葦手(あしで)を見るたびに、千年も前にこんな「日本語のデザイン」がなされていたことに驚く。 伝藤原公任(ふじわらのきんとう)『葦手古今集切』(11世紀中頃、→ 拡大写真) 「の」と「や」の部分を拡大したもの。 「葦手(絵)」について、伝藤原公任の『葦手歌切』を例に挙げながら、永原康史氏はこう書いている。 歌にかかわる文字の中には、絵になってしまったものもある。「葦手」である。「手」は女手などと同様、転じて書体の意味だと考えればよい。草仮名を葦の葉になぞらえたところからその名前がついたという。辞書には戯書きとも文字絵ともあり、「へのへのもへじ」などの文字遊びとの関連も指摘されているが、葦手の明確な説明はむずかしい。歌と文字と絵が一体になったもの、といえばいいだろうか。 葦手をとりいれた絵を「葦手絵」という。和歌や漢詩からとられた文字(葦手)は、水の流れや葦、岩、水鳥などその景の中にひそみ、絵
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