誰一人テクノロジーが理解できなくなる時代が来る つい最近『上級国民/下級国民』という本を出しました。これは、「知識社会化・リベラル化・グローバル化」という巨大な潮流の中、世界が総体としてはゆたかになり、全体として人々は幸福になるけれど、先進国のマジョリティが「上級国民」と「下級国民」に分断されていくという話です。トランプが大統領になったアメリカや、ブレグジット(EUからの離脱)で揺れるイギリスがこの典型ですが、日本も例外ではありません。 この本の中で、テクノロジーのシンギュラリティの話をしています。グーグルの研究機関“X”のCEOが描いたもので、人間の認知能力は一次関数でしか向上しないのに対し、テクノロジーは指数関数的に進歩していくことを表わしています(図1)。 原始時代では、すべての人がその時代のテクノロジーを理解できたし、上手い下手はあっても、木の先端に石をくくりつけて槍をつくることが
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