ブックマーク / agora-web.jp (43)

  • 八幡氏への忠告① 評論家に歴史研究はできない

    私が前回アゴラに投稿した『在野の歴史研究家に望むこと』に対して評論家の八幡和郎氏から反論をいただいた。 呉座氏は百田・井沢氏より大胆な飛躍がお好き 相変わらず冗長な文章で、まともに取り合っても意味がないと最初は思った。だが研究とはどのような営為か、歴史学とはどういう学問かを説明するのに格好の素材だと思うので、私の考えを少し述べておきたい。 「在野」という言葉の意味 さて八幡氏は 「在野」などというのは、当事者が謙遜していうとか、反抗精神をポジティブにとらえて第三者が言う言葉であって、象牙の塔の住人が自分たちの仲間でない人たちを見下すように使うのは失礼だろう。 と批判する。「象牙の塔」こそが(現代では)侮辱語だと思うが、ともあれ、私は「学界に属さない研究者」という意味合いで用いている。この用語に問題があるのは事実で、たとえば歴史学の専門的な訓練を受けているが大学に職を得ていない人をどう捉える

    八幡氏への忠告① 評論家に歴史研究はできない
  • 民主党政権は「悪夢」だったのか

    安倍首相が自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と評したのに対して、立憲民主党の枝野代表が「自殺者数が減るなど、よくなった部分もある」と反論したことが話題になっている。公平にみて民主党政権が悪夢だったことは事実だが、安倍政権はそれほどいい政権なのだろうか。 次の図は日経平均株価に完全失業率(右軸)を逆に重ねたものだが、失業率が最悪(5.5%)だったのは麻生政権の末期で、2009年8月の民主党政権から下がり始めた。自殺率も失業率と相関が強いので、同じころ減り始めた。その後も単調に雇用は改善した。 これを2000年代前半からみると、不良債権処理で多くの企業が破綻した2003年が、雇用も株価も最悪だった。そのボトムから景気が回復する途上でリーマンショックにぶつかったが、2009年後半から元のペースを回復した。これは民主党政権の経済政策がすぐれていたからではなく、麻生政権がばらまいた90兆円以上の

    民主党政権は「悪夢」だったのか
    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2019/02/12
    「自民党にとって」って言葉を補えば済む話だと思うのだが。
  • アンフェア化する社会の詐欺師と保護される強者とは

    ナシーム・ニコラス・タレブは、金融トレーダーの実践家から大学の研究者に転身し、2007年以降のアメリカ発の世界金融危機を予告した『ブラック・スワン』が世界でベストセラーになりました。 彼の新しいは、「もろさの反対」という意味の『反脆弱性(上・下)』というタイトルです。ひと言で表せば、「エリート主導の社会は、弱者の不安定という犠牲の上に強者の安定を実現する不公平な構造でもろいため、社会の一人ひとりが身銭を切って小さな失敗を糧にしながら変動に強くなるように変わるべき」という内容といえます。 詐欺を見て詐欺と言わないなら、その人自身が詐欺師である。 著者は、弱者を助けるために「何かしなければ」と社会の仕組みをつくる立場にある人たちが、結果として弱者を傷つけ、強者をいっそう強くしており、自分たちは結果に対してリスクも負わなければ身銭を切ることもない、ときびしく批判しています。 タレブの批判の対

    アンフェア化する社会の詐欺師と保護される強者とは
  • 富良野メロン除草剤事件は犯人の意図とは逆の結果になる

    久しぶりに怒りと悲しみの入り交じる感情に包まれる体験をしました。 富良野メロン農家の寺坂農園に除草剤が撒かれて、6600玉の富良野メロンが全滅したとのことです。 代表の寺坂祐一さんは8月3日、枯れてしまった収穫前のメロンの写真をTwitter上に投稿。「約6600玉のメロンが全滅して収穫不能。科学的な調査の結果、メロン畑に除草剤が撒かれていたことが判明しました」と、何者かにメロンを台無しにされたことを明らかにした。さらに「悪質な行為により、お客様にもご迷惑をおかけします」と憤りを記した。 参考元:ハフィントンポスト:富良野メロン6600玉が全滅 何者かが除草剤?農家が憤り「こんなことをする人いるのか」 この事件についてのあらましは色んなサイトで語られていますのでおまかせするとして、私が感じたことをお話しさせて頂きたいと思います。 犯人はおそらく農業関係者 今回の事件を見て、私は犯人は素人の

    富良野メロン除草剤事件は犯人の意図とは逆の結果になる
  • ベーシック・インカムって何?

    このごろ「高校無償化」や「子育て支援」など、新しいタイプのバラマキ福祉が出ていますが、高校生や幼児をもつ親だけにばらまくのは不公平です。子育て支援のお金は、こどもではなく親がもらうので、それがこどもに使われるかどうかかはわからない。これは単なる所得再分配で、こどものいない貧乏人は税金を払うだけなので、ますます貧しくなります。 再分配するなら、すべての国民に非裁量的にばらまくべきです。それがベーシック・インカム(BI)で、カナダやスイスなどで提案されています。これは図のように、すべての人に(たとえば)80万円を一律に支給します。年収50万円の人には生活保護の代わりに差額の30万円を支給し、所得が80万円以上の人からは所得税20%を徴収した上でBIを支給します。年収500万円なら、手取りは80万円+(500万円×0.8)=480万円になります。 他方、ミルトン・フリードマンの提唱した負の所得税

    ベーシック・インカムって何?
  • バター不足は何故起こるのか?

    すみません、今さらの話で。 理由は、「政府がバターの需給予測を誤ったから」で終わりです。 バターの輸入は政府が管理していて、足りない分は輸入する制度になっているんだから、国内でバター不足が起こるということは、輸入量が足りなかったってことです。それ以上の理由はありません。 何で今さらこの話をするかといえば、今ごろとあるテレビ東京の番組を見たからです。 それで、ちょっとこの番組の内容を補足した方がいいかな、と思って。 私が一番世間で誤解されていると感じることなんですけど、牛乳は別に農協を通して売らないといけないというきまりは無いんです。単に、農協を通さないと補助金を受けられない、というだけで。自由に売り買いすることに何の制約もない。 そして、その補助金というのは飲用乳向けには無い。加工乳向けだけ。だから、全量飲用にすれば、最初から貰う補助金なんて無いんです。 しかも、乳価は用途ごとに決まってい

    バター不足は何故起こるのか?
  • 奴隷はなぜ逃げないのか-SMAP独立騒動から : アゴラ - ライブドアブログ

    男性芸能人グループSMAPの独立が騒動になった。彼らは独立をあきらめ、ジャニーズ事務所の傘下に戻るという。 芸能ネタはよく知らないが、所属事務所の経営者姉弟は、80才代という。しかもその経営者は、青少年に対する性的虐待疑惑まである。芸能界にはトラブル状態の独立した人の仕事を干す、「中世的」な慣行があるらしい。老人に労働者の自由が束縛され、社会とメディア(特にテレビと雑誌)が小さなエージェント風情にひれ伏す。SMAPは日で一番人気があるグループで、影響力があるとされるのに、自由に行動できない。日が抱える閉塞感とつながるような変な騒動だった。 たまたま「奴隷」をめぐる知識を得た。それが騒動に奇妙に当てはまるので、紹介してみよう。もちろんSMAPを「奴隷」と誹謗するつもりはない。「状況が似ている」という指摘であり、この文章は精緻な論証というよりも感想だ。 奴隷はなぜ逃げないのか 現代

    奴隷はなぜ逃げないのか-SMAP独立騒動から : アゴラ - ライブドアブログ
  • 胎盤はおいしい?助産院での出産について --- 鈴木 健介

    少子化が進む日。 日出生率は、最低を記録した2005年の1.26以来、徐々に回復傾向にはあるが、それでも2014年でわずか1.42、1年間の出生者数も2015年の今年ついに100万人を割るかと言われています。 ここ近年の出生率を国別で見てみると、台湾・マカオ・香港・韓国・シンガポールが世界トップレベルの低さであって、日中国も含めて儒教圏がかなり低い数値です。儒教では子供よりも老人を敬えと教えられますので、儒教が少子化に与える影響は少なからずあるのではないでしょうか? 少子化の現在、出産が希少な体験のようになってきてるかと思います。私の周りにも子供が全然いません。というより未婚だらけです。最近、久々に友人の出産報告を受けました。出産の様子を聞くと、私達夫婦はすでに助産院にて子供を出産していたので、病院と助産院では何もかもが違うなぁとあらためて思いました。これを機に、助産院での出産に

    胎盤はおいしい?助産院での出産について --- 鈴木 健介
  • カンボジア、少女売春の闇をのぞいて=「甘えた」格差反対デモに思う : アゴラ - ライブドアブログ

    カンボジア、少女売春の闇をのぞいて=「甘えた」格差反対デモに思う / 記事一覧 ■弱い立場の少女は切り捨てられる 「生まれては苦界、死しては浄閑寺」。供養塔前の碑にはこう刻まれていた。 亡くなった遊女の平均年齢は20歳程度だ。歌舞伎など江戸時代の文芸をみると、吉原は色恋の舞台、文化を生み出す美しい場と描写される。それは一面だ。若い女性が大量死していた事実を見れば、凄惨な環境で遊女が働かされていたことがうかがえる。 浄閑寺を思い出したのには理由がある。カンボジアの少女売春を救済する日のNPO代表の話を聞き、その直後に先進国で「格差反対」のデモが起こったニュースを見たためだ。 カンボジアでは貧困地域で少女が5−6歳から売られることがある。NPOの調査では、その数は累計数万人。少女らの「卸値」は親に払われる時点で1000−3000ドル。バンコクの闇市場では、処女で美しければ3万ドル前後

  • いまどきの起業について:より良いものを追い求めて

    成功の秘訣は知らないが、失敗するには誰もかもよろこばせようとすればいい。 ビル・コズビー ツイッターでつらつらと呟きを眺めていたら、「調べたらオンライン英会話スクールはもう100社もあるらしい」との呟きを見つけた。それは起業家志望の学生のツイートだった。残念ながらどのような業種でもたいてい100社程度は競合他社は存在する。 起業するのに、何か新しい、誰も挑戦したことがないことをやる必要があると思い込んでいる人達が多すぎる。多くの場合「誰もやったことがない」ことにチャレンジすると、失敗に終わる。なぜならば、誰もそれに手を出さないのは、そこに市場が存在しないからだ。 自分がオンライン英会話業界に参入を決めた時も、すでに100社以上は競業他社が存在していた。では、なぜそれでも参入を決めたかというと、自分のニーズを満たしてくれるスクールは未だ存在していないと思ったからだ。 一昔前までは、「万人に受

    いまどきの起業について:より良いものを追い求めて
  • 「電力自由化」はやはりタブーなのか

    インターネットでは言及する意見は見られても、政治家の口からもマスコミからもほとんど語られることがないのが「電力自由化」です。そういえば菅総理がちらっと発言したことがありましたがいつの間にか消えました。 そして出てきているのは自然エネルギー法案です。一見は自然エネルギー促進を行うという心地良いものですが、電力料金上乗せとして国民負担としてかえってくるだけでなく、当面の電力確保にも役立ちません。 それよりも、電力会社の地域独占体制の是正や「電力自由化」といった問題を先送りする法案にもなりかねない危うさも感じます。 先日、自民党の石原幹事長が、テレビの番組で自然エネルギー法案は、国民や産業に高い電力料金を負担させることになり、また特定の企業の利権となってしまうために問題があるという指摘をされていましたが、その通りです。しかし対案を示さなければ野党第一党の幹事長としての責任を果たしているとはいえま

    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2011/06/30
    電力自由化について、もやもやしていたところが少し晴れた
  • 「原発か自然エネルギーか」というナンセンス

    イタリアの国民投票で反原発派が圧勝した。この際、日も反原発に同調して日独伊三国同盟を結んではどうだろうか・・・というのは冗談だが、この三国には民度が低くて電気代が高いという共通点がある。イタリアは原発ゼロで、電気代は欧州で最高だ。ドイツ電気代はフランス(原発80%)の2倍で、両国ともフランスから電力を輸入している。 以前の記事でも書いたように、「脱原発か否か」というのは間違った問題である。間違った問題をいくら考えても正しい答は出ない。来の問題は、エネルギーのポートフォリオをどう構成するかということであり、それを「原発か自然エネルギーか」という二者択一に単純化して街頭デモをやったり国民投票をやったりしても意味はない。 これは原発推進派にも問題がある。かつて原子力は、鉄腕アトムに象徴される「夢のエネルギー」であり、英語でもtoo cheap to meter(安価で電力計がいらなくなる)

    「原発か自然エネルギーか」というナンセンス
    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2011/06/14
    「民度が低い」なんて書かなきゃ良い記事だと思うんだけどな……
  • 「脱原発」には覚悟が必要だ

    ドイツのメルケル政権が、2022年までに原発を全廃する方針を決めた。福島事故でにわかに反原発ムードが盛り上がった日とは違って、ドイツはもう10年以上、脱原発をめぐって議論が続いており、ある種の「覚悟」があってのことだろう。Spiegelの論評をみても、来るべきものが来たという感じで、驚きはない。 原発をなくせば事故のリスクはなくなるが、その生み出すエネルギーもなくなる。電気が減ったら、みんなが節約して「エコな生活」が実現すると思っている人もいるようだが、そんなことは起こらない。たとえばA.T.カーニーの分析によれば、日のすべての原発を廃止すると、2020年に最大26%の電力不足が生じる。このギャップをすべて再生可能エネルギーでまかなうとすると、電気料金を70%値上げする必要がある。 こうした変化は、GDPを減らす効果はあっても増やすことはない。一般家庭にとっても電気代の値上げは実質的な

    「脱原発」には覚悟が必要だ
    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2011/05/31
    LNGも買ってくるしかないし、メタンハイドレードを使えるようにするのも検討課題だよな。ただ、上記二つは温暖化対策には目をつむることになるけど。まあどの技術も一長一短。
  • 電力ビジネスの今後の焦点は太陽光だけではないはず

    太陽光にずいぶん注目が集まっています。ソフトバンクの孫さんが音頭を取り、全国の多くの知事さんたちが集まり、また菅総理は1000万戸に太陽光パネルを設置するとサミットで確約しました。しかし太陽光だけに注目するのはどうも違和感があります。もっと視野を広げた議論が必要だと感じます。 太陽光は発電が天候に影響されるので、駄目だという意見もあり、また発電力が小さいということも問題視されていますが、それは質的な話ではありません。 電力は蓄電できないので、夏場の電力消費のピーク時にあわせて発電設備能力が整備されてきています。だから普段は設備がフル稼動しておらず、電力は余っているのです。太陽光が不得意な深夜などはまさに電力が余っており、電力会社はオール電化で消費電力の平準化を進めようとしているぐらいです。問題はピーク時の電力確保です。 太陽光発電は、夏場の電力消費が増えるときは、太陽光による発電量も増え

    電力ビジネスの今後の焦点は太陽光だけではないはず
    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2011/05/31
    確かに、代替エネルギーとして太陽光と風力しか挙がってこないのは勉強不足だと思うよ。
  • 全国の原発を即時停止せよ

    アゴラは原発容認派の意見が多いので、バランスを取るために反原発派の立場から書いてみます(私のツイッターにいつも寄せられる意見を参考にしました)。 浜岡原発を首相の「要請」で停止した影響で、定期検査を終えた原発の再稼働を拒否する自治体が増えています。福井県の西川知事は「安全が最優先だ」として、県内の原発の再稼働を拒否しました。「関西から原発をなくす」と勢い込んでいる大阪府の橋下知事は喜ぶでしょう。この他にも佐賀県の玄海原発でも県議会が再稼働に反対し、愛媛県の伊方原発でも地元は再開に反対しています。 斑目原子力安全委員長は「全電源喪失という事態を想定していない国の安全基準は明らかに間違っている」と国会で答弁し、安全基準の改訂を決定しました。これは全国の原発が「間違っている」ことを意味します。間違った安全基準で運転している全国の原発は即刻止めるべきです。命はお金に代えられません。 「東海地震の確

    全国の原発を即時停止せよ
    aoiyotsuba
    aoiyotsuba 2011/05/24
    池田さん、ちょっと演技が下手過ぎ。
  • 原子力は火力より安全である - 『リスクにあなたは騙される』

    9・11のあと飛行機に乗る人が激減し、人々は自動車など他の交通手段を利用した。その結果、死者は減っただろうか? 残念ながら2001年の9月以降の1年間に、アメリカで飛行機の代わりに自動車を使った人は1595人死亡した。同じ距離を移動する交通手段としては、飛行機がもっとも安全であり、自動車がもっとも危険だが、人は一挙に多くの人が死ぬ事故でリスクを評価する。 このようなバイアスが、もっとも愚かな政策を生んだのが、書のテーマである「テロのとの戦い」である。イラク・アフガン戦争では軍民あわせて10万人近い死者が出たが、テロの犠牲者は全世界で年間300人前後で変わらない。これは1年間にプールで溺死するアメリカ人の数より少ない。平均的なアメリカ人がテロで死ぬ確率は1/10000以下だが、これは落雷で死ぬのと同じぐらいの確率である。 この「テロ」を「原発」と置き換えてみよう。日で原子力施設の放射能で

    原子力は火力より安全である - 『リスクにあなたは騙される』
  • 意味不明な世田谷新区長の主張

    世田谷新区長、保坂展人氏曰く、今回の勝利は区民の良識によるものとのご高説である。 問題は区民の良識なるものの中身が意味不明な点である。保坂氏は今回の選挙を、原発から再生可能エネルギーへに焦点を当て戦われ勝利されたと理解しているが、一体世田谷区として具体的にこれをどう進めると言うのだろうか? 大震災の余震が毎日続き、原発事故の影響がどこまで拡がるのか判らない時期に行なわれた選挙で「原発依存から自然再生エネルギーへ」と訴えたことや、「心ある被災地支援を徹底しよう」、「区民参加の世田谷をつくろう」と呼びかけたことを積極的に評価して頂けたと感じています。 脱原発と言った所で、世田谷区が新たな原発建設計画を進めていた訳ではない。それとも、密かに下北沢や三軒茶屋のビルの地下にコンパクトなマイクロ原発を建設する計画でもあったのだろうか? 或いは、原発との共存共栄路線の継続を決めた敦賀市の様な市町村を暗に

    意味不明な世田谷新区長の主張
  • 大前研一氏を日本のリチャード・ファインマン博士にしよう

    いささか旧聞に属するトピックだが、今回の震災後、菅総理が招集した「復興会議」のメンバーが、あまりにも文系でビックリした。 梅原猛さんは個人的には大ファンだ。大学生時代、「隠された十字架」を友人にすすめられて、はまりまくった。しかし原子力は怨霊ではない。 すでにこのアゴラ誌上で何回も指摘されているが、今後の原子力発電政策は、日のエネルギー政策の将来という枠組みのなかで、理詰めで議論されていくべき問題だ。 最近では「歎異抄」の研究など、仏教研究の著作が多かった梅原氏が、「文明災だ!」などと怪気炎を上げ、原発問題を氏の土俵に引っぱりあげようとする姿をみて、この人物に日の将来への指針を示してもらおうという気にはなれなかった。(日歴史文化の研究における氏の貢献は不朽だろうが。) このような、総理の私的文芸サロンのごとき「復興会議」を立ち上げたことが、どれだけ今なお避難所生活をおくる被災者の

  • 電力のシャブ漬けとテレビの洗脳CM - 純丘 曜彰

    電通総研社長で電事連原子力開発対策会議委員長だった通産省事務次官出身の福川伸次。事故後の現在も絶対原発主義者だ。東電社長・電事連会長の清水正孝が、資材調達部門出身にもかかわらず、日広報学会会長を務めていたことからも、官僚と電力と宣伝の関わりの深さがわかるだろう。 そもそも原発は世論操作のために生まれた。戦後、順調だったGHQの日懐柔策は、1954年の水爆実験の日漁船乗組員被曝で迷走。世論は反米へ傾き、左翼の扇動もあって収拾がつかなくなる。前53年に正力松太郎に日テレビを作らせた柴田秀利は、「毒をもって毒を制す」といって日米両政府に働きかけ、「原子力の平和利用」として原子力発電所の建設をめざし、平和運動を原子力推進派と反対派に分断。 つまり、原発は、米ソ冷戦下において、その最前線に位置する日の産業と生活のエネルギーが、米国から独占的に供給されるウランに依存し、米国側ブロックから離脱

    電力のシャブ漬けとテレビの洗脳CM - 純丘 曜彰
  • 原発を擁護する

    3・11の東日大震災は、津波により福島第一原発の深刻な事故を誘発してしまった。それ以降、メディアは毎日のようにこの原発事故の様子を報道している。そして否が応にも、日には反原発の機運が高まってきている。反原発には「今すぐ日中の全ての原発を止めて廃炉にしろ」という過激な意見から「今後の日のエネルギー政策の中でなるべく原発の比率を減らしていくべきだ」という穏便なものまで様々ある。しかし筆者は、今回の”FUKUSHIMA”の原発事故の後でさえも、日はより安全な洗練された原子力技術の確立を目指し、さらに原発を推進していくべきだと考えている。以下にその理由を示そう。 1.原子力は経済的な電力 原子力はなんといっても安い電力を供給できる。そして電力の安さは多くの産業において、国際競争力に直結する。現在、58基の原発が稼動し、電力の80%以上を原子力で生み出すフランスは、欧州で最も安く電力を供給