建設もITシステムも、成果は上流工程で決まる:IT担当者のための業務知識講座(7)(1/2 ページ) IT業界が学ぶべきことの多い建設業 客先から要望を聞き出して、要求物の構造や機能を設計し、工事を完成させて引き渡す――こうした建設の仕事はシステム開発プロジェクトと類似しており、設計技法や進ちょく管理、品質管理、原価管理といった面で学ぶべきことが数多くあります。 建設の歴史は古く、巨大な天皇御陵や神社仏閣など、古代から大規模な建設工事が行われてきました。秦氏という中国や朝鮮からの帰化人が優れた建設技術を持ち込んだことも有名な話です。 これに対して、システム開発の歴史はあまりにも短いものです。コンピュータ利用が本格的に始まったのはCOBOLやFORTRANといったプログラミング言語が登場した1960年ごろになってからであり、CやJavaなどの構造化言語、オブジェクト指向言語が発明されたものも