5階と6階の間にある踊り場にはたいてい6/5と書いてあるわけで、そしたらみなさんってば「6 > 6/5 > 5」っておかしいぜなどとおっしゃりがちだとは思うのだけど、いやいやいやいやそういうことじゃない。6/5はあくまで6/5であり、すなわちおれたちは5階から6階にあがるとき、ある瞬間だけ、6/5階に存在しているのだと思う。物理的には1階と2階の間の世界に、瞬間転移しているというわけだ。 ここからわかることは、2階以上のすべての中間階は、それが3/2階だろうが8/7階だろうが34/33階であろうがすべてが、1階と2階の間に無限に折りたたまれて存在しているということだ。おれたちが各フロアの間に存在すると思っている中間階に足を踏み入れようとしても、結局そこは1階と2階の間の世界にすぎないのである。 そんな人の手が触れることのない中間の世界。そこには何か人にあらざるものが棲むのだろうか? 謎であ