62年ぶり改正を生かせるか 生活保護制度の維持と、受給者の生活のために、何より大切なのは自立支援策の拡充だ。しかし、過度な自立への要請は、「最後の安全網」としての安心感を奪うリスクとも隣り合わせともいえる。 東京都在住の佐藤康之さん(仮名・49)は、福祉関連の仕事に就いていたが、激務のため体調を崩し退職。2年前から生活保護を受給している。佐藤さんは「親族から生活保護受給を『恥ずかしいこと』と言われたことが忘れられない。扶養義務の強化や現物給付が導入されれば、早く抜け出したいと最初は無理にでも頑張るだろう。でも今も職探しを続けるが、この年齢で安定的な仕事は見つからない。日雇いは体力的に続ける自信がなく、無理に自立を促されるのは不安もある」と話す。 自民党案では、稼働年齢層の保護期間への「有期制」導入、現物給付、親族による扶養義務の強化など、就労インセンティブ強化や不公平感の是正を目的と