三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。 ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。 別々の人物の視点で話は進んでいき、やがて交差をする二つの物語は、まさかの展開を迎える。 孫悟空からユングまで登場するカオスな小説。 伊坂幸太郎による、夢の中のような物語を味わうことのできる物語となっている。 「SOSの猿」のここが面白い 株の誤発注事件を追う「猿の話」 五十嵐真は、とあるシステム開発関係の会社での品質管理部門で仕事をしている。 会社で作ったプログラムにバグ等があると、そのバグが発生してしまった原因追求や再発防止策を講じるのが主な仕事となる。 そんな彼の元に、会社が過去に納入したシステムによって株の誤発注事件が発生したとの連絡があった。 株の誤発注により一瞬にして300億もの大金を失ってしまったという。 システムに問題はなかったのか? 五十嵐は調査を開始した。 エクソシ