この前、マイルスの「モード奏法」をめぐり菊地成孔の名を出したが、この破格の音楽人は、東大教養学部で近現代の音楽史を講じたことでも知られている(大谷能生と2人で)。聴衆を熱狂させたというその講義内容は以下の3冊にまとめられている。 ★憂鬱と官能を教えた学校 asin:4309267807 ★東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 asin:4944124198 ★東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編 asin:4944124201 このうち『キーワード編』を手にした。 第1章のキーワードは「ブルース」。教室での録音をまるまる書き写したかといった長々しい2段組の文章は、しかしその喋り風のノリに身を任せればぐんぐん進んでいける。そしてほんの数十分後、何の前知識もなかった私が、驚くべきことに、「ブルースとは何か」がわかってしまった! 西洋クラシック音楽は