労働は男性に偏り、無償労働は女性に偏っている。日人女性の有償労働、無償労働を足し合わせた総労働時間は日人男性よりも長く、OECD諸国のなかで最長である。付言するなら、日人女性の睡眠時間は最も短い。女性が輝く社会というキャッチフレーズの裏には、女性が睡眠時間を削って無償労働を担う姿がある。

    「女性にリーダーは向かない」というジェンダー・バイアスをなくそう/野村浩子 - SYNODOS
  • ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)/山口真一(著者) - SYNODOS

    2020.09.28 ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書) 山口真一(著者)計量経済学 #SNS#炎上 あなたは、このように思ったことはないだろうか。 「最近社会が不寛容になった」 「ネットは攻撃的な人が多く、怖いところだ」 確かに、SNSやネットニュースのコメント欄を見ると、実に多くの罵詈雑言に出会う。「コイツ頭おかしいだろ」などの誹謗中傷はもちろん、「死ね」などの、非常に直接的で攻撃的なワードを使う人も少なくない。今年5月には、ネット上の誹謗中傷を苦に、プロレスラーが亡くなってしまうという悲しい事件も起きた。 今月発売された拙著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』は、社会にあふれるそのような「極端な人」について、様々なデータ分析結果からその正体を炙り出すだ。書では、 ・なぜネット上で極端な意見が溢れているのか? ・「極端な人」はどれくら

    ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)/山口真一(著者) - SYNODOS
  • いかに正気を保って生きるか――『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(筑摩書房)/山本貴光+吉川浩満(著者) - SYNODOS

    2020.09.23 いかに正気を保って生きるか――『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(筑摩書房) 山貴光+吉川浩満(著者) #エピクテトス 吉川 エピクテトスの教えの肝は、「権内にあるもの」と「権外にあるもの」とを区別することです。まず、言葉の説からすると、権内にあるものとは、自分でコントロールできるもの。それに対して権外にあるものとは、自分ではコントロールできないもの。自分の力でどうにかできることと、どうにもできないことの区別が重要だと。 山 どうしてこの区別が重要なのかというと、われわれの悩みの多くが、この区別に関する混乱によって生じるからだとエピクテトスは言います。 吉川 自分でどうにかできることならまだしも、どうにもできないことを嘆いてばかりいても仕方がないのに。逆に、当はどうにかできるはずのことなのに、自分にはできっこないとはじめから諦めてしまったりすることもあ

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  • 戦後メディアの病――悪と対峙し、弱者を代弁する自分こそが善である/佐々木俊尚 - SYNODOS

    2011年の福島第一原発事故にまつわる新聞やテレビの報道は、日の戦後メディアが内包していた問題をまざまざと浮かび上がらせたと言える。風評被害を抑えるべき報道機関が逆に風評を煽ったケースは少なくなく、そうした報道はいまも続いている。これらの風評は福島の人たちへの差別を生じ、大いなる苦しみをもたらした。この問題はおそらく、広島・長崎における被爆者差別とならんで未来への長い期間にわたって禍根を残し、後世に研究される問題になっていくだろう。 「弱者の味方」であったはずの新聞やテレビの記者たちが、なぜこのような差別を引き起こしてしまったのか。稿では、加害者と被害者の関係という構図からこの問題について論考していきたいと思う。前半ではなぜ戦後メディアがこのような構図に陥っていったのかを歴史を振り返りながら概観し、後半ではこのような構図が社会にどのような影響を与えているのかを論考する。 戦後マスメディ

    戦後メディアの病――悪と対峙し、弱者を代弁する自分こそが善である/佐々木俊尚 - SYNODOS
  • 「ネットは社会を分断しない」? ―― 楽観論を反駁する/辻大介 - SYNODOS

    年1月末、イギリスはついにEUを離脱した。だが、それをめぐって二分された世論の溝は、そう簡単に埋まりそうにはない。ふたたび大統領選挙を迎えるアメリカでも、共和党と民主党の、あるいは保守とリベラルの激しい反目が続いている。トランプ大統領が一般教書演説をおこなった直後、そのスピーチ原稿をびりびり破り捨ててみせたペロシ下院議長のパフォーマンスは、そのことを端的に象徴していよう。 日でも安倍政権シンパとアンチの対立には、これまでになかった根深さが感じられる。たとえば近い将来、憲法改正の国民投票が現実のものとなったとき、はたして私たちは、今のアメリカやイギリスにみられるような社会・世論の「分断」状況を避けることができるだろうか? その意味で、この問題は私たちにとっても決して対岸の火事ではない。 題に入ろう。ネットが、こうした社会や世論の「分断」をもたらす要因のひとつになっているのではないか、と

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  • 男女同数の最終候補作から見えてくるもの――第64回岸田國士戯曲賞予想対談/山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子(演劇ジャーナリスト) - SYNODOS

    男女同数の最終候補作から見えてくるもの――第64回岸田國士戯曲賞予想対談 山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子(演劇ジャーナリスト) 文化 去る1月、第64回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の候補作8作品が発表されました。岸田戯曲賞は、若手劇作家の奨励と育成を目的として設置され、新人劇作家の登竜門とされることから「演劇界の芥川賞」とも呼ばれます。選考会および受賞作の発表は2月13日です。(企画・構成 / 長瀬千雅) 山﨑 僕にとっては5回目の予想対談になりますが、今回は予想の前に、なぜこれをやっているかをもう一度確認しておきたいと思います。 田中 はい。 山﨑 受賞作の予想対談という形をとっていますが、ここでやっていることは基的にふたりが戯曲をどのように読んだか、また、その中で何を評価するのかを言語化する作業だと思うんです。 岸田賞は受賞作の出版に合わせて選考委員による選評は公開されますが、

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  • ネットは社会を分断しない――ネット草創期の人々の期待は実現しつつある/田中辰雄 - SYNODOS

    インターネット草創期の人々は、ネットは人々の相互理解を進め、世の中を良くすると期待していた。時間と空間を超えて多くの人が意見交換すれば、無知と偏見が解消され、世界はよくなっていくだろう、と。しかし、今日、ネットで我々が目にするのは、罵倒と中傷ばかりの荒れ果てた世界である。相互理解に資する建設的な会話はほとんど見られない。ネトウヨ、パヨクという侮蔑語が示すように、人々は相反する二つの陣営に分断され、果てしなく攻撃しあっているように見える。 ネットとはそういうものだという、あきらめに似た見解もひろがってきた。人間にはもともと自分と似た考えの人や記事を選ぶ傾向があり、それは「選択的接触」と呼ばれている。ネットでは情報の取捨選択が自由にできるため、この選択的接触が非常に強まる。自分と同じ意見の人をツイッターでフォローし、フェイスブックで友人になり、自分と似た見解のブログを読めば、接する情報は自分の

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  • ひきこもりはロスジェネ世代に多いのか――ロスジェネ仮説を検証する/井出草平 - SYNODOS

    朝日新聞がひきこもり40代が多いという趣旨の記事を出した(2019.11.19)。 ・ひきこもり、40代が最多 支援先は若年層が中心 https://www.asahi.com/articles/ASMB954RDMB9UUPI00C.html 最近、行政や新聞記者の人とひきこもり関係の話をすると、「ひきこもり40代が多いんですよね?」と話題になることが多かったので、気になっていたトピックである。 一部を引用しよう。 朝日新聞が47都道府県と20政令指定市にアンケート。32自治体が「実態調査がある」と答えた。 このうち17自治体は、民生委員などが地域で把握している当事者の数をまとめる形式で2013~19年に調査。詳細を取材に明らかにした16自治体のうち、14自治体で40代が最多だった。 また、16自治体すべてで40代以上の割合が30代以下より多く、今年2月現在で調査した長野県では年齢不

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  • 「みんながマイノリティ」の時代に民主主義は可能か/吉田徹×西山隆行×石神圭子×河村真実 - SYNODOS

    アメリカにおけるトランプ政権誕生とイギリスのEU離脱を支持し、その原動力となったといわれる「白人労働者階級」の人々。ポピュリズムと片付けられがちな彼らの政治行動はしかし、これからの民主主義のゆくえを占うものであることには誰もが薄々気づいている。 喪失感に苛まれる英米の白人労働者たちの生の声から彼らの政治行動を分析したジャスティン・ゲスト著『新たなマイノリティの誕生:声を奪われた白人労働者たち』の訳者陣(吉田徹・西山隆行・石神圭子・河村真実)に、同書が問いかける様々な先進国共通の課題について思う存分、語ってもらった。(聞き手・構成 / 弘文堂編集部・登健太郎) 吉田 ゲスト『新たなマイノリティの誕生』は、アメリカのオハイオ州とイギリスのイーストロンドンの白人男性労働者層のエスノグラフィであり、彼らの政治意識を調査したです。帯に書かれたコピーにもあるように、彼らこそがトランプ大統領とブレグジ

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  • 子どもたちの中に眠っている「宝」探し――学習支援の現状と課題/西牧たかね - SYNODOS

    「先生との約束を守れなくて、ごめんなさい」 それが、私の顔を見てFが口にした最初の言葉だった。 第一希望だった都立高校の入試結果が不合格だとわかった時、彼女が選んだのは2次募集の高校も夜間定時制の高校も受験せず、働くという道だった。 「アメリカに行くという夢を叶えるため、働いてお金を貯めます。」 それから2年、3つの仕事を掛け持ちして働いたが、収入の大半は家計を助けるために消え、思うようにお金は貯まらなかったという。(注) (注)「子どもの貧困」対策として、全国に広がっている“学習支援”とは何か、その現状と課題を明らかにするためには、私が中学校の教員として、また学習支援コーディネーターとして出会った子どもたちの様子に触れる必要があります。そこで、子どもたちのプライバシーを守るために、典型的な事例からFとKという二人の中学生を造形し、その架空の事例を通して、子どもたちの姿をお伝えします。 2

    子どもたちの中に眠っている「宝」探し――学習支援の現状と課題/西牧たかね - SYNODOS
  • ひきこもりと犯罪/井出草平 - SYNODOS

    昨今、ひきこもり状態にある者の犯罪が立て続けに起こっている。それに対して、「ひきこもりの犯罪は稀である」という啓蒙記事が新聞には掲載された。この種の報道は正しい。たとえば、東京新聞には下記のような記事が掲載されている。 関連事件の割合わずか 紙と紙が加盟する共同通信の記事データベースで、殺人、殺人未遂事件の容疑者で引きこもりだったと報じられたケースが何件あるかを調べた。その結果、1999年から2019年までの過去20年間で43件あった。事件発生後の捜査当局での証言、証拠などから明らかになったものですべてを網羅するデータとは言えないが、年平均で約2件だ。…(中略)…殺人の認知件数は1999年に1265件で、2003年頃に1400件を越えたが、それ以降は減少傾向。過去5年では900件前後だ。そうすると、「年2件」は全体の0.002%でしかない。(「東京新聞」2019年6月6日) 東京新聞に

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  • 京都大吉田寮問題とはなにか――大学自治の行方/広瀬一隆 - SYNODOS

    自由な研究と教育が重んじられる大学で、管理強化が進んでいる象徴なのだろうか――。京都大は、現役では日最古の学生寮「吉田寮」の旧棟と堂からの立ち退きを求めて寮生を相手に京都地裁へ提訴、7月4日に第一回口頭弁論が開かれた。訴訟に至るまでの大学執行部と寮生側の対立を取材してきた地元紙記者として、一連の動きは大学の変質を告げているように感じられてならない。 「対話」を根幹とした教育を掲げる京都大でなぜ、大学側が学生を訴えるという事態に至ったのか。学生との対話をなおざりにする大学が、社会と対話して独自の研究や教育を続けられるのだろうか。 「一部の学生が騒いでいるだけ」と突き放すこともできる。もちろんそうした面はあるだろう。だが私は、吉田寮で進行している状況をそう簡単に片付けるわけにはいかないと考えている。大学自治の行方を占う上で重要な問題を孕んでいるからだ。 7月4日午前11時半。京都地裁でもっ

    京都大吉田寮問題とはなにか――大学自治の行方/広瀬一隆 - SYNODOS